壬水は習得本能を持ち、徳は智、色は黒、味は鹹(カン)、声は渋と言って、まろやかな重みのある声、方向は北、自然界では、海、湖、大河です。質は潤で、淫です。

海は海水を蓄えて枯れることがありません。船を浮かべ、人や物を運びます。国の境ともなれば、流通の役目もします。平穏な時は船上の人達を楽しませますが、暴風となれば、船もろとも人や物も海中に飲み込んでしまいます。器としては大きいですが、良い面と悪い面の両極端を備えています。それが改革や放浪や創造等に発揮します。

それは独時の信念や思想となり、時には反社会の中で消化されます。その時は、悲劇を楽しむ人のように見られます。徳を得れば、創造、改革により、社会の利益や国を発展させる原動力となり、不満分子を一掃する力を持っています。濁を同化して利用する能力は見事です。時を失えば、不満分子を糾合し反体制組織を作り、国の病いとなります。その時は創造、改革が破壊作用となります。

壬水は、沿岸の万物を育成する力を持っています。寛大な度量を持っていますが、依頼心が強く、怠慢の傾向があります。才智は豊かで生活に困ることは少ないです。常に動を求め、静であれば怠惰となります。権謀術策の能に長じています。