関東の湘南の相模湾=太平洋では
地引網(じびきあみ)が盛んだ。
神奈川だけでなく千葉県でも盛ん
なのだが、神奈川では幼稚園の遠
足や小学生の社会体験教室の定番
となっている。
あたしゃガキンチョの時は湘南の
地引網が毎年楽しみで仕方なかっ
た。
100人位で二方向から同時に引く。
獲れるのは雑魚(ざこ)ばかりではな
く、高級魚も網にかかることもある。

珍しい真鯛も入っている。
しかし、一般的にはザコだらけだ。
一網打尽というやつ。
そして、神奈川の湘南では網の目の
細かい地引網でシラスが獲れる。
これ、湘南の名産品だ。
紀伊半島のシラスも有名だが、相模
湾のシラスもかなりウマい。黒潮の
関係かしらね。
江ノ島界隈のシラスご飯なんて、最
高なのよ。神奈川の湘南はシラス丼
がおすすめ。
一方、瀬戸内海や四国の西の海では
雑魚のことをジャコと呼ぶ。
そして、小魚のみをすり潰して薩摩
揚げのようにした「ジャコ天」とい
うものがある。愛媛県が発祥の地だ。
これ、関東では出回っていない。
西日本に転住して初めて食べた。
めちゃくちゃうまい。
ジャコの砕いた小骨がカリコリして
いる。
揚げてあるので、そのままで醤油を
つけて食べるのが私は好きだが、
炭火で炙る程度に軽く焼いても美味
しい。
瀬戸内海でも多くある練り物なのだ
が、水産会社によって味がそれぞれ
違っている。
思いつきだが、瀬戸内海四国のジャコ
天と湘南シラスを盛ったシラスジャコ
丼とか作ったらかなりウマいのでは
なかろうか。

(神奈川湘南のシラス丼)
(神奈川湘南のシラス丼)
地引網の灯火は消えないでほしい。
子どもたち大喜びなんだよね。
参加した人たちは、老若男女を問わ
ず、掛け値なく心からの笑顔を見せ
る。
一つの澱んで濁っていないものが
そこにある。
砂浜が広がる海での地引網は、何か
とても大切な事を人に教えてくれる。
広い海に接すると、せせこましい人
の心の鬱屈がいかにちっぽけなもの
かを海は教えてくれる。
向こうが見えない海に接すると、人
はものの見方が変わる。
暗い所にいると、人は光は見えない。
やがて人間らしさも失って行く。
光を知れ。
君よ、光の中に立て。