癸水は習得本能を持ち、徳は知、色は濃緑、声は清亮、方向は北、自然界では、雨水、川、雪です。質は重で、しっとりとして暗いです。雨は地上の状態に関係なく降ってきます。つまり、その行動は手前勝手のように見えます。水は万物育成に欠かすことができませんが、余分にあっても欠乏しても害となります。物に深く浸透したり、汚れを落とす役目もします。それは知識、学問を生み出す力となり、情操教育の力となります。企画や参謀などの能力ともなります。時を得れば、学問、技芸に長じ、慈悲心厚く、教育の才能を現わし、社会においては企画力を発揮し、臨機応変に物事を処し、良き指導者を得て大成します。

現体制を支持し、運用する才能に優れ、保守性が強く出ます。時を失えば、知性は愚直となり、排難解紛に役立つことになり、察行看破できなくなります。更に加護を求め自立の能を失います。自己満足が強く出て、周囲の迷惑を省みなくなります。癸水は純粋ですので、土性で汚されると、生活の知恵は出ても、学問の知恵は乏しくなります。流れないと腐敗したり、汚れたりして役に立たなくなります。常に水源である金性と流出先の木性を求めて、清流となります。その時は生命維持に必要な存在となって、万人から求められて世を過ごします。