砥石を使ったステンレス包丁の研ぎ方

砥石(といし)でステンレス包丁を研ぐ!素朴な疑問まとめ

トマトに包丁を当てると潰れてしまう!
鶏肉の皮の上で包丁がすべる!
玉ねぎを切り始めた瞬間から、涙が止まらない…。

このような経験をしたことはありませんか?

トマトに包丁を当てると潰れてしまう!

これは包丁の刃先が丸くなってしまっていることが原因なんです。

よく切れる包丁なら、食材がサクサク切れて毎日の料理が楽しめるかもしれませんよ。

とはいったものの、面倒だし、研ぎ方がわからない・・・。
手間ひまがかかるイメージの「砥石での包丁研ぎ」。

今回は包丁の研ぎ方をはじめ、それまでに至る「素朴な疑問」の解決策をまとめてみました!

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簡単に研ぐ方法って?ステンレス製のナイフを使って検証!

今回はステンレス製の三徳包丁を使って研ぎ方をご紹介します。

  • 形状:三徳包丁
  • 素材:ステンレス刃物鋼
  • 使った砥石:中砥石(#1000)

ざっくりと研ぎ方を説明すると、

  1. おもて面を研ぎ、バリを出す
  2. うら面を研ぎ、バリを出す
  3. おもて面を研ぎ、バリを取る

という手順になります。

包丁の研ぎ方

では、詳しく工程を説明します。

【1】砥石を水に浸す

砥石を水に浸す

砥石から気泡が出なくなるまで、10~20分程度漬けて砥石に水を吸わせます。

水を吸っていない砥石は、水をはじきます。砥石が水を弾かなくなるまで浸しましょう。

※砥石によって異なる場合もありますので、取扱説明書をよくご確認ください。

【2】おもて面を研ぐ

砥石に対して45度に包丁を向けます。

平らな台に、滑らないようフキンなどを敷いて砥石を置きます。

砥石に水をかけ、刃を手前に向けて包丁を持ちます。

砥石に対して45度に包丁を向けます。

砥石に当てる刃先の角度を約15度(10円玉2枚分や割り箸一本分を目安)に固定します。

砥石に当てる刃先の角度を約15度(10円玉2枚分や割り箸一本分を目安)に固定します。

先端(切っ先)部分、中心(刃中)部分、根元(アゴ)部分まで全体的に研いでいきます。

先端(切っ先)部分、中心(刃中)部分、根元(アゴ)部分まで全体的に研いでいきます。

まずは3箇所に分けて、それぞれを10~15回程度滑らせるのを目安にしてみてください。

★コツ

  • 手前から奥へ軽く押し出すようにします。引くときには力を入れません。
  • 研ぎドロ(削れた砥石と水が混ざったもの)は洗い流さないようにします。これがあることで包丁が研げます。
  • 砥石の全体を使って研ぐようにすると、砥石自体のお手入れが楽になりますよ。
バリ(かえり)が出たら反対面の研ぎに移ります。

図のように刃先に指を当ててみて、髪の毛一本分くらいのひっかかりを感じたらバリ(かえり)が出ました。反対面の研ぎに移ります。

バリとは、研いだ刃がめくれるように出てきたもののことです。

バリ(かえり)
バリのイメージ

【3】うら面を研ぐ

次は刃を向こう側に向け、砥石に対して45度に包丁を向けます。

次は刃を向こう側に向け、砥石に対して45度に包丁を向けます。

角度を15~20度に保ち、おもて面と同様に刃を3箇所に分けて、それぞれを10~15回程度滑らせるのを目安にしてみてください。

刃の先端にバリ(かえり)が出るまで研ぎます。

【4】仕上げ

砥石の上で刃の全体を根元(アゴ)から先端(切っ先)にかけて滑らせて、バリ(かえり)が取れるように2~3度軽く研ぎます。

おもて面にし、角度を15~20度に保ちます。

砥石の上で刃の全体を根元(アゴ)から先端(切っ先)にかけて滑らせて、バリ(かえり)が取れるように2~3度軽く研ぎます。

よく洗い、水気を拭き取ったら完成です!

よく洗い、水気を拭き取ったら完成です!

使い終わった砥石はどうするの?

水洗いし、陰干しして乾いたらケースなどに入れて収納しましょう。

研いだ包丁の様子は…

トマトがこんなに薄くスライスできます!

きちんと研いだ包丁は気持ちいいものですね。

トマトがこんなに薄くスライスできます!

包丁を長く使うコツ

包丁は、硬いものを切ったり、ひねるように切ったりすると刃こぼれ(刃が欠けること)しやすくなります。

  • 冷凍した食材は解凍してから切る
  • 魚の骨を切る場合は出刃包丁を使う

など、意識することで包丁を長く使えますよ。

サビにも注意

サビは包丁が切れなくなる原因の一つになります。

  • 洗った後は水分を拭き取る。
  • 刃に水分が付いたままで他の金属に触れさせない(ステンレス以外の素材が触れることで、もらいサビといってサビてしまうことがあります)。

このようなことも意識してみてくださいね。

我が家の包丁は砥石で研げる?

実は包丁の刃の素材によって、砥石で研げるものと研げないものがあります。

包丁の刃は、触ったぶんにはどれも硬いですが、素材によって研ぎやすい硬さ、研ぎにくい硬さがあります。

セラミック包丁は研げません

白い刃が特徴の「セラミック包丁」は、刃が金属製ではないため一般的な砥石では研げません。

白い刃が特徴の「セラミック包丁」は、刃が金属製ではないため一般的な砥石では研げません。

専用のダイヤモンドシャープナーを使うか、製造メーカーや販売店で研ぎ直しをしてくれることもあります。

それ以外の包丁は研げます

それ以外の素材は砥石で研ぐことができます。

ちなみに写真の包丁の刃は「ステンレス刃物鋼」で、砥石では一般的な研ぎやすさの素材です。

シャープナーではダメ?

簡単に包丁の切れ味をよくする「シャープナー」という研ぎ器もあります。
溝に包丁を差し込んで、何度か引くと包丁の切れ味が良くなります。

シャープナーはイマイチ

「切れ味が良くなるなら、楽チンなシャープナーでもいいのでは?」

と思われるかもしれません。

が!刃先だけを削り取るように研いでいくため、これが原因で刃こぼれ(刃が欠けること)を起こしたりします。

包丁の刃を断面にしたイメージ

なので、シャープナーは「すぐに切れ味を復活させたい!」という、できれば一時的な使用に留めるのをおすすめします。

砥石で研ぐと、刃先の角度が鋭利になります。切れ味が長持ちしますし、刃こぼれしにくく刃が長持ちするのです。

どんな砥石を買えばいいの?

砥石は石の目の細かさによって、大まかに3種類あります。
荒砥石、中砥石、仕上げ砥石です。

荒砥石は #120〜600。刃が欠けてしまった状態のものに使用します。
中砥石は #900〜2000。切れ味が悪くなったときに使用します。
仕上げ砥石は #3000以上。鋭い切れ味にしたいときに使用します。

ご家庭で、切れ味を復活させるために使う場合は「中砥石」が一つあれば大丈夫です。

包丁の状態に合わせて砥石を選んでみてくださいね。

面直し砥石は溝がついているのが特徴

真ん中がえぐれた状態の砥石では、包丁が研ぎにくくなるので注意です。

砥石を平らにする「面直し用砥石」や、コンクリートブロックがあると修正できます。

どれくらいの頻度で研げばいいの?

「切れ味が落ちてきたな~」と感じたら研ぎましょう!・・・といっても人の感覚はそれぞれです。

ほぼ毎日料理をされるご家庭であれば、「一ヶ月に1~2回」が理想です。切れ味を保つこともできます。

まめにお手入れをしたいところですが、私は玉ねぎのミジン切りをした時に涙がでるようになったら、包丁を研ぐようにしています。

まずはやってみて!

毎日の家事やお仕事で時間がなかなか取れない方は、まずは一度、やってみることをおすすめします。

刃の角度を固定できるアイテムもあります。

写真のように、刃の角度を固定できるアイテムもあります。

初めてで不安な方は、こういったものを使うと感覚がつかみやすくなりますよ。

よく切れる包丁があると、それだけで料理が楽しくなります。

また、定期的に砥石で研ぐことで、刃の状態を保って長く使えます。

まずは中砥石だけでもあれば研ぎ始めることができますので、ぜひ砥石で包丁研ぎをしてみてくださいね。

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