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【総合職】市橋 幸子

【総合職】市橋 幸子

金融市場局市場調節課市場調節グループ企画役補佐

2012年4月決済機構局入行
2013年1月京都支店
2014年4月金融市場局
2016年7月米国コロンビア大学大学院留学
2017年5月金融機構局
2020年6月金融市場局
#市場調節#金融政策#ロースクール

私は、金融市場局市場調節課において、日々のオペレーションの企画・立案をしています。ここでは、ある朝の私の業務をご紹介します。

調節の現場から:緊張感とスピード感の中で

出勤後すぐに、昨晩の海外市場の動きについて債券チームから報告を受けつつ、今日の3本建ての国債買入れの結果の見通しについて、どうやら昨日の見立てから大きな変化はなさそうだとの感触を得ます。同時並行で、朝の短期金融市場の状況について次々と短期チームから報告があがってきました。今日は国庫短期証券買入れのオファーを予定していますが、朝になって昨日までの想定よりは少し変化があるように思われます。上席者との打ち合わせまであと10分、オファー金額の国庫短期証券市場への影響、短期金融市場への波及、市場参加者の受け止め方、日本銀行としてのメッセージ…様々なことを考えながら再検討を急ぎます。

10:10、国債買入れと国庫短期証券買入れをオファー、この日の資金供給量は1兆円以上となりました。債券チーム、短期チームそれぞれオファー直後の市場の状況を確認。どちらの市場も特段反応はなし、少しほっとして、「オファー金額は想定の範囲内と受け止められたようです」と、上席者に報告します。

オファーバックの時刻となりました。予想通りになっているだろうか、緊張しながら、実務部隊のオペ班のスペースに向かいます、日銀ネットから出力された帳票からその場で1本ずつ国債買入れと国庫短期証券買入れの結果を確認、よし、落札決定レートは概ね予想どおり、応札倍率はこのゾーンはやや低め、と頭を整理しながら、すぐさまオペ班を後にします。戻ってくるとリサーチアシスタントが素早くオペ結果のデータを整理していました、それをもとに債券チーム・短期チームとともにオペ結果の分析に入ります。短期チームでは同時にコール市場の昼までの動きを分析、市場構造に若干の変化がみられるとの報告がありました。昼の打合せまであと5分、変化の要因、レートへの影響、先行きなど、迅速に議論を進めます。短期チームの取り纏めがチームに長期時系列での分析を指示する声を背に、昼前までの市場の状況とオペ結果について頭の中で整理しつつ上席者との打合せの場所へと向かいました――

与えられた責務を果たし、プレイヤーとして手段を尽くす

私は、法学部・ロースクールと法律を学び、将来は金融分野を手掛ける弁護士になりたいと思っていました。しかし、その間にリーマンショックが起き、金融市場の動乱やその後の冷え込みを学生の身分ながらに感じる中で、金融システムの安定を使命とし、金融市場で実際にオペレーションを行う日本銀行の仕事に共感を抱き、中央銀行員として歩み始めました。

入行後は、その時思っていたことや学業的バックグラウンドとは異なる職場での業務も経験してきました。しかし、金融市場の中で与えられた責務を果たしプレイヤーとして手段を尽くす、中央銀行員としての醍醐味はどの職場にあっても変わらなかったと思います。新人時代の決済機構局では、リーマンショック後の金融規制改革が続く中で、日本の市場はどうなるか、何を主張しなければならないか考えました。金融市場局では、金融政策の変更、新日銀ネット稼働開始のために新たなスキームやルール作りに奔走していました。米国・コロンビア大学ロースクール留学後、金融機構局では考査を通じて金融機関のリスク管理体制を検証したほか、大手金融機関の破綻処理スキームの実行可能性向上のための検討を行い金融システムの安定確保に携わりました。そうした中で、私自身もだんだんと職責もあがり、チームを率いる場面も多くなってきました。そして、今、また金融市場局に戻ってきました。金融市場調節という挑戦しがいのある仕事を受け持ち中央銀行員としての責務を背負って闘志を燃やす仲間と、張り合いのある毎日を送っています。

挑戦し続ける

中央銀行員として働き始めて10年が経ちました。働けば働くほど、知りたいこと、追及したいことが増えてきました。それと同時に、中央銀行とはどのような存在であって、自分はどうするべきなのか、自らに問いかける場面も多くなりました。これからも、中央銀行員として、私の興味関心は無限に広がっていくことでしょう。今日もまた、仲間とともに、挑戦し続けたいと思います。

2012年4月決済機構局入行
2013年1月京都支店
2014年4月金融市場局
2016年7月米国コロンビア大学大学院留学
2017年5月金融機構局
2020年6月金融市場局
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