星のカービィWii

登録日:2011/11/13 Sun 21:34:45
更新日:2022/09/18 Sun 19:49:43
所要時間:約 8 分で読めます





能力全開。

ひとりで、みんなで、遊べるカービィ。


星のカービィWii』(Kirby's Return to Dream Land)とは、2011年10月27日に発売されたWii用のアクションゲームである。
据え置きゲームのカービィとしては『64』以来11年ぶりのソフトである。
発売:任天堂
開発:ハル研究所


◆概要


企画自体は2005年にGCソフトとして発売する予定があった。
しかしWiiの発売によりWiiのソフトとして製作をスライドさせたのちに三度ほど企画段階で頓挫し、
さらにWii用ソフトとして先に『毛糸のカービィ』が発売されたため発売は絶望的かと思われていたのだが、無事完成し日の目を拝むことができた。

システムとしてはステージをクリアすると次のステージ扉が出現する等、『夢の泉の物語』に近いが、
ステージ中に複数配置された「エナジースフィア」を回収していくという『64』『参上!ドロッチェ団』のような要素もある。

コピー能力のシステムは複数のコマンド技がある『SDX』のものを採用している。
また特定のマップでは特殊な敵を吸い込むことによって「スーパー能力」と呼ばれる能力を使えるようになり、エナジースフィア回収にも重要な要素になっている。
そしてSDXのヘルパーシステムを発展させた多人数プレイも出来るようになっており、1P以外はカービィの他にデデデ大王、ワドルディ、メタナイトも操作できる。


三度の作り直しと、そこから得たノウハウで生み出された本作のクオリティーは非常に高く、
据置で6年近く待たせて高まったファンの期待にも見事応えてみせる格好となった。
特にラスボスの曲は極めて高評価であり、当時は「これ以上のラスボス曲はしばらく出ないのではないか?」とすら囁かれた程である。
(実際は、その後も新作が出るたびに神曲レベルのラスボス曲が連発したことも付記しておく)


なお、本作を皮切りに星のカービィのメインシリーズは
古今東西に向けた幅広いファンサービス
よく動き多彩な攻撃を行うボスキャラ達
ストーリー、キャラに仕込まれた意味深な設定・過去作との関連付け
それでいて想像の余地を残し、解釈をプレイヤー自身に委ねる配慮
などを重視する路線に舵を切り始め、王道路線を貫きつつ従来の星のカービィ作品とは異なる雰囲気が形成されるようになった。
また本作のアクション、システム、モーション等も以後の王道カービィに与えた影響は大きく、その土台としての存在感も決して小さくない。
そういう意味では、本作は以降の星のカービィシリーズの方向性を決定付けた、重大なターニングポイントの作品であると言える。

その人気故、テレビ朝日系列開催の「テレビゲーム総選挙」では45位に輝き、SDXやエアライドを上回ってカービィシリーズ内1位を獲得。KADOKAWAから小説版の『星のカービィ 天駆ける船と虚言の魔術師』が刊行されたりしている。

そして、2022年9月のニンテンドーダイレクトにて、リメイク版の『星のカービィ Wii デラックス』が発表された。主な変更点は、新たなコピー能力やサブゲームの追加、グラフィックの一新など。2023年2月24日発売予定。


◆ストーリー



いつも平和なプププランドでデデデ大王とケーキの奪い合いをしていたカービィ。
すると空から宇宙船「ローア」が墜落し宇宙船の主マホロアと出会う、宇宙船のパーツが無くなり困り果てるマホロアの為にパーツを探す冒険に出ることになる。


◆登場人物



お馴染みのピンクの悪魔。最近の作品の例に漏れず声が入っている。
自分の船が壊れて困り果てるマホロアを可哀想に思い、彼に協力することになる。

お馴染みのプププランドの大王。今回は自称は付いていない。
プププランドの大王としてマホロアに協力するという責任感のある性格になっている。ムービーでは基本的にギャグ要員。
ハンマーを持ち、カービィの「ハンマー」と大体同じだが、ハンマーはいくらでも投げられる。

ザコキャラとしても登場しているが、青いバンダナを巻いた個体が大王の部下として登場。
大王がマホロアに協力することになった為、部下である彼もそれに追随する形で協力することになった。
アニメの影響か槍を持ち、新コピー能力「スピア」がベースになっている。

お馴染みの仮面の騎士にして世界一カッコいい一等身。
読書していた所でローアの墜落事故に遭遇し、自分の剣の修行もかねてマホロアに協力することになる。
「ソード」と「ウイング」をベースにしているが、スマブラXが元ネタになっている技もある。

宇宙船ローアでハルカンドラと呼ばれる世界からやってきた異星人。本作のマスコット的存在。
壊れたローアを修復するためにカービィ達を頼ることになる。最後は64のリボンのようにカービィと共闘するかと思いきや……
詳細はリンク先へ。


◆ステージ



前半の5レベルはポップスターが舞台になり、後半の2レベルはマホロアの故郷のハルカンドラが舞台になる。

  • レベル1 クッキーカントリー
最初のレベルだけありチュートリアル的なステージが多くステージも短い。基本操作を覚えるにはもってこい。

《ボス》ウィスピーウッズ
お馴染みの木だが過去作に比べると技が多彩。
体力が半分になると巨大化し、吸い込み攻撃と拡散空気弾をしてくるようになる。


  • レベル2 レーズンルインズ
前半は荒野を進み、後半は遺跡の中を進んでいくというステージ構成になっている。スイッチ等の仕掛けも多い。

《ボス》Mr.ダウター
ランプの魔神を意識したような姿をしているが、見ようによってはアラビア風のキャピィにも見える。
ドクロ、爆弾、ゴルドーの3種類をお手玉した後に投げつけたり、回転しながら踏み潰し攻撃を仕掛けてくる。
体力が半分になると巨大化し、パンチ攻撃をしてくるようになる。


  • レベル3 オニオンオーシャン
海のステージが多く水中でも使えるコピー能力を入手する機会が多い。バルバル(巨大ウツボ)は初めて見るときは度肝を抜かれる。

《ボス》ファッティバッファー
巨大な河豚のようなボス。
鈍重そうな見た目だが、ころがり攻撃のスピードはかなり早い。
体力が半分になると膨れ上がり、より回避しずらくなったころがりと、強烈な水流を吐くようになる。
ころがる、のしかかり、ハイドロポンプと使用する技はポケモンっぽい。


  • レベル4 ホワイトウェハース
雪山が舞台のため床が凍りついていたり、氷柱が降ってきたりと氷関係の仕掛けが多い。ステージの数も増える。

《ボス》ゴライアス
雪男のような風貌のボス。
壁に張り付いて雪玉を投げたり地上におりてゴムゴムパンチを繰り出したりしてくる。かなり激しく動き回る。
体力が半分になると髪が金色になって超サイヤ人化し、気功波や高速突進を放つようになる。


  • レベル5 ナッツヌーン
前半は雲の上を進んでいき、後半は雲を突き抜けるようにそびえ立つ塔を登っていく。
『夢の泉』以来の中ボスタワーのステージがあり、裏口もしっかりと存在している。
ステージBGMの完成度が非常に高く、特にグレープガーデンのアレンジは人気が高い。

《ボス》グランドローパー
エナジースフィアのエネルギーが大好物であるスフィアローパーの親玉。
ポップスターのトリを勤めるボスだからかラスボスクラスの強さと演出を持っている。ゲーム誌等でもラスボスとして紹介されていた。
最初は瞬間移動を繰り返しながら火球を飛ばしたり背景から突進してきたり、マルクのように床下から不意討ちしてきたりしてくる。
だが体力が半分になると黒いオーラを纏い、スピードと火球を出す数が増え、更に体力が残り僅かになると「カバードスフィア」という殻を身に纏いスーパー能力でしかダメージを与えられなくなる。
因みにこのボスと戦う前は外側にシャッツォが配置された塔をのぼっていくという『星のカービィ2』を再現した演出になっている。


  • レベル6 エッガーエンジンズ
ここからハルカンドラが舞台になり寂れた工場地帯を進んでいく。初見殺しの仕掛けが多い。
こうじょうけんがくの悪夢三度び。

《ボス》メタルジェネラル
USDXに登場したカプセルJ2のような外見のロボット。
遠距離にも近距離にも対応した技を持ち、体力が半分になるとロケットにしがみついて突撃してくる。ファンネルを完備している。
受けたダメージを数値化して可視化するのでコピー能力の測定に役立つが、数値が丸められているのには注意。


  • レベル7 デンジャラスディナー
ハルカンドラにそびえ立つ巨大な火山。
最初は火山の外観、内部の洞窟を進んでいくが、最終ステージでは燃える星がいくつも漂っている異空間のようなステージになっている。
最終ステージでは初代同様、背景の星に入ることができる。星の形は随分違うが…

《ボス》ランディア
ハルカンドラの守護神でもある4つ首のドラゴン。
火炎や真空波で攻撃し、体力が半分になると4体に分裂し、連携攻撃を仕掛けてくる。
実は彼(彼女?)にはある秘密が…… 


因みに全てのレベルの頭文字を合わせると『CROWNED』という単語になり、重要な意味になってくる。


◆エクストラモード



本編をクリアすると二週目として難易度の高いエクストラモードが出現する。
エクストラモードではカービィの体力が半分になり、敵のサイズが変わり、中ボスとボスの名前にEXとついて強化される他、新しいボスが追加されていたりする。


以下、強化されたボスの解説

  • ウィスピーウッズEX
葉が紫色になりUSDXに登場したウィスピーウッズリベンジのような色合いになる。
ゴルドーや毒リンゴを落としたり、根っこで攻撃するなど初代エクストラモードに匹敵する強さを持つ。

  • Mr.ダウターEX
体の色が赤になり髭を生やしてアニメカービィに登場したサモみたいな感じになる。
敵を大量に召喚するようになり、カービィを掴む攻撃が追加されている。

  • ファッティバッファーEX
体の色が橙色になる。
転がり攻撃は天井まで転がるようになり、全ての技の攻撃範囲が増している。

  • ゴライアスEX
体の色が黒っぽくなっている。
スピードが更に早くなり、元気玉まで取得している。

  • グランドローパーEX
体の色が赤紫色になっている。
スピードと火球の数が増え、手下のスフィアローパーの属性攻撃を使用するようになる。

  • メタルジェネラルEX
体の色が赤色になる。
ミサイルやファンネルの数が増え倒しても追加ボスのHR-D3が現れ連戦になる。

  • HR-D3
メタルジェネラルEXを倒した後に突如上空から現れる追加ボス。
ずんぐりとした体格の巨大ロボットで巨体にものをいわせた圧倒的なパワーで豪快に攻める。
名前から分かるとおり『64』のHR-Hのオマージュであり、解説によると別次元からやってきた存在らしい。
実は2005年のPV映像に登場していたメカデデデがモチーフになっており、D3は「デデデ」という意味だと思われる。

  • ランディアEX
体の色が紫色になっている。
攻撃のテンポが早くなり、分裂時の連携がより強化されている。


◆余談



  • レベル1とレベル6のあるステージには『HAL』とかかれたブロックのある隠し部屋がある。

  • タッチ!カービィ以来登場したバウンシーは、デザインがかなり可愛くなった(顔が口のないカービィそっくりに)他、
    フリフリや某ネズミのような水玉リボンをしたシスターバウンド、ハルカンドラ版のハルカンバウンシー等、雑魚キャラにしては彼女は密かに優遇された。

  • 本作が発売する頃には資源の削減化が進んでおり、説明書は今までと違って数ページしかない。次作が発売する頃にはゲームの説明書は完全に電子版へ移行したため紙の説明書は本作が最後になった。



追記・修正は度重なる発売延期にも負けず待ち続けた方にお願い致します。



画像出典:『星のカービィ Wii』 2011年10月27日発売
制作・著作 株式会社ハル研究所/任天堂株式会社
©2011 HAL Laboratoly,inc./Nintendo

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最終更新:2022年09月18日 19:49
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