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プーチンの本性を見抜いたあだ名―「吸殻」「子ネズミ」「ガレー船の奴隷」…… 

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【ウクライナ侵略とロシア(2)】ロシア人の諧謔と批判精神があふれ出る

公開日: 2022/07/01 (ワールド)

プーチン大統領=Reuters プーチン大統領=Reuters

リュドミラ・ペトロワ (文芸評論家)

プーチンのあだ名、彼をどう呼ぶかーこれは、プーチンに対するロシア人の見方を物語っている。

 プーチンには若い時から色々なあだ名がつけられてきた。プーチン自身の若い時の性格や、彼がそれをどのように乗り越えて、“マッチョ”ぶり、顔のシワを隠すなどして、自分の男らしいイメージを打ち出そうとしてきたかも浮かび上がってくる。

 そして今や、彼の本性を的確に表現する呼び名がさまざま出回っている。

“吸殻”
 プーチンの大学時代のあだ名は“ 吸殻(オクロク)”であった。

寸法が短い(背が低い)、甲斐性がない、といった意味である。

“子ネズミ”
 プーチンがKGB(ソ連時代の国家安全委員会)のレニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)支局に勤務していた当時、同僚達がつけたあだ名が“子ネズミ”であった。

“蛾”、“淡蛾”
 プーチンは東ドイツでKGBの仕事をしていた。表向きは、ドレスデンの「ソ連・ドイツ友好の家」の館長を数年間務めた。

 この時期のプーチンは、特に目立ったことはなかったというが、 “蛾(モリ)”、“淡蛾(ブレドナヤ・モリ)”という新しいあだ名を得た。

 蛾は、灰色の目立たない昆虫だが、衣類や布に穴をあける害ももたらす。

“ガレー船の奴隷”
 2008年2月14日、プーチンは記者会見で次のように述べた。

「2度も私をロシア大統領に選んでくれた国民の前で、私は恥じることはない。この8年間ずっと朝から晩まで、ガレー船の奴隷のように使われ、全力でやってきた。」

 この“ガレー船の奴隷”は、その後人口に膾炙される“ミーム(模倣子)”になった。

「パパ」、「ミハイル・イワノビッチ」
 クレムリンではプーチンのことを話すとき、声を低くして「パパ」とか「ミハイル・イワノビッチ」と呼ぶそうだ。

 ミハイル・イワノビッチは、人気映画「ダイヤモンドの腕」の登場人物で、犯罪組織のリーダーである。
 この映画の一部をYouTubeで見ることができる。


「ボートを揺らすな!」
 2011年、プーチンは、与党「統一ロシア」の対抗勢力と位置づけられていた議会グループに対し、「冷静に行動し、ボートを揺らすな」と求めた。

「これから多くの不確実性とリスクを抱え、暴風、嵐、危機の中で、船が傾かないように、チーム全員が結束して動くことが非常に重要だ」とプーチンは述べた。

“カニ”
https://memepedia.ru/putin-krab/

「プーチンはカニ」 https://memepedia.ru/putin-krab


  ある通信社は、ニュースの中で、「プーチンは、『大統領時代、ガレー船でカニのように働いていた』と発言した」と書いた。その結果、「プーチンは“カニ”だ」という“ミーム”も産まれた。

「ミームペディア」のサイト1:サイト2
              

 通信社がこのような間違った情報を流したのは、おそらく、以前からプーチンが“カニ”と呼ばれていたためだろう。

「プチーナ」という名前の企業があり、この企業名の由来は、魚やカニの漁が集中的に行われる季節を表す言葉からきている。

 同社が生産するカニ缶のラベルの文字は、「プーチンのカムチャッカのカニ」とも読めるのだ。

かに缶のラベル:スーパーマーケットでの表示


「ネズミがボートで吐いている」
  ドミトリー・ブィコフ

https://sobesednik.ru/dmitriy-bykov/20220110-vsego-10-let-nazad-dmitrii-bykov-o-to

「ボートを揺らすな。うちのネズミが吐いている」 https://sobesednik.ru/dmitriy-bykov/20220110-vsego-10-let-nazad-dmitrii-bykov-o-to

 2012年、小説家、詩人、ジャーナリスト、文芸評論家、教師、風刺作家として著名なドミトリー・ブィコフは、プラカードを持ってモスクワのボロトナヤ広場での集会に出向いた。

 そこには「ボートを揺らすな。うちのネズミが吐いている」と書いてあった。
プーチンはこのプラカードに激怒したと伝えられている。

 この短い表現に、既に説明したプーチンにまつわる様々な表現が満載なのだ。

 2019年、ブィコフは、神経剤ノビチョクに匹敵するような毒物を盛られた。この暗殺未遂事件には、アレクセイ・ナヴァリニーと同じように連邦保安庁(FSB)が関与したと見られている(The InsiderとBellingcatの調査による)。

“アルファ・オス”
 プーチンは "アルファ・オス "である。

 “アルファ”はギリシャ文字の“α”であり、この場合“ナンバー・ワン”、“ボス”の意味である。

 自然界でも人間界でも主導権を握り、数々の偉業を成し遂げているというわけだ。
プーチンは、消火飛行機を操縦し、原子力巡洋艦の舵を取り、スノーモービルを運転し、潜水艇で海の底に潜る。

 プーチンは、鶴の群れの先頭を切ってハンググライダーで飛んでいく。政府系の新聞『ロシースカヤ・ガゼタ』(2012年9月6日付)は、「プーチンは、鶴のようなロシア人に道を示してくれる」と書いた。

“子供を食べる”
https://ruinformer.com/page/chto-sluchilos-s-malchikom-kotorogo-vladimir-putin-poceloval-v-zhivot

「プーチンは子供を食べる」 https://ruinformer.com/page/chto-sluchilos-s-malchikom-kotorogo-vladimir-putin-poceloval-v-zhivot

 プーチンは、21キログラムもの巨大なカワカマスやチョウザメを釣り上げた。そしてなぜかプーチンはいつもキスをする。

カマスにキスをする  
チョウザメにキスをする

 プーチンはクレムリンでニキータ少年と知り合い、なぜかお腹にキスをした。ここから、プーチンは“子供を食べる”というミームが生まれた。

セクシーな "マッチョ"
 ソ連時代は、国の指導者の身体が権力者の象徴としての役割を果たすことはなかった。

 プーチンの下では、巧みなプロパガンダが彼のイメージをエロティックにし、“淡蛾”を“マッチョ”に仕立て上げた。

 プーチンの裸体は、力の神聖なイメージを強めるためにデザインされた。

数年前から、クレムリン(ロシア大統領府)のウェブサイトにも、プーチンが半裸で釣りや乗馬をする写真が掲載されている。

この「マッチョ」ぶりを見て、SNSユーザーは、「ワックス脱毛している」との感想を持つようだ。



“平和構築者”
 2014年、ナイトクラブのストリッパー「ゴールデン・ガールズ」は、シリア戦争をテーマにしたカレンダーを発売した。

これは“平和構築者”プーチンに捧げられた。

たとえば「化学兵器をシリアで探すのではなく、人間関係の相性(ケミストリー)を探せ」、「撃つのは弾丸ではなく、視線で撃て」、「地球は戦争から救われた、プーチンに感謝しよう」といった皮肉を込めたメッセージが、カレンダーに書かれている。


“ボトックスのタンク"
https://enigma.ua/articles/sanktsii-tolko-na-polzu-shveytsarskaya-klinika-ne-obsluzhivaet

「ボトックスのタンクを持つおじいちゃん」 https://enigma.ua/articles/sanktsii-tolko-na-polzu-shveytsarskaya-klinika-ne-obsluzhivaet

 2011年頃、プーチンの顔から皺が消え始めたことに人々は気づいた。

プーチンは、整形外科医からボトックス注射(顔に注射して、しわができないようにする)を受けているのだろう。

2000年6月   2011年12月

顔には、注射されたボトックスが溜まっている膨らみが観察できる。

プーチンは、 “ボトックスのタンクを持つおじいちゃん”あるいは"ボトックスのタンクをもつ子ネズミ“になったのだ。


“地下壕にこもる”
 コロナウイルス規制の期間中、プーチンは公の場に姿を現さず、地下壕にこもっているという噂が流れた。

プーチンのように活動的な国家元首は、地下壕の中で座っているわけにはいかないと、ペスコフ報道官は反論してはいたのだが。


“はげ頭の総統”、“プトラー”、“破滅のプトラー”
 人々はプーチンをヒトラーになぞらえる。

“はげ頭の総統(フューラー)”(シリア戦争後に)、“プトラー”、“破滅(カプート)のプトラー”(2014年のクリミア併合後に)と呼ばれるようになった。

“毒殺者”
 相次ぐ毒殺事件の結果、プーチンは“毒殺者”と呼ばれるようになった。

そう、プーチンは血生臭い独裁者であり、殺人者なのだ。

 上記のいくつかの呼び方は、もはや単なるあだ名ではなく、彼の本性を示すものだ。

プーチンは、戦争犯罪人として告発されるべきであり、その時、告発状には彼の罪名が記載される。

上記の表現や暗喩(“犯罪組織のリーダー”、“毒殺者”、“平和破壊者”、“子供を殺す”)も、彼の本性を示すものとして法廷で使われることになるのだろう。
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