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僕が世界の中心 作者:first fear
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#02 昼休み

午前の授業が終わった。さて待ちに待った昼休みだ。

斜め後ろの席でマスク姿の高松歩(たかまつあゆむ)は弁当箱を準備してそわそわしている。

というのも彼女はかなり昔に口と女性器を入れ替えたのだ。彼女にとって食事とは、パンツを脱いで股間に食物を運ぶ行為である。彼女の顔についた女性器は、特に隠す必要はないのだが、マスクをつけているのは単に風邪なのだろう。


今足元ですれ違ったのは水上栞理(みなかみしおり)である。半年以上前だが、登校中に遭遇した際にたまたま通りがかった黒猫と首から下を入れ替えたのだ。彼女は記憶ではその日まで人間の姿でその日から猫の体になったという自覚はあったがそれが当たり前であるような話口であり、また彼女は裸であるのが当たり前で、4足歩行であるのも当たり前。体を入れ替えられた猫は、制服を着ている状態が当たり前で、2足歩行も当たり前だった。しかし、彼女は人間の扱いを受けていて、今もこうして不自由な体で勉学に励んでいるのだ。

入れ替えた後日に制服姿の猫頭の女の子が歩いていたので水上さんの体だと思い捕まえて、野良猫を拾ったと言ってウチの飼い猫にした。頭は猫だが、体は女子高生であるので、一度教えるとトイレも自分で行くし、服も着替えられるようになったしとても賢い。でも普段はゴロゴロしていてよく出来ているなぁとこの世界に感心した。



さて、昼休みもそろそろ終わるのでトイレに行って午後の授業を受けることにしよう。僕の膀胱は子どもであるため我慢が効かない。と教室を後にした時、石田とすれ違った。石田は河野の腕を脚として使って居るため、元から小柄だったのに今では130cmくらいしかないように見える。そのスカートからは腕が出ており、その素手で丁寧に走っていた。僕も急いで男子トイレに駆け込んだ。


教室に戻ると、次の授業の準備をする。次は化学だから金澤先生だ。金澤先生は30代半ば位の男性教員で、数ヶ月前に首をキリンと入れ替えてある。従って身長は4mを超え、常に頭を下げているか、ろくろ首のように一周曲げている。今日も大変そうに板書をし、授業をはじめた。

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