映画館を開設することが決まったイオンモールとなみ=砺波市内

 イオンリテールとイオンモール(いずれも千葉市)は11日、砺波市のイオンモールとなみを順次改装し、映画館「イオンシネマとなみ(仮称)」を新設すると発表した。同一施設に複数のスクリーンを持つ複合型映画館(シネマコンプレックス)は同市で初めて。2023年夏のリニューアルオープンを目指す。

 リニューアルでは、家族で過ごせる「時間消費型」のサービスを拡充し、これまで来店客から要望の多かった映画館を導入して集客力を高める。計画では、1階「ファッション&グッズ・グルメゾーン」の大型スポーツ専門店跡地に設け、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した次世代型の運営やサービスを展開する。

 映画館を運営するイオンエンターテイメント(東京)によると、座席数やスクリーン数は今後、詰める。スクリーンが比較的少ないコンパクト型の新業態になる見通しという。

 イオンモールとなみは、砺波市唯一のショッピングモールとして2015年7月に開業。富山、金沢市につながる北陸道の砺波インターチェンジ(IC)から約2キロの場所にある。

 オープン当初から映画館開設を要望していた夏野修市長は「大変喜ばしい。交流人口の増大、経済の活性化、雇用の創出を期待する」とコメントした。砺波商工会議所の北村憲三会頭は「幅広い世代の利用が考えられ、住民の利便性が高まる。砺波市の魅力アップ、地域活性化が期待できる」と述べた。

 砺波郷土資料館によると、昭和30年代前半まで市中心部には「砺波劇場」と「出町劇場」の2映画館があり、その後、1961(昭和36)年に出町劇場が砺波劇場に吸収合併され1館のみになった。87年に砺波劇場も閉館し、市内に映画館がなくなった。

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