それは神々の戦いだった

火星にてジャック・シンドーとスタンレー・ハガードが観測したソレはまさしく神と思しき存在であった。
彼らは後に邪悪な細胞を持った生命体とヒューマノイドとして分析されるのだが、そんな言葉では言い表せない程に神々しく輝く「ウルトラマン」。
そして邪気を放つ「ゴーデス」。
そのゴーデスを眼前にジャックの友スタンレーは探査船と爆散してしまうのだ。が、強運の持ち主であったジャックにはウルトラマンと利害の一致関係になることが出来る。そして一体化した彼らは、地球の運命と未来の一端を担ううことになる……
あなたは
「ウルトラマンG(グレート)」
をご存知だろうか。
1990年、オーストラリアで制作され、日本ではオリジナルビデオ作品として発売されたウルトラマンである。劇場版も二作存在しているこの作品であるが、
筆者はこのウルトラマンをみて感銘を受けたので、この記事を残すことにする。
※ウルトラマンG(吹き替え)を視聴している前提で書くのでネタバレ注意
【「人間」か「宇宙人」か】
ウルトラマン 「禁じられた言葉 」 にて
メフィラス「ウルトラマン!貴様は宇宙人なのか!
人間なのか!」
ウルトラマン「両方さ。」
こんなセリフがある。
ウルトラマンというのがどういう存在なのかを示す指標としてとても興味深く、そして深いセリフなのだ。
そう、ウルトラマンは
「異質」なのだ。
人間であり宇宙人である彼は、人類よりも大きな力を持っていながら人類の心を持っている。
そうなのだ。
主人公「ジャック・シンドー」はウルトラマンである。
この作品を名作たらしめている存在「ジャック・シンドー」。
彼ほどこの一面が強調されたウルトラマンはなかなか居ない。
彼は人間の姿をしていながら、ウルトラマンと会話ができる。
さらにはウルトラマンの超能力さえ使うことが出来るのだ。
そんな彼が僕は大好きなのだが、なぜそんなに彼が好きなのか、それは
彼のキャラクター
である。
彼を「ウルトラマン」たらしめているのはただの設定だけでは無い。
彼の達観した姿勢こそ、ウルトラマンに相応しい。
ゴーデスの力を予見し、これから起こる未曾有の
大異変をいち早く察知するその冷静さ、
達観しているその佇まいこそが、彼をウルトラマンたらしめている。
【一貫したテーマ】
この作品を名作と言わしめているもうひとつの要因として「テーマが一貫している」ことも重要になるだろう。
ウルトラマンGが示したテーマ、それは……
人類は地球を貪り、殺す
愚かなハンターはデガンジャの怒りに触れ、愚かな農地主は巨大イナゴで大地を滅ぼす。
そう、人類こそこの作品における最大の破壊者であることは間違いないだろう。
が、しかし。
その破壊者を滅ぼす存在が現れたら?
【ゴーデス】
地球最大の危機、ゴーデスの細胞が降り注いだ。
その細胞は「ゴーデス怪獣」を生み出し、細胞は収束し、
遂にゴーデスは復活した。

ゴーデスはUMAの隊員であるジーンも取り込みはじめ、危機に。
そこにウルトラマンが現れた。
苦戦するウルトラマン、遂にゴーデスの体内に吸収されてしまった。
ゴーデス「私が人間を滅ぼすことで、この惑星はまた美しさを取り戻すことが出来るのだ。」
ジャック「お前の言うことなど信じることは出来ない。」
ゴーデス「お前は私に吸収され一体となれ。素晴らしい世界が待っているぞ。」
ジャック「哀れな奴だなゴーデスよ。全宇宙を吸収した時、お前はどうするつもりだ。」
「“友達”すらいない世界でたった独りで生きていけるのか?」

ゴーデスは叫ぶことしか出来なかった。
結局、ゴーデスは理想だけしか見ておらず、現実を突きつけられると、こうしてジャックのような人間に負けてしまうのだ。
だがしかし、
なぜジャックはゴーデスを倒せたのだろうか。
【友達の居ない独りの世界】
あなたは考えたことがあるだろうか。
友達がこの世から消え去り、自分の周りに何も無くなった世界を。
ゴーデス細胞に感染し蘇った親友、スタンレーを葬り、また友であるジーンが危険に侵されている今、ジャックはきっと「友達」の大切さを実感しているだろう。
「“友達”すらいない世界でたった独りで生きていけるのか?」
これはゴーデスのために失った友人と危険に侵されている友人を持ったジャックにしか言えないせいいっぱいの悲愴ではないだろうか。
そしてゴーデスもまた、実現し終えたら一切その寂しさや悲しさを拭えない理想を掲げていたことに叫んでいたのでは無いだろうか。
ウルトラマンGは、「人類の残虐さ」だけでなく
「友と生きる世界の大切さ」を説く作品でもあったのだ。
【自分の命に誇りを持て】
ウルトラマン「私は以前に言ったはずだ」
ジャック「なんだって?」
ウルトラマン「UMAに入ってゴーデスと戦うことはとても難しい、と」
ジャック「僕にお説教でもするつもりか!僕はどうしたらいいんだ?」
ウルトラマン「ゴーデスの本体を倒すことができるか?」
ジャック「どうすれば倒せる?」
ウルトラマン「自分の命に誇りを持て」
筆者は最初、このセリフの意味がわからなかった。
が、しかし。ゴーデスを倒した今、分かるものがある。
「生き抜くことがやつへの抵抗なんだ」
そう、ゴーデスを倒す唯一の手段は、「生き抜く」こと。
第3話にて、自分の邪悪な心だけを利用されたジミー少年も、自分の命に誇りを持ったから、生き抜いたからゴーデスに打ち勝つことが出来たのだ。
そう、生き抜くこと。
人は時に、邪悪で鬱屈とした心にひれ伏し、生き抜くことを忘れる日が来るだろう。
そんな時、心のゴーデスを打ち砕き、生き抜いてみる、生き抜こうとする。
そんなことが出来れば、人間は未来に向かって突き進めるだろう。そう信じたい。
【towards the future】
ウルトラマンは地球が遣わした伝説怪獣を倒し、再び宇宙へ旅立つ
が、しかし。
地球には、まだ人類がやれねばならぬ問題がいくつもある。そしてその問題を解決するチャンスを我々にウルトラマンが与えてくれた。
そう。
我々はまだ試行錯誤の途中。
地球と、宇宙と調和できる日が必ず来る。
いや、来させてみせる。
人類は未来へ向かって突き進むのだ。

おわり
火星にてジャック・シンドーとスタンレー・ハガードが観測したソレはまさしく神と思しき存在であった。
彼らは後に邪悪な細胞を持った生命体とヒューマノイドとして分析されるのだが、そんな言葉では言い表せない程に神々しく輝く「ウルトラマン」。
そして邪気を放つ「ゴーデス」。
そのゴーデスを眼前にジャックの友スタンレーは探査船と爆散してしまうのだ。が、強運の持ち主であったジャックにはウルトラマンと利害の一致関係になることが出来る。そして一体化した彼らは、地球の運命と未来の一端を担ううことになる……
あなたは
「ウルトラマンG(グレート)」
をご存知だろうか。
1990年、オーストラリアで制作され、日本ではオリジナルビデオ作品として発売されたウルトラマンである。劇場版も二作存在しているこの作品であるが、
筆者はこのウルトラマンをみて感銘を受けたので、この記事を残すことにする。
※ウルトラマンG(吹き替え)を視聴している前提で書くのでネタバレ注意
【「人間」か「宇宙人」か】
ウルトラマン 「禁じられた言葉 」 にて
メフィラス「ウルトラマン!貴様は宇宙人なのか!
人間なのか!」
ウルトラマン「両方さ。」
こんなセリフがある。
ウルトラマンというのがどういう存在なのかを示す指標としてとても興味深く、そして深いセリフなのだ。
そう、ウルトラマンは
「異質」なのだ。
人間であり宇宙人である彼は、人類よりも大きな力を持っていながら人類の心を持っている。
そうなのだ。
主人公「ジャック・シンドー」はウルトラマンである。
この作品を名作たらしめている存在「ジャック・シンドー」。
彼ほどこの一面が強調されたウルトラマンはなかなか居ない。
彼は人間の姿をしていながら、ウルトラマンと会話ができる。
さらにはウルトラマンの超能力さえ使うことが出来るのだ。
そんな彼が僕は大好きなのだが、なぜそんなに彼が好きなのか、それは
彼のキャラクター
である。
彼を「ウルトラマン」たらしめているのはただの設定だけでは無い。
彼の達観した姿勢こそ、ウルトラマンに相応しい。
ゴーデスの力を予見し、これから起こる未曾有の
大異変をいち早く察知するその冷静さ、
達観しているその佇まいこそが、彼をウルトラマンたらしめている。
【一貫したテーマ】
この作品を名作と言わしめているもうひとつの要因として「テーマが一貫している」ことも重要になるだろう。
ウルトラマンGが示したテーマ、それは……
人類は地球を貪り、殺す
愚かなハンターはデガンジャの怒りに触れ、愚かな農地主は巨大イナゴで大地を滅ぼす。
そう、人類こそこの作品における最大の破壊者であることは間違いないだろう。
が、しかし。
その破壊者を滅ぼす存在が現れたら?
【ゴーデス】
地球最大の危機、ゴーデスの細胞が降り注いだ。
その細胞は「ゴーデス怪獣」を生み出し、細胞は収束し、
遂にゴーデスは復活した。
ゴーデスはUMAの隊員であるジーンも取り込みはじめ、危機に。
そこにウルトラマンが現れた。
苦戦するウルトラマン、遂にゴーデスの体内に吸収されてしまった。
ゴーデス「私が人間を滅ぼすことで、この惑星はまた美しさを取り戻すことが出来るのだ。」
ジャック「お前の言うことなど信じることは出来ない。」
ゴーデス「お前は私に吸収され一体となれ。素晴らしい世界が待っているぞ。」
ジャック「哀れな奴だなゴーデスよ。全宇宙を吸収した時、お前はどうするつもりだ。」
「“友達”すらいない世界でたった独りで生きていけるのか?」
ゴーデスは叫ぶことしか出来なかった。
結局、ゴーデスは理想だけしか見ておらず、現実を突きつけられると、こうしてジャックのような人間に負けてしまうのだ。
だがしかし、
なぜジャックはゴーデスを倒せたのだろうか。
【友達の居ない独りの世界】
あなたは考えたことがあるだろうか。
友達がこの世から消え去り、自分の周りに何も無くなった世界を。
ゴーデス細胞に感染し蘇った親友、スタンレーを葬り、また友であるジーンが危険に侵されている今、ジャックはきっと「友達」の大切さを実感しているだろう。
「“友達”すらいない世界でたった独りで生きていけるのか?」
これはゴーデスのために失った友人と危険に侵されている友人を持ったジャックにしか言えないせいいっぱいの悲愴ではないだろうか。
そしてゴーデスもまた、実現し終えたら一切その寂しさや悲しさを拭えない理想を掲げていたことに叫んでいたのでは無いだろうか。
ウルトラマンGは、「人類の残虐さ」だけでなく
「友と生きる世界の大切さ」を説く作品でもあったのだ。
【自分の命に誇りを持て】
ウルトラマン「私は以前に言ったはずだ」
ジャック「なんだって?」
ウルトラマン「UMAに入ってゴーデスと戦うことはとても難しい、と」
ジャック「僕にお説教でもするつもりか!僕はどうしたらいいんだ?」
ウルトラマン「ゴーデスの本体を倒すことができるか?」
ジャック「どうすれば倒せる?」
ウルトラマン「自分の命に誇りを持て」
筆者は最初、このセリフの意味がわからなかった。
が、しかし。ゴーデスを倒した今、分かるものがある。
「生き抜くことがやつへの抵抗なんだ」
そう、ゴーデスを倒す唯一の手段は、「生き抜く」こと。
第3話にて、自分の邪悪な心だけを利用されたジミー少年も、自分の命に誇りを持ったから、生き抜いたからゴーデスに打ち勝つことが出来たのだ。
そう、生き抜くこと。
人は時に、邪悪で鬱屈とした心にひれ伏し、生き抜くことを忘れる日が来るだろう。
そんな時、心のゴーデスを打ち砕き、生き抜いてみる、生き抜こうとする。
そんなことが出来れば、人間は未来に向かって突き進めるだろう。そう信じたい。
【towards the future】
ウルトラマンは地球が遣わした伝説怪獣を倒し、再び宇宙へ旅立つ
が、しかし。
地球には、まだ人類がやれねばならぬ問題がいくつもある。そしてその問題を解決するチャンスを我々にウルトラマンが与えてくれた。
そう。
我々はまだ試行錯誤の途中。
地球と、宇宙と調和できる日が必ず来る。
いや、来させてみせる。
人類は未来へ向かって突き進むのだ。
おわり
コメント
コメント一覧 (4)
晒されたいか??????????????
良いか、Gレコとジードはエンタメ回のマスターピースなんだよ
あのゾワっとするリアルさ
レイトとゼロの虐待親とその息子という社会風刺
モアという障害者にしか見えない女を採用するAIBの懐の深さ
ライハという太もも見せつつ尺潰ししまくり、他人に刀を突きつける頭のおかしい女が復讐を諦めるというエモみ
ジードは俺にヒーローの答えを提示してくれた最高のエンタメなんだよ
最終話なんてさいこうだろ
ドンシャインなんて古いといい、ジードを持ち上げるというなろうを上手く取り入れた展開とかよぉ
ジードが素晴らしい作品だとようわかっただろ?わかったら反省しろよな
ashimu_ultra
が
しました
神田大和さんの辛口批評めっちゃ参考になるし!
その神田大和さんが認めるんだからジードは最高傑作間違いなしですよ!
芹みたいなSEX自慢と大森ライダー叩きしか脳が無い手帳持ちのピザデブゴミ野郎なんかより格が違う!
そんな芹を囲ってるアシムとかいうゴミクズニートなんて問題外ですよ!
あ、そうだ(唐突)神田さん今度オフパコしませんか?ホテル取っときますので!よろしくぅ!
ashimu_ultra
が
しました
ashimu_ultra
が
しました
特撮ガイジの力、お借りします それではご唱和下さいわが名を ウルトラマンゼーット!
ashimu_ultra
が
しました