質問不発に終わったが、垣間見た首相の本音 勝負メシはステーキの夜

有料記事岸田政権

松山紫乃、小木雄太、高橋杏璃
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 この時の岸田文雄首相の反応は違った。フンッと鼻で息を吐いて笑ったような表情を浮かべると、気色ばんで答えた。

 「済むはずはないと、済むとは思えないと、どうして思われるのか。ちょっと私はすぐにはわかりません」

 9月6日、首相官邸で行われた「ぶら下がり取材」。安倍晋三元首相の国葬の費用について朝日新聞の首相番が「現時点で示されているもので済まないのではないかという批判もあるが、どう説明を尽くしていくのか」とただしたのに対し、こう答えた。

番記者が見た首相

岸田文雄首相は10月4日で就任1年を迎えた。首相番は首相の一挙手一投足を追い、発言に耳を傾け、表情やしぐさに目をこらします。朝日新聞の首相番3人が見た首相を紹介します。

いらだちを見せた首相

 普段のぶら下がり取材では、首相は記者の質問にも丁寧に答えようとする姿勢を崩さない。逆に言えば、感情が伝わってくることは少ない。

 首相は前任の菅義偉氏と比べ、ぶら下がり取材を多用し、数が多い上、30分以上に及ぶ時もある。首相の「本音」をどう引き出すか。事前に質問を練り上げるが、一筋縄ではいかない。うまく切り返せずに時間切れとなってしまうことも正直、ある。ただ、質問が不発に終わっても、首相の表情から「本音」をうかがい知るときもある。

 9月6日は意外な反応だった…

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