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なぜ若者は沖縄警察署を襲撃した?「巡査は人前では手を出さないけど…」

最も恐れたのは市民に被害が及ぶこと

 一方の沖縄警察署の傷跡も深い。割られた電光掲示板、落書きで汚された外壁、投げるためにレンガを掘り出された舗道など、暴動の激しさを物語っている。2週間がたっても出入り口には機動隊車両が並び、厳戒態勢が続く。 「警察庁や官邸も含め、一連の事件を深刻に受け止めている。なぜ暴動のときに逮捕しなかったのか?との批判もあるが、最も恐れたのは市民に被害が及ぶこと。暴徒を刺激し、警察署の中まで侵入され、逮捕勾留者が逃げ出すのを防ぐのを優先させたのでしょう。まだ事件は終わっていません。同じような事件が再び起これば、国家の治安を根底から揺るがしかねないので、決しておおげさではない」(警察関係者)

沖縄特有の事情も事件に影響か

 事件前から「若者の暴走行為を取り締まってほしい」という市民の声も多く寄せられていたという。 「沖縄ではクリスマスや正月、成人式のほか、“パニック”と語呂を合わせた8月29日に暴走行為が多発する」(前出・警察関係者)  事件の発端はコザ十字路での「チャリ暴走」だった。現場沖縄特有の事情も事件に影響したと元暴走族だった男性はいう。 「沖縄の暴走族は交差点をクルクルと回って、どれだけきれいにパトカーを回せるか、フィギュアスケートみたいに『芸術点』を競う。沖縄市ならコザ十字路、胡屋十字路、隣の北谷町では国道58号の国体道路入口付近などを移動しながら暴走行為を行う。  多いときは100人近くのギャラリーがいて、うまく回せれば仲間内で評価は高まるが、警官も人間なので、これをやられるとカチンとくる人はいますね。交差点は夜でも通行量は多く、一般の通行者をひかないかヒヤヒヤする場面もある。また『チビカメ』といって、先輩を逃がすために、後輩は125㏄のスクーターでのろのろとパトカーの進路を遮る。それでまったく無関係だったAが警察に『チビカメ』と間違われたのかもしれない」
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第2のコザ騒動か?街の人はどう思う

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