己土は魅力本能を持ち、徳は慎、色は淡黄、味は甘、声は婉曲、方向は中央、自然では田園、平地とします。質は博厚で、公平です。行動は従順で平穏です。永々と広がる田園は、のんびりして穏やかな情景を見せ、五穀の豊穣を約束し、百花の成長を促し、憩いを与えてくれます。さらに、人々の生活に必要なものをすべて包括します。五行のうち、木性、火性、金性、水性を包括し調整します。

時を得れば、万物を育成し発展させます。そのことで驕り高ぶることがなく、慈愛を持って受け入れます。時を失えば、万物の成長を拒絶し、人々を苦しめます。人間性は、狭量となり怯懦となりますが、堅貞の質は失いません。世の中では四季を調整する所から、標準的になり、規則を作り、平穏で善良であることが求められます。それだけに自ら規則を破り、標準的でない場合は、魯鈍になり、機転もきかず.施索の才も出ません。

そうならないためには、木性で剋されることが必要となります。水性の過多は、田園を洪水の蹂躙に任せ、百年の不作を呼び、子孫を苦しめます。火性の過多は燥土となり、砂漠を作り、一木一草に至るまで命を絶ちます。金性の過多は、岩石、瓦礫の山を作り、鋤を折り、労をむさぼり、貧を与えます。四気を調整する己土は、四気を平均的に持つことが望ましく、一方に片寄ると苦労します。