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43rd SINGLE

果てしない二人

  • 発売日2022/10/12
Interview

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「めっちゃ楽しいラブソングを歌いたい」
そんな想いを抱きながら、映画「もっと超越した所へ。」(10月14日公開)の主題歌に起用されているのが、aikoの43枚目のシングルとしてリリースされる新曲「果てしない二人」。

「事前に観せていただいた映画がめちゃくちゃおもしろくて、気分爽快になる内容だったんです。そのときに、『あ、あの曲が合うかもしれないな』と数年前に作っていたデモのことを思い出して。そこからあらためてメロディをつけなおし、歌詞も含めて肉付けしながら形にしていきました。ただただハッピーなラブソングが作りたいという想いで自分の気持ちを曲にしていったんですが、仕上がったものを聴いてみるとどこか映画の内容に引っ張られたところがあるような気もします。映画に出てくる女の子たちの感情にリンクしている部分もあるなぁって」

楽しい時間はもちろん、うまくいかないもどかしい時間さえも受け入れて二人の関係を大切に紡いでいく。そんな恋愛の形はaikoらしいリアルさを持っているのと同時に、すべての人の理想でもあるのではないだろうか。どこまでも深く想いを寄せ合いながら、時間さえも超越した場所で人生を重ねていく。それこそがまさに“果てしない二人”の姿だ。

「ものすごくケンカをする時があったり、かと思えば老夫婦のように穏やかな時があったり。そんないろんな瞬間のすべてを表現したかったんです。恋愛はもちろん人生も、私にとっては音楽も、なんとなくの許容で過ごすのはめっちゃもったいないなと思うんです。毎回やりすぎて後悔することもいっぱいあるけど、でもそっちの方が楽しいなって最近は特に思う。すべてに意味があって、すべてが大事な1日。そんな想いがこの歌詞には反映されていると思います」

aikoの心から溢れ出したメロディは島田昌典によるアレンジによって、聴き手の耳をより心地よく、楽しく振るわせる仕上がりに。穏やかな笑顔を浮かべながら軽やかにステップを踏む姿が鮮明に浮かぶボーカルも素晴らしい。

「島田さんが気分爽快でハッピーなアレンジをあげてくださったので、歌うのもとにかく楽しかったですね。フェイクでハジけすぎると、その後の落とした大サビで気持ちが抑えられなくなったりするので、気を確かに持って歌わないと楽しさに引っ張られすぎちゃう感じもありました。しかも曲の後半は息が足りなくなって、かなりしんどくなりますしね(笑)。そこはこれから歌い重ねていくことで、しっかり乗り越えて行こうと思います」

シングルの2曲目には、カルビー「ポテトチップス うすしお味」「じゃがいもチップス」CMソングとなっている「夏恋のライフ」を収録。aikoが19歳のときに書いたという3連のリズムで紡がれていく失恋の物語は、ティーンの頃に書かれたとは思えないほどに大人っぽさを感じさせるものでもある。

「まだオリジナルが5曲くらいしかなかった頃の曲なんですけど、当時の私は3連かシャッフルの曲しか作れなかったんですよね。一人暮らしを始めて間もなくて、毎日友達と三国駅という曲の歌詞にある“あそこのボーリング場”に行ったりしている時期に、初めて泣くくらいの失恋をして。そこでの想いを曲にしました。元々は『さよならのうた』というタイトルでしたね」

“夏が終わりを告げる/涼しい風が吹き始める”という今の時期にマッチする歌詞に寄り添うように、吹き抜ける風を感じさせるサウンドが聴き手を曲の世界へと心地よく誘っていく。この曲のアレンジも島田昌典が手がけている。

「島田さんの素敵なアレンジを受けて、アウトロ部分に新たに付け足したフレーズもありましたね。19歳の私は、“またちゃんと前を向いて歩き出そう”みたいな歌詞で曲を終わらせていたんですけど、もっと相手に対してはっきり『もう終わり』と突き放したい気持ちがあったので、“さよなら/もう逢わない”という歌詞をつけました。46歳の今の自分として(笑)。とは言え、この曲で書いた感情は今も昔もあまり変わっていないかな。恋愛に対しての素直な気持ちが凝縮された1曲だと思います」

そして、3曲目に収録されるのは「号泣中」。トオミヨウによる打ち込みを大胆に盛り込んだアレンジが、aikoのレパートリーとして斬新なインパクトを与え、デビュー25年目にしてもなお攻めていくaikoの姿勢を強く感じさせてくれる1曲となった。

「ギターとベース以外は打ち込みなんですよ。デモを作っている段階ではこんなアレンジになるとは思っていなかったんですけど、もらった瞬間に『めっちゃ好き!』って思いました。この曲は、“もうダメだ”と思いながらも、“でもやっぱり好きだよな”って思ったり、ころころと行ったり来たりしてるややこしい気持ちを、ややこしいメロディにのせてみました(笑)」

景色が大きく変わるラストのパートでのaikoの表情もまた、今までに見たことのないものとなっている。「こういうのは初めてなので、“イキッてんな”って思われたらどうしよう(笑)」と不安がるが、グルービィで若干のレイドバックを感じさせるボーカルは聴き手のカラダを間違いなくシビれさせることになるはず。

「最後のパートはフェイクを入れるためのアウトロとしてトオミさんが作っておいてくれたものだったんです。でも私は、そこでも歌いたいなと思ったので、ツアー中のホテルで歌詞とメロディを作って。事前に聴いてもらうことはせず、レコーディング当日に突然ぬるっと歌ったらみんなに『かっこいい』って言ってもらえてホッとしましたね。でも、みんなにどう受け止めてもらえるか、若干の不安はまだありますけど(笑)。この曲はトオミさんのアレンジの影響で、ちょっと影多め、気圧が低めな感じを意識して歌いました」

本作のリリース日である10月12日をもって、8月から続いているファンクラブ限定ツアー「Love Like Rock Limited vol.2」は一旦終了。来年2月に延期されていた5公演があらためて開催される。しばらく時間が空いてしまうが、その間にもaikoは精力的に動き続けていくようだ。

「今回のツアーはいろんなことがありましたけど、どこも中止ではなく延期にできたのは来てくださるみなさんがいてくれるおかげです。そんなみなさんが私の前からいなくならないように、ここからも必死のパッチで頑張り続ける気持ちは変わらないですね。もうすでにアレンジが上がっている曲もいくつかあるので、ここからはまた制作を進めることになるかな。早くみなさんに聴いてもらえるように頑張ります」

取材・文=もりひでゆき

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収録曲

1
果てしない二人
作詞/作曲:AIKO 編曲:島田昌典
2
夏恋のライフ
作詞/作曲:AIKO 編曲:島田昌典
3
号泣中
作詞/作曲:AIKO 編曲:トオミヨウ
4
果てしない二人(instrumental)
作詞/作曲:AIKO 編曲:島田昌典

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