少年野球
劇団 「前回の記事は『あり得ない波動』ということで
AI を活用して将棋界の最年少記録を塗り替えてきた
藤井聡太七段について
CS さんが対局中の波動読むと夢も見ない深い眠りの
シーター波レベルであり、
ありえない波動
と評していたんですよね。」
CS 「ハイ、そうです。」
(以下は前回の記事からの抜粋部分です)
CS 「過去記事では話題にしていなかったのですが、
実は藤井聡太七段は
わたしから見たらかなり異常な人物なんです。」
劇団 「(異常な人物)とは穏やかじゃないですね。」
「CSさんは藤井聡太のどこに異常を
感じるんですか?」
CS 「わたしが対局中の藤井聡太七段の波動を読むと
意識が完全に飛んじゃっている人の波動を感じるんです。」
劇団 「(意識が完全に飛んじゃってる人)ってどういうことですか?」
CS 「ノンレム睡眠レベル(シータ波) 状態の人の波動です。」
劇団 「でも、それって夢も見ない深い睡眠状態という
ことじゃないですか?」
CS 「わたしが深い眠りに入っている人の波動に
シンクロすると意識がスーッと深いところに沈んで
無になっているような状態になるのですが、
藤井聡太七段はそういう意識状態で
対局しているんです。」
「あり得ない波動です。」
(抜粋部分終了)
劇団 「ボクは藤井聡太については
(ちょっとぼーっとした感じのお兄ちゃんだな。)
くらいにしか考えていませんでした。」
CS 「わたしから見るとゼータガンダムのニュータイプ・
カミーユビダンのような
常識を逸脱した人物なんです。」
劇団 「CSさんの例えでは、
歴戦のベテランパイロットが16歳の少年に撃墜されてしまう。
何度も優勝しているF1ドライバーが、
ゴーカートにしか乗ったことがない中学生に敗北して
優勝されてしまうようなもの。
というレベルなんですよね。」
CS 「どう考えてもありえないことです。」
劇団 「CSさんはその
(ありえないこと)について説明する
と言ってました。」
CS 「これは逆説的に聞こえるかもしれませんが、
(ありえないこと)を説明するためには
(ありえること)を説明する必要があるんです。」
劇団 「それってどういうことですか?」
CS 「(規格外のありえない人間について説明する場合は、
普通の人間がどうやって名人・達人レベルになるのか
について説明する必要がある。)
とわたしは考えるわけです。」
「もちろん、名人、達人レベルになる人間と言っても
それこそ何度も優勝する F 1レーサーになるようなもので
確率的には 希少なレベルだと思いますが、
16歳でいきなりF1で優勝するようなありえない人間に比べれば
説明がつきますので、まずここから話をします。」
劇団 「確率的に希少なレベルだけど、ありえないレベルではない
というのは微妙ですね。」
CS 「F1ドライバーよりも実感しやすい身近な例としては
野球選手が挙げられると思います。」
劇団 「大谷翔平みたいなスターが出てきて
最近また注目されてますね。」
CS 「わたしの少年時代はサッカーは完全なマイナー競技で
スポーツをするとすれば野球と決まっていたんです。」
「今の人は信じられないかもしれませんが
毎晩夜7時から9時半ぐらいまでのゴールデンタイムは
野球を放送していたんです。」
劇団 「日本シリーズでもそんな流さないですよね。」
CS 「ですから少年時代の野球人口って
小学生の少年野球から社会人が趣味で行う
草野球まで含めれば相当な数だったわけです。」
「今でも覚えていますが、小学生の頃に住んでいた地域に
町内会が1~10まであって、それぞれの町内会ごとに
少年野球のチームがありました。」
劇団 「よく回覧板が回ってきたり町内会費を集めたりするやつですか。」
CS 「気になったので調べてみたら現在は人口1~2万人に対して
町内会が一つあるんですね。」
「少年野球チームが一つあったら30人くらいは入っていましたから
結構な数です。」
劇団「 CSさん詳しいんですね。」
CS 「実は小学4年生の時から3年ぐらい少年野球チームに
入っていたんです。」
劇団 「それは意外ですね。」
CS 「わたしは少年時代は一年中風邪を引いているような
虚弱体質の少年で全く入る気はなかったのですが、
仲のいい友人がチームに入っていて
グラウンドで会おうみたいな約束をして会いに行ったら
監督に紹介されてそのまま勢いで加入されさせられて
しまったわけです。」
劇団 「まるで布教活動ですね(笑)」
CS 「今から考えると異常だと思うのですが、
平日も朝の5時30分から練習があって、
野球の練習というよりも小学校のグランドを
10~20周も走らされたり、
雪が積もっている 気温がマイナスの冬でも
練習させられたんです。」
劇団 「雪があって練習なんかできるんですか?」
CS 「元旦明けから雪道を走らされた後に体育館で練習をして、
土日も練習や試合があって全くプライベートタイムがありません。」
「毎日汗だくになって地獄みたいでした。」
「しかし、今から思えばチームを卒業した後の中学時代は
人並みに健康体になりましたから体を鍛えるという意味では
一年中朝から走って野球の練習をするというのは
よかったわけですね。」
「その反動で野球は一切見なくなりましたが・・・。」
劇団 「少年時代のトラウマになったわけですね(笑)」
CS 「それでもここ4~5年くらいは懐かしさを感じるようになったのか
NHK・BSを中心に少年時代のスター選手のインタビューや
野球に関するドキュメンタリーを暇な時に見るようになりました。」
「それで1つ驚いたことがあったんです。」
劇団 「驚いたこと?」
CS 「実は野球にはボールの正しい握り方があったんです。」
CS 「もちろん、少年野球ですからわたしが使っていたのは
軟式ボールだったのですが、
監督を含めて誰も正しい握り方なんて気にしていませんでした。」
劇団 「監督も知らなかったんでしょうか。」
CS 「今にして思えば、彼は当時40歳くらいで
市役所に勤めていて
数世代前から住み続けていたので
町内会から頼まれてろくに野球の経験も無いけれど
断りきれなかったのでしょうね。」
「町内会の野球チームを指導していると
何かの手当が入るような話も
後年になって聞きましたし。」
「それにしてはやたらと練習はキツかったですが。」
劇団 「(少年の根性を鍛える)という
目的があったんですかね?」
CS 「ボールの握り方について知った時に思ったのが、
(もしも、自分が真剣にプロ野球選手を
目指している野球少年だったら、
あの3年間で野球人生は絶たれていたな。)
ということでした。」
劇団 「そこまで深刻ですか。」
CS 「わたしは野球の試合をTVで見たりしますが、
ゴロで転がってきたボールを捕球して
投げる動作を数秒で行う時にも、
プロの選手は無意識のうちにボールの
正しい握り方が出来るようになっている
わけなんです。」
劇団 「確かにボールを握る動作は考えていたら出来ません。」
「少年時代から何万回も正しいボールを握る
動作を繰り返してきたから可能なわけですね。」
CS 「無意識の動作を身体に刷り込ませることが
プロになるためには不可欠なんです。」
「それが究極レベルまで高められると
達人になるわけです。」
劇団 「達人レベルとはどのような感じなんですか?」
CS 「以下は中日監督時代の落合が、
3億円の移籍金で中日に移籍しながらも
打撃不振に苦しんでいた和田選手に
打撃フォームの改造を指導した時のエピソードです。」
(以下は『鈴木 忠平. 嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』
からの抜粋部分です。)
自分と落合の他にはボール 拾いのスタッフだけしかいない。
ぴんと張りつめた空間で和田はバットを振り続け た。
一時間が過ぎても、 落合は無言だった。
打撃練習用マシンが単調な機械音とともに
カーブを吐き出す。
静寂のなかに乾いた打球音だけが響いた。
次第に、どれくらい時間が経ったのかも、
何球打ったのかもわからなくなっていっ た。
ボール籠が空っぽになるまで打ち終えた和田は、
思わずその場にへたり込んだ。
かつて これほど精神的に擦り減ったバッティング練習があっただろ う か。
そんな疲れが全身を襲っていた。
落合は去り際に言い残し た。
「打ち方を変えなきゃだめだ。 それだと怪我する。
成績も上がらねえ」
和田は呆然とした。
ただ、 そこに強制の響きは含まれていなかった。
「やろうという気になったら言ってこい。 ただし、 時間はかかるぞ」
和田は座り込んだまま、 落合の言葉を反芻していた。
扉を開けるか、 開けないかは自分次第だった。
プロ入りから十年かけてつくりあげたバッティングへの自負から、
和田は中日に移籍して最初のシーズンは従来の打ち方を貫いた。
その結果、 打率三割二厘、 十六本塁打、 七十四打点という
成績に終わった。
とても三億円の年俸に見合う数字ではなかっ た。
急に年齢に対する不安が襲ってきた。
俺はこのまま終わってしまうかもしれない……。
だから中日での二年目、 二〇〇九年のキャンプ、
再びあの室内練習場に居合わせたタイミングで
怖る怖る
落合に歩み寄ってみた。
「三年はかかるぞ」 と落合は念を押した。
「 それでも やるか?」
三十代半ばを過ぎた選手に三年計画を提示すること自体、
球界の常識からは逸脱していた。
この人は、 一体 どういう物差しを 持っているんだろう……。
和田は落合の言葉に得体の知れないものを感じながらも、
憧憬と覚悟を込めて頭を下げ た。
「お願いします 。」
次の日から落合は、 両手にある十指をどの順で、
どこからどこに動かし、 どれくらいの力を入れるのか、
ということから話し始めた。
それはひとつのスイングを構成する
一から十までの手順、
すべてを繋げていくような作業だった。
落合の言葉を耳にしていると、 あの不思議なスイング動作の
一つ一つに根拠があることがわかっ た。
ああ……、 俺は今まで、 ただ がむしゃらにやってきただけなんだ。
これまで 二と三、 あるいは六と八を部分的に
教えてくれ た人はいたが、
すべてを繋いでみせたのは落合だけだった。
中日には甲子園で名を馳せた平田良介や堂上直倫という
若くて期待値の高い選手たちがいた。
落合は彼らがバッティング練習をしていると、
和田を呼んでこう言った。
「あれを見てみろ。 あんなことをしていたら、
打てるわけがないというのがよくわかる だろ?
でも、今のあいつらにそれを言ったところ で
理解できないんだ。
物事には言えばわかる段階と、
言ってもわからない段階があるんだ」
(抜粋部分終了)
CS 「バットでスイングする時に、
両手にある十指をどの順で
どこからどこに動かし
どれくらいの力を入れるのか。
そのレベルから無意識に行えるのが
達人なんです。」
※次回の記事更新日は10月20日になります。
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