宗教と政治の関係が明るみに出ている。特に霊感商法をはじめとした布教活動の違法性などが指摘されている「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と政治家との蜜月関係は極めて深刻な問題だ。一方で、こうした組織と政治との密接な関係が、具体的にどんな影響を与えてきたのか──特にジェンダー平等や性的マイノリティの権利保障を阻害してきた実態はあまり知られていない。
そしてこれは、旧統一教会“だけ”の問題ではない。さまざまな宗教右派勢力や保守派議員とが繋がり、現在でも「性」や「家族」をめぐる政策に大きな影響を与えていることが知られて欲しい。
例えば、「神社本庁」を母体とする政治団体「神道政治連盟」。その趣旨に賛同する国会議員、特に自民党議員の大多数が参加する「神道政治連盟国会議員懇談会」で、6月13日にある冊子が配布された。そこには「同性愛は精神障害、または依存症」「LGBTの自殺率が高いのは本人が抱えている悩みのせい」といった、明らかに事実誤認の性的マイノリティに対する差別的な内容が記載されていた。
筆者がこの差別冊子について報じたところ、問題視する声が多数寄せられ、7月4日には自民党本部前で抗議デモが行われた。25日には冊子の回収などを求める約5万筆の署名も提出されたが、自民党本部からの応答はない。
そしてこの間、社会を震撼させる事件が起きた。参院選の期間中だった7月8日、奈良県で演説中の安倍晋三元首相が銃撃され亡くなったのだ。この事件に「旧統一教会」が関係していることが明らかになり、以後、自民党議員を中心とした政治家と旧統一教会との関係性が次々と明らかにされていった。