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【総合職】河田 皓史

【総合職】河田 皓史

調査統計局経済調査課景気動向グループ企画役補佐

2010年4月調査統計局入行
2010年11月 静岡支店
2012年4月金融機構局
2013年6月米国デューク大学大学院留学
2015年5月調査統計局
2018年6月企画局
2020年7月調査統計局
#リサーチの先にある政策・実務

金融政策の判断材料としての景気分析

金融政策運営においては、足もとの経済・物価・金融情勢に関する判断を起点に、それらの先行きについてのシナリオを共有しながら政策決定を行うというフォワード・ルッキングなアプローチが標準的になっています。私が所属する調査統計局経済調査課景気動向グループは、経済・物価についての現状評価と見通しの作成を担っており、そのために必要な各種のリサーチを行っています。

景気動向グループでは、個人消費、設備投資、輸出入、物価など、マクロ経済の構成要素ごとに1~2名の担当者が置かれており、各々が自らの担当分野について、日々、分析や議論を重ねています。これらの担当者を取りまとめる「バランス担当」は、各担当のリサーチの品質向上に向けたアドバイスを行うとともに、マクロ経済を構成する各変数の整合性をとる(=「バランス」させる)ことを意識して、日本経済の先行きについて説得力のあるシナリオを考えるという役割を担っています。

景気分析=日本経済の謎解き

私自身は、個人消費や物価の担当を経験した後、バランス担当を経験しましたが、これらの仕事は、いつも「謎」との闘いでした。個人消費を担当していたときは、「所得環境はしっかりしているのに、個人消費が今一つ伸びてこない」という謎がありましたし、物価を担当していたときは、「景気拡大が続いているのに、物価上昇が鈍い」という謎がありました。全担当者を取りまとめるバランス担当になると、日本経済に関係する謎はすべて自分にとって解決すべき謎になります。また、私がバランス担当を経験したのは、ちょうど新型コロナウイルスの感染が日本でも拡大した後でしたので、感染症により人々の行動様式や社会の在り方が大きく変容する中で、少し大げさな言い方かもしれませんが、「何がどうなるか全て謎」という状況でした。

こうした謎を解き明かしていく作業こそが、景気分析です。日々公表される経済指標を丹念に分析する中で立てた仮説を、経済理論や統計手法を駆使したリサーチにより検証し、その結果について皆で議論することを通じて、徐々に「隠された真実」に接近していく。こうした作業はもちろん簡単ではありませんが、難しいからこそ面白いという面もありますし、苦労して作り上げた分析により謎が解けたときには、大きな充実感が得られます。

こうした「謎解き」を経て作り上げられる景気判断と経済・物価見通しが、金融政策運営において重要なインプットになっているということは、冒頭でお伝えした通りです。

謎解きだけで終わるのではなく

私のこれまでのキャリアを振り返ると、上記のような景気分析のほか、企画局での金融環境や政策効果に関する調査・分析なども含めて、「政策判断の材料となるリサーチ」が軸になってきましたが、ここで強調しておきたいのは、リサーチ(謎解き)は、それ自体が目的ではないということです。日本銀行におけるリサーチは、政策・実務のために行われるものです。そして、日本銀行の政策・実務は、「物価の安定」、「金融システムの安定」という2つの目的のために行われています。この点、「日本経済のために日本銀行として何ができるのか」という意識は、リサーチ部門で働く職員にも強く求められるところだと思います。

今後は、リサーチの腕を磨いていくのと同時に、リサーチの先にある政策・実務に対する理解を深めていくことで、「国民経済の健全な発展に資する」という政策理念を具体的な形にできるようなセントラルバンカーを目指していきたいと考えています。

2010年4月調査統計局入行
2010年11月 静岡支店
2012年4月金融機構局
2013年6月米国デューク大学大学院留学
2015年5月調査統計局
2018年6月企画局
2020年7月調査統計局
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