乙木は守備本能を持ち、徳は親で、和合、協調の意味があり、色は碧、味は甘酸、声は婉転と言ってまろやかな音調です。方向は東、自然界では草木であり、柔木です。質は潤で、性は曲と言って柔軟性を持っています。甲木の直に対して、乙木は曲で、甲木・乙木を含めた木性全体の性質を、曲直と言います。乙木は柔軟性のある動きをし、協調、協和を発揮して、党を結び集団行動をする特徴があります。
出所進退を心得ず、常に社会の弱点に進出を試みます。さらに何度挫折しても、立ち上がる執念深さは見事です。時を得れば、開花繁栄し、世人の羨望の的になり、時を失えば枯草となり、世人の蹂躙に任せるだけとなります。そのため矯揉の質を現わし、世情に従おうとします。草木は粘りを特質とし、粘りを失えば役に立ちません。粘りは執着心を起こし、執着心は細心と進取の気概を失わせ、不安定な心を呼びます。
金性を最も嫌い、金性は乙木の粘りを失わせます。適度な水性と火性を最も喜び、それらが揃うと、あとは季節の到来を待つのみです。
甲木を男性に例えるのに対して、乙木は女性です。