日本式伝統と民主主義は相性が悪い
NYに高跳びしたプー夫婦を庇う声は少ない。
今回のダメ亭主司法試験不合格のニュースに「オジョウ様を幸せにできるのはダメ亭主だけなのだから、温かく見守ろう」と意見を述べた人がいて、数人が「いいね」ツイートしていたが、これはレアケース。
しかしプー夫婦に批判的な人たちも、次のステップでは意見が分かれる。
その中でも比較的多いのは、結果的にプー夫婦を誕生させたオイエを批判する連中だ。
・全てはオイエの家庭教育の所為
・そもそも昔からオイエ当主にも問題があった
・更に当主の嫁に至っては問題だらけ
・このオイエがコーシツを継ぐことには絶対反対
・むしろ、ご本家のオジョウ様の方が後継者になるべき
と、コーシツ典範の在り方にまで踏み込む過激な意見も出回っている。
一方、プー夫婦は肯定できないが、日本の皇統と日本の伝統を考えれば、問題となっているオイエの悪口は慎むべきだとの意見も根強い。
そしてこの勢力に言わせると
・問題のオイエを攻撃している連中は男系万世一系を否定している
・女系天皇を目指し、日本のコーシツを破壊しようとする勢力
・そもそもコーシツは人品骨柄ではなく血統で維持されるべきモノ
・コーイ継承者をぞんざいに批判するなど以ての外
・そんなヤツは反日野郎に他ならない
と口を極めて反論、罵倒している。
そんな中で次々期コーイ継承者のヒー君の存在もまた、何かと物議を醸す。
ヒー君は、推薦で幼稚園に入園し、中学までエスカレータで進級した。
そして今回も推薦、即ち無試験で、難関と言われる高校に入学した。
そもそもこの全てが裏口合格で、三年後も東大農学部へ推薦裏口入学が決まっていると騒がれている。
そこに中学時代のコンテストで佳作賞を取った、作文の剽窃問題が加わった。
ヒー君は「不注意で気が付かなかった」と言い訳したが、その後に主催者が「絶対に不許可」だったはずの受賞作修正に応じていることも判明した。
前者グループは「コーイ継承者ともあろうオカタがパクリ作品を提出したり、インチキ裏口人生を続けている」と見ている。
一方の後者グループも、ヒー君が成績優秀で性格円満と言い募る人は少ない。
彼らは
・高校入試は中学校が総合的判断で推薦した結果
・剽窃問題は、子供の単なる不注意にすぎない
と援護するが、正直なところは、コーイ継承者の粗探しは皇統の名誉と権威を損なうから、ガタガタと細かいことを問題視するなと言いたいのだろう。
ヒー君にしてもそのオイエの問題にしても、悪く取れば皇統の権威を自ら傷つけていると見られないわけではない。
そんな観点からは、NYのプー夫婦の言動など言語道断で、それを制御できないオイエも、コーイ継承者としては危なっかしくて見てられないとの心境になる。
しかし皇統の伝統を重んじる方は、オイエに少々批判される要素があっても、それを論うことは不敬と反論する。
「今までの皇統だって完全無欠な継承者ばかりだったわけではない」などは、真の意味でオイエへの応援になるのかは微妙だが、何とかオイエを盛り立てるためなら、少々の無理筋でも主張しなければとの使命感すら感じる。
コーイ継承に関しても
1,絶対に男系維持
2.一時的にご本家のオジョウ様の女性天皇、その後は旧宮家復活
3.男女同権の世の中で女系天皇
の三つの考えが入り乱れている。
本来なら雲の上の出来事まで、ゴシップとして一般大衆の暇潰しのネタに利用される。
オイエのオジョウ様がこんな環境から逃げ出したくなり、海外にトンズラした気持ちも分かる気がする。
ヒー君が「僕は継承したくない」と言い出しても、何ら不思議ではない。
2千年続いた日本の皇統と、西洋由来の民主主義や男女同権などの近代的価値観は相性が悪い。
コネなしで司法試験に合格するのは楽じゃない
4月15日午前6時前。
昨晩録画溜めしていたラーメン番組を見ているところに嫁が駆けつけてきた。
「KKが今回も落ちたらしい、朝のニュースで報道した」
彼女にとっては、取るものも取り敢えず連絡するべき大ごとのようだ。
すぐにネットで調べると、YouTubeで早々に報告されていた。
その意見の全部が「やはりダメだった」の論調で、驚きや意外感は皆無だ。
そう言えば、第一回目の不合格が明らかになって以降は、二回目の試験に受かるはずがないとの意見が主流だった。
彼らは
・二回目はもっと難しくなる
・それなのにまじめに勉強しているように見えない
・そもそも受験資格があるのか、受験したかも疑わしい
とケー君に対して、全面的な不信感を表していた。
しかしケー君は、フォーダム大学入試に当たってトップ(若しくはトップクラス)で合格した特典として、マーチン奨学金を貰った秀才のはずだ。
その後もケー君は、論文テストで学校トップとか二位とかで表彰されていた。
昨年7月の司法試験では、そんな学業優秀だったはずの彼よりも下位でフォーダム大に入学した他の受験生たち全員が合格している。
不合格者がフォーダム大学トップの成績だったはずのケー君だけなんて、何かの間違いではないか。
いくら試験はミズ物と言っても、ケー君の実力が噂通りなら、一度ならず二度も続けて司法試験に落ちるはずはないではないか。
などと、真に尤もな疑問はあったが、しかしケー君は想像以上のポンコツとの(穿ってはいるが)冷静な見方も増えていた。
そもそもケー君が、弁護士を目指したのが間違いとの意見だ。
ケー君はまさしく突然に一念発起して弁護士を目指したが、その前は三菱UFJ銀行勤務だったことは知られている。
この就職自体が中途入社で、後に嫁となるオジョウ様の親父殿の強力プッシュのお陰とも言われる。
ところがケー君はこの職場で甚だ評判が悪く、二年も持たず中途退社をしてしまった。
そこで突然浮上したのが弁護士、しかもアメリカ・ニューヨーク州の弁護士になる仰天プランだ。
後に判明するが、この計画を強硬に支持し実質的に推し進めたのがオジョウ様だった。
ピアノを弾いたり英語を流暢に話すケー君を、日本でもトップクラスの世間知らずオジョウ様は「すごい才能の持ち主」と勘違いしたようだ。
「ケー君の実力なら弁護士なんてチョロいモノ」と、親父殿を説得したのは想像に難くない。
しかしケー君は、それまで法律の勉強などしたことがないのだ。
日本では最難関の東大法学部学生でも、司法試験に合格するのは楽ではない。
ましてや母国語でもないアメリカなら、ややこしい法律用語をマスターするだけでもハンディになる。
それまでの人生で、一度として実力で試験を突破したことのないケー君には、最初から到底無理なチャレンジだったのだ。
そんなことは百も承知で当方は、それでも「ケー君は二回目の司法試験に合格する」と思い続けてきた。
理由は唯一つ、外務省がアメリカ政府に必死に裏工作して、何が何でも合格を勝ち取るに違いないと確信していたからだ。
何せこの漂流プー夫婦は、結婚以来全く地に足がつかないロイヤル生活保護で生計を立ててきた。
NY生活では、そのセキュリティ費用だけで年間8億円超が支出されている。
ケー君が家族の借金を抱えている中で、いくらオジョウ様に1億円超の預金があったとしても、稼ぎ手に決まった年収がないのならすぐに使い果たして行き詰る。
結局は日本の税金で丸抱えするしか、生き延びる手段がない。
外務省としては、能力がないのは分かっているが「弁護士の仕事なんか絶対にやらせないから、とにかく資格だけは認めて欲しい」とでも言って、カッコつけるはずだ。
そう思っていた。
実力が合格点に至っていないのに、忖度で資格を与えるわけにはいかない。
しかもアメリカにとっての日本の皇室は、その長い伝統には一目置いても、イギリス王室のような身近な存在ではない。
外務省必死の工作も、残念ながら通用しなかった。
そんなことが実態なのだろう。
NHKニュースによるとケー君は、
・今回は合格に5点足りなかった
・次の7月試験に挑戦する
と、世話になっている弁護士大御所のパトロン爺さんに電話してきたらしい。
「わずかに5点不足だったら、もう一頑張りで次は合格」と期待される。
しかしケー君は昨年も「自己採点では合格確実」と義理パパに太鼓判を押していた。
今回の「あと5点」も、大事な命綱のパトロン爺さんを安心させるためのリップサービスの可能性が捨てられない。
サギ師、サワ師が使う「もうチョイだから次は大丈夫なので、今後とも宜しく」と、資金援助継続を訴えたのではと疑えば、一気に信頼感が薄らいでしまう。
しかしそんな事よりも重要なのは、それまでのビザは大丈夫なのかだけでなく、あのプー夫婦がアメリカで生活する限り、多大な税金を投入せざるを得ないことなのだ。
必要なら無利息無担保返済不要の皇室ローンが使い放題のあの夫婦にとっては、生活費の不安などは無縁なのだろう。
しかし警備費を含めると毎月1億円ほどの経費が掛かる。
元コーゾクのオジョウ様はともかく、単なるヒモ的存在のケー君までそんな生活を当たり前と思ってはいけない。
このままではこの夫婦の自立など夢のまた夢で、税金が湯水の如く使い続けられる。
日本人としては、泣いて馬謖を斬る!
馬謖には程遠い能力のケー君など、サッサとお払い箱にするべきなのだ。
京都花見旅は醍醐寺から
京都に到着後、いよいよ旅の目的である「京都での花見」開始。
先ずは、夕方に醍醐寺へ。
その昔は豊臣秀吉も愛でた桜の景観で、今回の京都花見旅のトップバッターとして申し分ない。
なかなかの風情に満足。
かねて予想されていた通り、中国人の姿がほとんど見えない。
中国人だけでない。
流行り病以前は、世界中から押し掛けていたはずの観光客の姿が様変わりしている。
そこにいるのは、日本の爺さん婆さんばかりだ。
そして紛うことなく、我々夫婦もその中の一組なのだ、
彼らは手に手にスマホを持ち、歓声を上げながら満開の桜を撮影している。
そしてまた我々夫婦も、それと全く同じ行動をとっている。
こんなはずではなかった。
引退後の生活は、自宅周辺の四季の変化を静かに愛でながら、優雅に、そして心豊かに過ごすはずだった。
まかり間違っても、観光地の雑踏で嬌声を上げながら撮影スポットを奪い合うような、醜態を晒すはずではなかった。
四年前は青森の弘前城で、そして今年は京都で、満開の桜を見て大喜びする。
まるでKポップスを追っかける、評判の悪い日本の老人たちを変わらない。
どこで道を踏み間違えたのかは知らないが、我ながら月並みの爺イに成り果てたものだ。
醍醐寺の後は、途中の知恩院にお参りして、次の目的地の八坂神社へ。
暮れなずむ境内の屋台を冷かしていたら、猛烈に腹も減ってきた。
狭い店には、会社員風の先客四人。
お好み焼きを肴に、ビールや焼酎で阪神戦の野球中継を見ている。
この日の阪神は今シーズンの初勝利を挙げ、店主も客も大喜び。
彼らによると、阪神はこのままの勢いで勝ち続け、最後は優勝しそうな応援振りだった。
しかし現実は厳しく、阪神はその後も連戦連敗が続き、とうとう1勝15敗のプロ野球ワースト記録を作ってしまった。
いやしくもプロ球団を名乗る野球チームが、17回戦ってわずか1回しか勝てない。
そんな阪神の貴重な一勝に立ち会えるとは、なんとラッキーなことか!
京都まで花見に出かけてきて、歴史的な瞬間に立ち会えるとは、実に旅行の甲斐があったと言うものだ。
さすがに疲れて、この後はタクシーでホテルに帰還。
運転手は、京都の観光客減少で商売上がったりだと嘆いていたが、それはホテルも飲食店も一緒だ。
我々が宿泊したホテルも、恐らくは稼働率三割以下だと思われた。
それもこれも全て、中国武漢発の流行り病の所為なのだが、観光する側にとってはこんな好条件はない。
世界遺産の宝庫京都で、世界遺産クラスの京都の花見が満喫できる。
夫婦でそんな喜びに浸った一日だった。
橋下徹の検証
今回のウクライナ戦争で、ロシアのプーチンは世界中から断罪されている。
恐らくは短期での勝利を夢想していたのだろうが、予想外のウクライナの抵抗を受け、結果として今に至っても勝利宣言を出すことができない。
しかも首都キーウを巡る攻防では、ロシアが全面撤退した。
東部戦線に戦力を集中するためと言うが、どう言い訳しても首都決戦でロシアは敗北したとしか思えない。
それどころか、国際司法裁判で戦争犯罪人として裁かれることが現実味を帯びている。
「こんなはずではなかった」と臍をかんでいるに違いない。
プーチンに比べればかなりスケールは小さいが、日本中を敵に回したのが橋下徹だ。
こちらはコメンテータとしてテレビに出ずっぱりだったが、一貫して主張したのが
・人命が大事
・戦う一択の戦争指導者のやり方は間違い
・民間人はとにかく逃げろ
これだけなら、後に何とか言い繕えるかもしれないが、橋下は喋り過ぎて墓穴を掘り、更にその穴を大きくしている。
生きていれば何とかなると、余りにも超楽観主義で非現実的な意見を続発する。
・プーチンもあと20年生きるかどうか?
・自国を捨てても、その後に戻って国を再建すればよい
ロシアがウクライナ人をサハリンに強制連行しているとの情報に対しても「それでも受け入れて逃げる道を選ぶ」とまで言い出した。
こんな橋下の意見に、日本で活動しているウクライナ人のナザレンコ・アンドレー氏が「国土を放棄すればウクライナの復興など不可能」と批判したが、これが余程頭にきたようで
・安全な日本に住んでいれば何とでも言える
・そんなに国土が大事なら、即刻国に帰って兵役を志願するべき
みたいなニュアンスでナザレンコ氏を嫌味タップリに批判した。
そしてナザレンコ氏が仕事で北海道に赴いた件を、「ウクライナで多数の死者が出ている時自分は北海道を楽しむ矛盾、滑稽さ」と文字通り痛罵した。
後にこれは北海道の自衛隊での講演が目的で、ロシアの脅威を共有するためだったと、橋下の早とちりが判明したが、橋下からの謝罪など全くない。
ここまで批判が集中すると橋下も、自分の意見が言い過ぎの頓珍漢だったことは分かっているのだろう。
しかし弁舌さやかに相手をやっつけてきたことへの拘りか、はたまた根っからの負けず嫌いが災いしているのか、とにかく一切の非を認めず、何とか自説の正当性を言い募ろうとする。
しかし彼の意見が通れば、結果としてロシアがウクライナを制圧することになるし、それは国際社会で認められることではない。
それが前例となれば、次は中国が台湾を攻めるだろうし、その刃は尖閣列島だけでなく、沖縄侵略も視野に入れるだろう。
橋下はロシアの肩を持つことで、間接的に中国の野望にも加担していることになる。
テレビでの発言だけでなく、Twitterへの橋本の投稿は異常だ。
彼をあれほどの行動に駆り立てるのは、一体何なのか?
橋下はウクライナ国民に、ロシアに抵抗せずに逃げろと繰り返した、
冷静に考えれば、日本語で発信される橋下の心配や情報発信が、ウクライナ国民に伝わるはずはない。
橋下の
・外国に攻められたら、政治家は国民の命を最優先するべき
・国民は身の安全のために、サッサと逃げろ
との意見は全てが、日本人に対してのモノなのだ。
ここから中国による、橋下へのハニトラ、マネトラの噂が再燃する。
今や橋下とは不倶戴天の論敵になっている百田尚樹は、言外にこの説を示唆する。
しかしこの手の疑惑だけは、当事者が認めない限り水掛け論になる。
無論中国で政変が起き過去の秘密書類が暴露されれば、このスキャンダルも白日の下に晒されるので、関係者はヒヤヒヤ物だろうが、それまでは全てが藪の中だ。
僕もまた、橋下と中国の間にどんな密約があっても驚かない一人だ。
しかし一連の橋下の言動を見ると、中国や韓国との腐れ縁よりも、橋下自身の愛国心のなさ、反日主義に凝固まった思想が背景ではと思っている。
橋下が大阪府知事として颯爽と政界デビューした時、その口調の歯切れの良さと決断の速さから、保守の一部からも大きな期待が持たれたし、僕も好感をもって彼を見ていた。
しかしそんな橋下に最初の疑問を持ったのは、韓国の自称慰安婦が日本国を相手に起こした訴訟で、韓国司法が国際法を無視して日本に賠償命令を下した時だ。
日本中が韓国の非常識に怒っている時、橋下は「国家間賠償は終わっているが、個人の損害賠償請求権は残っている」と、全く韓国と慰安婦たちと同じ主張をした。
その後の橋下は、その歴史観においては韓国、中國と論を同じくしているし、ジェンダーや家族制度も日本のサヨク活動家と同じ意見だ。
挙句は戸籍制度の廃止まで唱えている。
橋下は、日本の家族制度破壊を目指す過激派と同じ穴の狢だ。
恐らくは、橋下に日本への思い入れはないに違いない。
彼が今まで生きてきた過程は、日本愛を育む環境ではなく、日本への憎悪を滾らせるモノだったのだろう。
だから彼にとっては、古き良き日本など全く評価の対象外で、今風の一見斬新なリベラルと同じ主張となっているのではないか。
もしもこの推測が当たっているのなら、こんな橋下は極めて危険なオトコだ。
彼が影響力を持ち、彼の主張を信じる日本人が増えれば、その分日本の内部が崩壊し、極東の地で韓国、中國が跋扈する事態となる。
だから僕には、彼が創設者であり、且つ今でも深い関係を噂される日本維新の会への絶対的な不信感がある。
橋下の歴史観、国家観への違和感があるからだ。
京都桜巡りの旅
今や、武漢肺炎なる言葉をほとんど聞かない。
コロナだのCOVID19だの、実態の分からない単語になっているが、元を質せば中国・武漢が発生源の流行病であることを忘れてはいけない。
我々夫婦はそんな世界的災厄の所為で、二年前の海外旅行だけでなく、昨年の東北花見旅行の中止に追い込まれた。
元々出不精な当方には大したことではないが、デベソな嫁にとってはストレス塗れの二年半だったようだ。
中国へ恨み骨髄の彼女が、三月末になって突然「今年は京都に花見に行く!」と言い出した。
当方は花見なら4月末に東北と思っていたが、嫁に言わせると
・日本人なら京の桜こそ必見
・今年は忌まわしき中国人観光客がいない
・中国人のいない京都を散策できるチャンスなど千載一遇
・幸いにいつもなら絶対に予約できないホテルが空いている
そうだ!京都に行こう、イヤ行かねばならぬ!
と並々ならぬ決意で、4月5日から三泊四日でホテルを予約したらしい。
「アンタなんか、黙ってついて来れば良いノヨ」と、一切の反論を許さない調子で話がドンドン進んだ。
ところが我が関東周辺では、3月後半には桜満開となってしまった。
例年よりも一週間以上速いペースらしい。
関西地方は関東よりも、桜前線が早いはずだ。
折角鳴り物入りの京都の桜旅も、4月5日過ぎでは既に散り去っているのではないか?
そんな素朴な疑問に嫁は、「イヤァ京都は寒いから大丈夫」と強気な姿勢を崩さない。
結果として「牛に引かれて善光寺参り」みたいに、嫁に引かれて京都参りと相成った。
往きの新幹線は、乗車率40%弱。
車中でのマスク着用は煩わしいが、人が少ない分気分的には楽だ。
昼過ぎに京都着。
京都駅のうどん屋で昼食後、地下鉄でホテルに向かう。
そこでチェックイン担当のおネエさんが、満面の笑顔で「絶好のタイミングですヨ、桜は今が見ごろです」と言う。
ミエミエのリップサービスと思いきや、まさしく本当にこの二、三日が花盛りの満開状態らしい。
聞いた途端、嫁は破顔一笑、自慢げに当方を振り向いて、「ネッ!」。
実は当方と京都は因縁が深く、京都は母親の実家がある!
(と、我が家ではそうなっている)。
実のところは、終戦後に母の弟一家と祖母が京都に移り住んで商売を始めただけなのだが、それでもいつの間にか叔父さん夫婦も従弟も京都弁を喋っていた。
しかし母は一度も京都に住んだことがなく、当然ながら我が町の方言しか喋れない生粋の田舎っぺおばさんだった。
それでも「母の家族は京都に住んでいるんですよ」と言うと、人は勝手に京都出身と勘違いする。
すると元々穏やかに見える風体の上に、何となく上品なオトコの印象が漂う。
京都にはそんなえも言われぬ独特のムードがあり、心優しく穏やかな風情の当方に良く似合う街だ。
と勝手にそう思い込み、嫁や気の置けない友人には、以下のデマを吹聴してきた。
・母方は京都公家の末裔
・当方も京都の宇治育ちで、宇治貴族の血が流れている
・宇治平等院は庭のような場所
・幼少の砌は、清水寺の舞台から飛び降りて遊んでいた
・本来なら諸君たち下々のモノが直接口を利くのも憚れるほど高貴な生まれ
・皆のモノの言葉の壁や風習の違いに戸惑ったが、最近やっと慣れてきた
・我が家が檀家の寺は黄檗宗で、大本山は京都萬福寺(これはホント!)
・開祖の隠元禅師は、共に修業し彼の悟りを助けた学友だった
今回も地下鉄の五条駅を通過する時、嫁が「今日の五条の橋の上」と口ずさんだので、
・牛若丸と弁慶の決闘の最初は弁慶が優勢だったが、戦上手の牛若が逆転で勝った
・当時はテレビ中継がなかったのでライブで見ていた
とさらに大法螺をかませておいたが、果たしてどこまで信用されただろうか?
ついでに「京都に帰ってくると故郷の香りが蘇り、心が懐かしさからリラックスする」と、「帰ってくる」に力点を置いて自慢したが、京都には高校時代の修学旅行も含めて三回しか行ったことがない。
いつもならウンザリ顔で亭主の与太話を途中で打ち切る嫁だが、今回は京都まで来たことですっかり上機嫌だ。
嫁に連れられカメラを片手に、いよいよ醍醐の桜から三泊四日の京都花見旅が始まる。
ウクライナ情勢のネット情報
改めて思うが、ネット社会はよく言えば百家争鳴、普通に見れば魑魅魍魎だ。
ウクライナのキーウからロシアか撤退した事でも、180度違う意見が戦わされる。
ロシア贔屓側の一つは、結構有名らしい軍事評論家の意見で
・ロシアがキーウで敗退したとの見方は全く間違い
・ロシアは東部戦線に兵力を集中させる為に計画的に撤収した
・その証拠にロシアは整然と兵を引き、ウクライナは追撃出来なかった
が流された。
これに対して多くの素人たちから
・ロシアは取るものもとりあえず逃げ去ったのではないか
・拷問して殺害したウクライナ市民の死体を放置している
・元々占領していた東部地域を戦果と言い繕って幕引きを図るに違いない
との反論コメントが出ている。
ウクライナとロシアのどっちが有利なのか、各々に確証バイアスがかかり勝手気儘な主張を繰り返している状態だ。
ただそんな誰もが、今回のウクライナ戦争がここまで長引き、ロシアがここまでウクライナを攻めあぐねるとは予想していなかったのではないだろうか。
ロシアがウクライナに攻め込んだのが2月24日。
その時点で、ウクライナ軍は勇猛でロシアも苦戦と見ていた評論家は少なかった。
欧米諸国のどの国も、ウクライナ支援の直接軍事行動に参加しないのだから、ロシア敗戦を予測した人は皆無だった。
大半は長くて一週間、早ければ二、三日でウクライナ降伏と思われていた。
また、世界中の反対を押し切って戦争へ踏み切ったロシア・プーチンの非情さと、コメディアン出身のウクライナ・ゲレンスキーとの比較も拍車をかけた。
この間のロシア寄りネット情報発信者間では、微妙にニュアンスが二分されていた。
・どうせウクライナが負けるのだから、政府は市民の犠牲を避けるべき
・一旦国を捨てて脱出し、二十年、三十年計画で取り戻せばよい
などと、結果的にはウクライナ消滅を早め、ロシアの利益となる噴飯物の意見なので、当然ながら大炎上し総攻撃を受けた。
もう一つは、ロシアにも戦争の理屈があると、直接間接にウクライナの責任を追及するグループだ。
この代表者が鈴木宗男や佐藤優、元ウクライナ大使の馬淵睦夫、そして篠原常一郎だ。
彼らも一応は、攻め込んだロシアは悪いと枕詞として言い訳をするが、その返す刀で
・ウクライナ政権はネオナチ
・東部のロシア人を殺戮していた
・その国がNATOに加盟すれば軍事バランスが崩れる
・テロリスト一掃のためにロシアは侵攻せざるを得なかった
馬淵に至っては、
・ロシアは軍事基地だけを攻撃している
・その証拠にキーウ(キエフ)には攻撃していない
・今回の戦争はアメリカのネオコンとウクライナのネオナチが画策した
・二度の世界大戦もネオコンが起こした
などと、堂々と全く頓珍漢な意見を吐いていた。
ところがウクライナの英雄的抵抗と、ロシアの見掛け倒しの弱さの所為で戦争が、一か月以上も長期化してきた。
元より短期で片付くと高を括っていたロシアは兵站が続かない。
結果としてロシアはキーウで敗戦に次ぐ敗戦で、とうとうキーウ制圧はギブアップする事態に追い込まれた。
そして4月3日には、ロシアが撤退した後のキーウ市周辺の状況が明らかになった。
それは正視に堪えない光景で、拷問され殺されたウクライナ市民の死体が数百人規模で転がっている。
さすがにアメリカや欧州諸国で新たなロシア制裁が課され、日本も追随した。
それだけでなく、ロシアの行為を戦争犯罪として告発することも検討されている。
ヒットラーやスターリン、毛沢東と並んで、プーチンが歴史に悪名を残す政治家と断罪される可能性が高いのだ。
鈴木宗男は、こんなプーチンを「プーチンさんは人情家」と激賞してやまなかった。
どの面下げて言い訳する積りだろう。
また元々ウクライナ側の問題点ばかりを指摘し、ゼニンスキーの無能さを論ってきた篠原常一郎は、ロシアの蛮行が目の当たりになっても尚、ブチャ市内の死体はウクライナ軍の砲撃によるとの新聞記事を紹介している。
自分だけがいち早く収集した積りの情報を我田引水して論理を組み立てているが、しかし木を見て森を見ない典型だ。
俯瞰して見れば、仮にウクライナ内部に様々な問題があったとしても、ロシアの軍事侵攻を正当化する理由にはならない。
ロシアが軍事に訴えてウクライナを攻めた時点で、ロシアの論理破綻は明らかなのだ。
またロシアの侵略に抵抗するか逃げるかを決めるのはウクライナ国民だ。
橋下や伊藤のように、外野席から「命あっての物種だから逃げろ」などと、余計なお世話をすることなど、ウクライナ国民には迷惑千万な話だ。
戦争と言う極限の異常事態が発生すると、それまで隠されていた人間の本質が曝け出される。
国家リーダーの資質もそうだし、日頃評論家だのコメンテータだの、舌先三寸で碌を食んできた連中の内実も暴露されてしまう。
当方にとっては、YouTubeに秋篠宮家の問題点を連続アップして認知度を上げた篠原常一郎の、情報源の危うさを再認識させられた。
やはりネット情報の半分は、疑ってかからないといけない。
認知症
今回役員に推薦された。
正式には4月1日就任なので、当日の我が家は胡蝶蘭が溢れ、祝電が引きも切らないことだろう。
このように我が能力が評価されるとは、誠に愛でたい!
……のはずだが、
同時に推薦された、仲間たちの表情は全く明るくない。
全員が「マァ仕方がない」との、諦め感が漂っているのだ。
左様!
実は、町内会自治会の役員のオツトメの順番が回ってきたのだ。
まさしく、来てしまったのだ。
当方が推薦されるまでに、幾多の人が打診されたようだ。
しかしその悉くに「体が不自由」とか「老人の介護で手が回らない」とか、様々な理由で断られたらしい。
虱潰しの結果、何とか五体満足でノホホンと過ごしている当方にお鉢が回ってきた。
こちらもあれこれ断る理屈を考えたが、どれも就任できないほどのパンチ力がない。
結果として「シャーナイ、止むを得ませんなァ」となった次第だ。
この役員候補が集まる第一回の会合でも、一悶着がある。
今度は「誰が会長を引き受けるか」、役割り分担の押し付け合いがある。
この場面では、ひたすら沈黙を守るに限る。
するとその沈黙に耐えかねた人が議論の口火を切ることになり、その結果はその人が会長を引き受けることになる。
そんなこんなで、当方は環境委員の大命を拝することになった。
環境委員って物々しいが、やることは週一回の防犯パトロールとゴミ当番の管理。
偶に不心得者がゴミ出しルールを守らないことがあると、市役所に連絡して残ったゴミを引き取ってもらう。
簡単な仕事ではないが、さほど負担がかかることもない。
何とか一年間ボランティア精神を発揮して、安心安全な地域生活に貢献するぞ!
と、そんな気持ちの昂ぶりも皆無だ。
そんな役員就任を間近にしたある日、我が家のインターフォンがなった。
最近のこの手の訪問者は、家修理を勧める詐欺まがいの輩が多い。
しかしこの日は、見るからにフツーの中年女性が映っている。
出て行って話を聞くと
・自分は数件先の○○の娘
・今は結婚して別のところに住んでいる
・母親は数年前に死亡し、現在は父親が一人で住んでいる
と話し始めた。
続けて娘さんの話は
・父に認知症の症状が出ている
・本人はヤル気があるが、ゴミ当番はこなせないと思われる
・ついては父をゴミ当番から外して欲しい
と言うものだった。
○○さんは良く知っていて、その昔は某大手銀行員だった人だ。
我が家周辺の自治会コンペには、必ず夫婦二人で参加していたが、ある回の優勝者が「苦手のバンカーを上手く脱出出来たので」スピーチしたら、その途端に「ボク、元バンカー」って大声を張り上げ、一瞬にして座を凍り付かせたこともある。
ユーモアのセンスがあるとは思えなかったが、町内会の会合では人一倍大声で場を盛り上げるなど、社交的な性格の人だった。
そんな仲の良かった奥さんに先立たれた後は、毎日我が家の前を通り過ぎて近所の喫茶店で昼食をとっていたが、前かがみにチョコチョコ歩く姿が一気に年寄り風情になり、彼の現役時代を知る当方にはその余りの変わり方を驚いていた。
そんな彼が認知症を患った。
何でも娘さんには、彼が散歩の後に自宅に帰ることができず、行方不明で大騒ぎになったことで判明したらしい。
娘さんの要望については、当方が晴れて就任した後の役員会で議論することにして引き取ってもらった。
しかし年寄りの認知症は、他人事ではない。
本人は分からないのだから、実は自分で自覚していないだけで、とっくに当方も発症しているかもしれないのだ。
特に連れ合いに先立たれると、かなりの確率で認知症になるようだ。
実際にどんなに仲が悪かった夫婦でも、一方が死んでしまうと残った側は寂しさの余り故人を懐かしがり、世を儚む傾向が強い。
この対処法は唯一つ。
連れ合いよりも早く死ぬことに尽きる。
しかしあまり早く死んでしまうのも癪の種だ。
ならば連れ合いが死ぬちょっと前に、自らの寿命が尽きる道を選びたい。
しかし人間は、生れてくることと死ぬことは、なかなか思うに任せない。
ひたすら神様のご加護を祈るだけだ。
日頃は無宗教無神論だけどやたら縁起を担ぐ当方だが、もしもそんなささやかな庶民の望みが叶うなら、全知全能の神様を熱心に帰依する模範的な信者になるのだが。