ブザー(読み)ぶざー(英語表記)buzzer

翻訳|buzzer

日本大百科全書(ニッポニカ)「ブザー」の解説

ブザー
ぶざー
buzzer

電気によって単純な連続音を発生させる音響発生器の一種。電流を電磁コイルに流すことにより振動鉄板を吸引するが、吸引と同時に可動部分の一部が電路の接点となっているため電路が開放され、吸引力がなくなって、ふたたび吸引が行われる。これが繰り返され、ビーという連続音が発生する。ブザーの音域は比較的に低周波帯域に置かれている。形状は、通常は中央に若干の膨らみをもつ円板状で、大きさは5センチメートル以下の小型である。したがって音量もベル(電)に比較して小さい。電源は交流または直流が使用されるが、通常は6ボルトまたは12ボルトのものが多く、一般家庭用ではベルトランスにより降圧した交流が使用されている。

 住宅用では主として玄関呼び鈴に、劇場では開演報知の音響装置などに使用される。火災報知にはベルが使用されるので、それとの混同を避けるため音響による報知を必要とする装置には、車路警報など広く採用されている。発電・変電設備およびプラントなどのシステムではベルとブザーが併用され、ベルは非常事態もしくは重故障時の警報に、ブザーは軽故障あるいは異常発生時の注意報として区分して使用されている。

[越野一二]


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百科事典マイペディア「ブザー」の解説

ブザー

電磁石を利用した音響発生装置の一種で,呼出しや警報用に使用される。数ボルトの交流または直流を電磁石に加え,鉄片を振動させ,回路を断続するとともに音を発生させる。ベルは鉄片の先で金属鐘を打ち高音を出すもの。電子的な合成音のものも普及。

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精選版 日本国語大辞典「ブザー」の解説

ブザー

〘名〙 (buzzer) 電磁石を利用して振動板を振動させ、音を出す装置。警報や呼び出しなどの信号として用いる。
※魔都(1937‐38)〈久生十蘭〉二五「鴨居についてゐる大きな蝉鳴器(ブザー)が底気味悪く唸り出す」

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