「大和市こもりびと支援条例」を制定

こもりびとに寄り添う全国でも珍しい条例

YAMATO NEWS

こもりびと一人一人に寄り添う条例

 大和市は、こもりびと(※)やその家族に寄り添い、そして支えていくため、「大和市こもりびと支援条例」を制定しました。

 ※大和市では、一人一人に寄り添いたいとの思いから、「ひきこもり」ではなく、より温かみのある「こもりびと」という呼称を使っています。





背景とこれまでの歩み

 ひきこもりとは、さまざまな要因の結果として、就学、就労等の社会的参加を避け、原則6か月以上にわたって、おおむね家庭にとどまり続ける状態をいいます。

 平成27年度と同30年度に行われた、内閣府の調査を基にした推計では、大和市における15~64歳のひきこもり状態にある人の数は、約2,300人。

 かつて市では、若年層のひきこもりの相談を教育委員会で対応していましたが、年齢を問わずひきこもりの状態にある人に対する支援することが大切であると認識し、令和元年10月に専門の「こもりびと支援窓口」を開設しました。

 以降、こもりびとコーディネーターが、こもりびとに関する相談を受け付け、開設から令和4年7月末までの相談実績は1,482件に及びます。また、当事者の集いやこもりびと支援講演会を開催するなど、様々な取り組みを進めてきました。

 ひきこもるきっかけやその背景は様々ですが、共通して言えるのは、ひきこもりの状態にある人やその家族等にとって、周囲の理解がとても大切であるということ。

 そして、当事者や家族の気持ちに寄り添い、こもりびとに対する市民の理解を深め、関係機関と協力しながら支援を行っていくことが必要と考えています。

 こうしたことから、こもりびとの皆さんが自らの意思で再び社会と関わりを持ちたいと思ったときに、必要な支援につながることができる地域社会を築くことを目的に、「大和市こもりびと支援条例」を制定しました。

条例の内容

 条例ではこもりびとを、就学や就労など社会的な参加を避けて、おおむね6か月以上にわたり、家庭等にとどまっている方と定義。市の責務のほか、市民、関係機関の各役割、市が実施する施策などを定めます。

これまでの取り組みを継続するとともに、一人ひとりの気持ちに寄り添い、当事者とその家族などが孤立しないよう、様々な側面から支援し、施策をより一層推進します。

施行後の取り組み

 ひきこもることへの正しい理解を深めるために専門家等と連携した講演会や講座などを開催します。

 相談支援の取り組みとしては、コーディネーターのスキルアップに向けた研修を行います。また、当事者が自らの経験を語る機会を設けるなど、こもりびとのニーズに合った事業を展開していきます。