※記事末尾に 続報記事へのリンクを貼っております。本記事掲載後に判明したエビデンスもそちらに記載しております。
どうも、welq騒動から早6年。
あの騒動は過去のものになり、DeNAの競合だったグリーがキュレーション後発ながらもSEOメディアを伸ばしまくっています。
そんな最中、突如現れた下記の記事。
25歳のスタートアップが年商40億円を叩き出しており、利益率はキーエンスに匹敵する規模とのこと。本当だったら凄い!と思い読ませて頂きました。
東大卒、TNK出身の勝俣社長と、慶應卒の金田氏が主要経営陣とのこと。
株主にもエアトリやトレンダーズなど上場企業が並びます。
こちらのアルゴリズム社が、年商40億円、利益率はキーエンス超えしているとのこと。。その一方で、このインタビュー記事の中身を読んでも事業は全く不明。
ベギラマくんからも、「事業内容を話さないという強い意志を感じる」と指摘されています。
今回はこちらの株式会社アルゴリズムの事業実体に迫りました。
調査から見えてきたのは過剰すぎるとも言えるアフィリエイト業界の手法と実態。
今回の記事は経営者やスタートアップ界隈以外の、各業界のSEO担当者も読むと面白いかもしれません。
突然動き出した株式会社アルゴリズムの「広告ラッシュ」。何らかの理由でブランディングを意識か。
直近で観測できているだけで3つほど大きな広告出稿を行っております。
新R25、Qiita、FastGrowの3つに広告出稿をされておりました。
ちなみにこのQiitaイベントが後の調査で重要な鍵となりました。
採用目的かなと思ったんですが新R25とかって採用目的じゃないよなー、なんなんだろうと思い調べたところ、昨年からSuan編集部で探し求めていた事業集団の一つであることが明らかになりました。
昨年から我々は何を探し求めていたのか。まずはお話させて頂きます。
2021年末、美容医療SEOが何者かにハックされた。
ことの発端は、美容医療分野の検索順位ハックでした。
2021年末から2022年初旬あたりにSEO界隈で話題になったのが「サイト貸し」という行為です。
SEO界隈の重鎮、辻さんからもサイト貸しに関しても警鐘記事を書かれております。
実際に2021年の中旬あたりからいっきに美容医療分野のアフィリエイト構造が変わりました。
ここからめちゃくちゃ面白いので実際の事例をご紹介していきます。
下記は「エラボトックス おすすめ」というワードの検索結果です。
よく見るドメインが一切なく、何やら黄色で引いたhifuとかclinicとかいうドメインが並んでますよね。これがサイト貸しの実態なのですが、もう少し深ぼって見ていきましょう。
アクセスすると、このようなまとめサイトに遷移します。
その次が驚きなんです。URLのディレクトリ部分を削ると…
なんだこれ?自由が丘にある病院のサイトが出てくるのです。
これが前述されていた「サイト貸し」の実態です。
ちなみに「エラボトックス おすすめ」で上位を取っているサイトはすべてこのような構造です。
Googleは年々、ドメインxローカルサイトを評価する傾向を強めていました。
そこを利用して色んなローカル病院のサブディレクトリを買収し、アフィリエイト運用する事業者が現れていたんですね。
お察しの通り、この業者の実態が正体不明だったわけです。
サイト貸しなので、サーバーはそのままで運用したりしてるわけでWhoisでも特定できない。
Suan編集部では「サイト貸しではなく、病院のリテラシーが格段に上がったのでは?」説すらでていました
そんな訳はなく..恐らく1事業者が強く関連していると特定まで出来ていました。
この「サイト貸し」と「株式会社アルゴリズム」は関係があるのか?
今回のFastGrowの記事で、一部分事業内容を語られている部分があったんですね。
それがこちら。
Suan編集部の点と点がつながった瞬間でした。
・医療系メディアを運営している。
・最初から複数のメディアを運営していく。
これは、、前から調べていたSEOハック集団と親しい関係、もしくは当事者なのではないか?
事業内容を詳しく言えないのは何か引け目がある、もしくは模倣しやすい構造であるからと考えると、アルゴリズム社がこのアフィリエイト集団に関係しているかもしれない、という直感が目芽生えました。
そして、美容医療分野のアフィリエイト集団は「株式会社アルゴリズム」だった。数サイトの運営を確認
調べる経緯はすっ飛ばして、株式会社アルゴリズムの運営しているクラウドワークスアカウントがこちらです。
結構な数の募集を出されており、色々調べると、サイト貸しに関する募集を発見できました。
こちらで貼られていたサイトが下記になります。
典型的なサイト貸しのアフィリイトメディアでした。
この事から、少なくとも株式会社アルゴリズムが強くサイト貸しビジネスに関わっていることは明白だと考えられます。
複数関わっている証拠がないじゃないかというお声が聴こえてきましたので、追加調査のお話もさせて頂きます。
アフィリエイトは「ASP」という中間事業者が強く関わってきます。
ASPを経由して広告出稿するというのがアフィリエイトなんですね。
じゃあこのアルゴリズム社は40億円どこのASPを経由しているんだ?という話で、ここからは空想の話になるんですが「もしかすると彼ら自身がASPもやっているかもしれない」という話です。
下記がアルゴリズム社の使用しているASPです。adserviceという会社を使っているようです。
聴いたことないですね。
このadserviceのサイトがこちら。
何の情報もなく、会社概要も不明、Whoisも情報はなしです。
一応A-DASHという情報は記載されてますが、何も出てきません。
では、アイツらはどのASPを使ってたんだろう?と気になってきますよね。
衝撃の事実がここから明らかになります。
サイトディレクトリハッカーたちは使う御用達ASPの「A-DASH」、正体不明にも関わらずアルゴリズム社は利用。強く関与か。
なんと、先ほどご紹介したエラボトックスのSEOハック集団もASPは、アルゴリズムと同様にadserviceを利用しておりました。
うーむ、Bootstrapでサッと作られたadserviceのASPサービスのシェアが上位とは..にわかに信じがたい状況です。
これはアルゴリズム社の社内システムではないでしょうか…?とか、少し勘ぐってしまいます。
規模的にありえるような気がしますがどうなんでしょう。
ちなみに2021年決算では9000万程度の赤字だったようなので、成長したとすれば21年2月以降なんですよね。
エラボトックス上位サイトのUU推移を見ると、ちょうど2021年中盤からSEO上げているっぽいので、あながちadservice=アルゴリズムさんというのも間違ってなさそうな気はしますが、どうなんでしょう。
いやー、かれこれ半年前ほど、調べても何も業者がわからない、お手上げ状態だったんですが、今回の記事で糸口が掴めた気がします。アルゴリズムさんありがとうございました。
FastGrowで思い出す「正田圭事件」、メディアは記事広告をすべて受け入れるべきか。
FastGrowといえば、以前起業家の「正田圭」さんが自身の知名度を上げるために広告出稿したことで話題となりました。今回も何やら凄い会社をご紹介されていて、凄いなという印象です。
そしてサイバーエージェントさん、新R25で取り上げられてましたが、サイバーエージェントのSEOラボのブログでは下記のように表明されておりました。
広告的には別という認識なのでしょうか。いやはや、、Googleはもうアルゴリズムに攻略されてしまったのでしょうか。
Googleの利用においては、いかにしてアフィリエイト広告かどうかを見抜く、という段階に来ています。
正直Google検索の1ページ目全てをこのくらいハックされたらもうどうしようもないですよね。
それが良い世の中なのか、良いインターネットの使い方なのか、Suanにはまだわかりません。