仲間を解剖した人間へ抗議?アザラシの凄い行動 アザラシが亡くなった翌日に起きた不思議な事
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羽田から飛行機で2時間弱の北海道紋別市。ここに日本唯一のアザラシ保護施設「オホーツクとっかりセンター」があります。同施設で10年にわたり保護活動をしてきた岡崎雅子さんにアザラシとはいったいどのような動物なのか、施設にいる個性的なアザラシたちとの思い出について聞きました。※本稿は『寝ても覚めてもアザラシ救助隊』を一部抜粋し再構成のうえお届けします。
新入りにも人にも友好的
たくみくんは、私が経験した唯一の混獲個体である。11月のある日、サケの定置網にアザラシが入っていたとの連絡を受けた。引き取りに向かうと、漁港に置かれたカゴの中で、小さなワモンアザラシが動いていた。
ワモンアザラシの保護要請が初めてだった私は、一目見た瞬間、あまりの可愛さにそのアザラシの虜になった。ケガをしており、そのままセンターに引き取られることになったその子は、助けてくれた漁師さんのお名前をもらい、「たくみ」と名付けられた。
推定0歳で保護されたたくみくんは、ワモンアザラシらしく気が強かったが、慣れてくると人に対しても友好的だった。ペットボトルに熱湯を入れてタオルで包んだ湯たんぽが大好きで、用意してあげるとすぐにその上に乗って温まっていた。
元気になり、外のプールに出ると、同い年のゴマフアザラシの海(かい)くんととても仲良くなった。アザラシの子どもは、追いかけっこをしながらクルクル回って遊ぶ。この遊びの行動は、特に若いオス同士で観察されることが多い。紋別港内で野生のアザラシの子どもが複数頭で絡み合って遊ぶ様子は、私も何度も見たことがある。
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