ダイイチルビー「……随分と…仲がいいようですね、パーマーさん。」
メジロパーマー「ぇ…仲いいって…誰と?。」
ダイイチルビー「……ヘリオスさんです。」
ダイイチルビーは睨みつけるようにしながらパーマーに向かいそう話す。
メジロパーマー「ぇ…ヘリオスと?。…まぁズッ友だし。」
ダイイチルビー「……はい、確かにそうですね。……ですが…。」
ダイイチルビーはメジロパーマーとの距離を詰める。
ダイイチルビー「…貴女はヘリオスさんの何を理解してるのですか?」
メジロパーマー「……??。え…?。」
ダイイチルビー「……私はなんでも知ってます。…好きなもの。好きな場所。好きな言葉。嫌いなもの。嫌いな場所。嫌いな言葉。」
メジロパーマー「えっと…そういう系の話ならヘリオスからよく聞くけど…。」
ダイイチルビー「そういう訳ではございません。……貴女が知ってるか知ってないか。……しかし話を聞く限りだと知ってそうですね。」
ダイイチルビーは淡々と話を続ける。
ダイイチルビー「しかし…貴女がヘリオスさんについて知ってることなんて、100の内10もありません。……が、私は言いましたなんでも知ってると。」
メジロパーマー「……。論点が…わかんないんだけど…。」
ダイイチルビー「……おや、すみません。1番大切なことを言ってませんでしたね。……ヘリオスさんに近づかないでください。」
メジロパーマー「ぇ……は…え……?」
メジロパーマーは困惑した様子でそう話すが気にせず。
ダイイチルビー「…私は貴女より彼女の事をよく知っていますし、貴女の何倍もヘリオスさんのことを愛しています。」
メジロパーマー「ぇ…」
瞬間メジロパーマーは理解した。
この人、愛がやばいタイプだ……と。
メジロパーマー「それは…出来ない。ヘリオスはズッ友だか…」
ダイイチルビー「関係ありません。…貴女とヘリオスさんがズッ友だとして、私のヘリオスさんに対する愛よりは小さいです。」
メジロパーマー「…ッ…だったらなんで普段塩対お…」
ダイイチルビー「…人の前で…私のヘリオスさんに対する想いをさらけ出そうものなら……我が一族の名が堕ちるからです。」
メジロパーマー「…そんなのって……。」
ダイイチルビー「分かったら先ずはヘリオスさんの前から消えてください。」
メジロパーマー「…ッ…納得いかない!」
メジロパーマーはその場から逃げ出してしまった。
ダイイチルビー「……害虫が1匹…逃げ出しましたか…。」
こうなったら、最終手段を使うしかありませんね。
ダイイチルビー「………。待っててください。ヘリオスサン。」
ヘリオス「………。ん…?。」
ダイタクヘリオスは困惑していた。
まずなぜ自分は気絶していたのか何故椅子に縛られてるのか。
いきなり背後から何かで殴られて気絶した所までは覚えているのだ。
ヘリオス「……何これ。」
ヘリオスがそうつぶやくと、目の前からよく知るウマ娘が歩いてきた。
ダイイチルビー「…目、覚めたんですね。…ずっと起きないものですから、死亡してしまったのではと慌ててしまいましたよ。」
ヘリオス「……お、お嬢様…?。なんでココに…?。…て、てかてか!ウチを拉致った人が帰ってくるかも知んないから!早く逃げた方が……。」
ダイイチルビー「はい?。…ヘリオスさんを拉致した者なら…もう帰ってきてますよ?」
ヘリオスはその言葉で一瞬脳の回転が止まった…。
ヘリオス「ぇ…ドコ!?」
ヘリオスは首を振って周りを見る。
しかしルビーを覗いてそこには誰もいない。
その事から、ヘリオスはあるひとつの結論に行き着いた。
ヘリオス「……まさか…お嬢様が…?」
ダイイチルビー「当たりです。……苦労しました…誰にも見つからないようにヘリオスさんを誘拐するのは。」
ヘリオス「ぇ…いや…意味わかんない…それだったらこの拘束」
ダイイチルビー「外すわけ、ありませんよ?。…ヘリオスさんはココで永遠に私と共に暮らすんです。」
ヘリオス「ぇ…な、なんでいきなり!」
ダイイチルビー「…それは…シンプルな話ですよ。私がヘリオスさんのことを愛しているから。…それ以外に理由なんて要りません。」
ヘリオス「…あ、愛してるって……。」
ダイイチルビー「それに…ヘリオスさんに近づくなと言っているのに近づこうとした害虫が1匹程居ましたので、その方とヘリオスさんを隔離するためでもあります。」
ヘリオスはその言葉を聞いてふと思い出した。
そーいや最近ジョーダンとかシチーとか、よそよそしかったなって。
……となると…その害虫って…。
ヘリオス「…パーマー……。?」
ダイイチルビー「…私の前でその方の名前を呼ばないでください。」
やっぱり…。
パーマーの事だったんだ。
ヘリオスはそう考えた。
それと同時に怒りも湧いてきて。
ヘリオス「お嬢様…ウチのズッ友害虫って言った…?」
ダイイチルビー「はい…言いましたが。」
ヘリオス「……〜〜ッッ…ふざけるな!。…ウチのズッ友のこと害虫って…!」
ダイイチルビー「……なるほど。」
ルビーはそんなヘリオスの怒りなど気にもせず、ペットボトルの水を持ち、1錠の薬を口に含んだ。
ヘリオス「…そもそも!お嬢様が塩対…ンムッ?!」
直後、彼女への怒りを口にしていたヘリオスの口は閉ざされる事となる。
面白いことに、五月蝿いのと裏腹に静かな口で。
そして防ぐのを止めると、ルビーは彼女の口にペットボトルを突っ込んだ。
ヘリオスは思わずそれを飲んでしまった。
ヘリオスは困惑していた……が。
ヘリオス「へ…ぇ…あ……お嬢様…?」
ダイイチルビー「…30分程したら…また来ます。」
と言ってルビーは部屋を出ていき、その部屋にはヘリオスだけが残されていた。
ヘリオス(…何これ…頭クラクラするし…なんか暑い…。…それになんか眠……。)
ー30分後ー
ダイイチルビー「……ヘリオスさん…。寝てますか…。」
ルビーは寝ているヘリオスに近づくと、顔をじーっと見つめた。
ダイイチルビー「…あと少しの辛抱です…あと少しで…ワタシノモノニナル。」
寝てるヘリオスと彼女しかいない個室で、彼女は少し異常な笑みを浮かべてそう話したとか。
ケイエスミラクル「…っていう夢を見たんだけど…。」
メジロパーマー「…なんか…最近ヘリオス行方不明だから余計現実味ある…」
ケイエスミラクル「ルビーも行方不明だしね…。」
メジロパーマー「しかもその害虫の下り、似たようなこと言われたんだよね…。」
ケイエスミラクル「…まさか…正夢だったり?」
メジロパーマー「………まさかね…。」
ダイイチルビー「……外では私たちの話題で持ち切りですよ。……ヘリオスサン?」