辛金は攻撃本能を持ち、徳は義、色は淡白、味は苦、声は金声と言って感高いです。方向は西方、自然界では宝石、貴金属です。質は鋭で宝石が醸す光と輝き、冷たさ、眼を射るような鋭さです。行動は柔中の剛と言って、優しく穏やかな態度の中に厳しさを持っています。他人を惹きつけておきながら、ある一定の線まで来ると寄せ付けない面を持っています。庚金とは逆に平和を好み、世の中が安定すると活躍し、名誉名声が高まりますが、動乱となって不安定になれば役に立ちません。時を得れば王鐘と言われ、輝きを増し光沢を放ち、衆人の願望を一身に集め、官職や名誉職を得て、実より名を取り、国を治める才能を発揮します。
他方、三秋温和の気として、宗廟社稷を祭り、伝統を保持します。時を失えば、飢えを凌ぐ一糧にもなれず、世人から邪魔にされ、ただ単に夢を追う旅人となって、時が過ぎるのを待つだけとなります。
しかし時代を越えて、辛金は世人が珍重する宝ですので、高い方に動く、つまり利に動きます。そのため肉親縁は薄く、酷薄な面と利己的な面が現れます。偏向的な行動で、自己を見失うこともありますが、人心や時代を見抜く目を持っています。庚金を国と占う時は、辛金は国民とします。