得点 12点
注意 酷評レビューです!この作品が好きな方はブラウザバック推奨です。ネタバレも含まれています。
仮面ライダービルドは、2017年~2018年まで放送されていた特撮番組である。謎の箱パンドラボックスを発見した有人探査機。その箱から発生した謎の光によって分断された世界を舞台に、ある実験を受けた以外の記憶がない、自称天才物理学者の桐生戦兎が、ある一件から同じように人体実験を受けた脱獄囚、万丈龍我と出会った所から物語が始まる。僕は仮面ライダーシリーズはいろいろ見てきたが、正直な所この作品は、僕にとって仮面ライダー史上一番の駄作だと思った。
この作品の抱える致命的な問題点はこのようなところ。
①どうして脚本はガタガタになったのか
・プロデューサーである大森も十分ダメだが、戦犯脚本担当の武藤将吾(んほぉ~このエボルトたまんねぇ~おじさん)だが、代表作は『テルマエ・ロマエ』で、その映画の脚本を担当していた。(この映画の出来自体は文句なし。)そんな良作映画を担当した脚本家からこんなひどい作品が出来る訳ないだろ!いい加減にしろ!と思う人もいるだろう。しかし少なくとも僕の中では駄作だと考えている。その大きな原因の一つがこれである。中盤からキャラクター、設定、展開全てがガタガタになってゆく。それらは後述に記載するが、シナリオの抱える問題点は、まず言えるのはテンポの遅さと展開の単調さだろう。ストーリーの話の広げ方が牛の歩みレベルでグダグダしている。しかもそれに加えて本編の展開で戦兎達がしたことは脚本家ラスボスで全ての元凶であるエボルトの手のひらの上でひたすら踊らされていたに過ぎないだけ。中盤はパワーアップアイテムや新兵器作ったでばかりで盛り上がりに欠け、終盤に至ってはエボルトの思惑に嵌められるパターンばかりで面白味もへったくれも無い。最終回もラストバトルのわりにあっさりした展開だけならまだ良かったものの、戦兎は何故か今までの仲間全てを犠牲にして新世界を創造して新世界に移動、何故か世界の枠から爪弾きにされた万丈と再会し共にバイクで走り去る…カタルシスの無いひどいオチである。テーマも後述の戦争の中途半端さ然り科学要素の申し訳程度感然り一貫性に欠ける。
②ガバガバな設定、描写
・戦争をしているという設定だが、これもかなり曖昧さが目立つ。3つに世界が分断されたと言ってもその説得力を隠す閉塞感の無さ、戦争する時に行われる試合は1対1なのに集団戦描写がある、国家の動向が見られない、軍事的描写があっさりして安っぽい等、ちぐはぐな描写が目立つ。
③キャラクター付けの悪さ
・キャラクターに関してもいろいろとひどい。全般的に性格、キャラ設定が安定しない。無論、万丈、猿渡一海(仮面ライダーグリス)は比較的キャラ付けがしっかりしていたが、戦兎は戦う動機の曖昧さはともかく、中盤以降の無能、ポンコツぶりが祟って魅力の無いキャラクターに仕上がってしまっている。幻徳は突拍子もなくネタキャラ化、内海も唐突の設定追加で、キャラクターのブレが嫌でも目に映る。ヒロインの美空も、ヒロインなのか?と思わされるほどにひどい。ネットアイドルみーたんとして活動しているが、裏の顔は異星人に憑依されている。しかしそんな設定は本編で微塵も活かせておらず、美空自体も空気で他人をいらつかせるようなキャラクターのために、好感が持てない。
④アクションシーンがとにかくつまらない
・話が残念なライダー作品はその分アクションシーンで魅せることが多い(仮面ライダーウィザード、ゴーストが良い例)が、残念ながらビルドはアクションシーンすら酷い。無駄に冗長な台詞ばかりしゃべらせて適当に殴る蹴るばかりで映像としても見て楽しめる物がない。
ここまで悪い点を挙げてきたが、評価点もある。
①曲は良い。
・オープニングテーマの『Be The One』はテーマ曲としてこれ以上ないほどにベストマッチしている。
②俳優陣の熱演。
・主役級の戦兎、万丈もそうだが、一海役の武田航平さんは、仮面ライダーキバの過去編主人公、紅音也役でも出演している。そのためか熱演が光っている。
③間接的に挟まれるギャグ
・ギャグはクスッとくるものが多く笑える。ただ、さすがに終盤となると緊張感がなくて笑えなくなるだけだが…
総評 陳腐で劣悪な脚本、不安定なキャラクター、ちぐはぐな描写と、問題点や粗が非常に目立つとんでもないレベルで最悪の駄作。一人の脚本家がストーリーどころか作品そのものをガバガバにしてしまう出来には驚き呆れるほどである。正直に言ってオススメはできない。
主要キャラクター紹介
カシラこと猿渡一海。画像からして強キャラの風格があるが、美空(みーたん)に一目惚れしている。
氷室幻徳。この画像は女性ジャーナリストに対して発言した一言の一部抜粋。ちなみに幻徳が指定した場所はこのビルの隣のホテル。