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この作品「チーム決め」は「ウマ娘プリティーダービー」「オリジナルウマ娘」等のタグがつけられた作品です。
チーム決め/ユーカンの小説

チーム決め

4,994文字10分

第四話です。今回は、あの人たちとの出会い。
注意 一部独自設定を織り交ぜてます。

2021年9月25日 12:07
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「では、入部届は今週末までに提出をお願いします」
「起立、礼、ありがとうございました。」
教師が、教室をでていくと、生徒たちがそれぞれのグループで話始める。
「コントレイルさん!」
「ああ、タクトさん」
トレーニングへ行く準備をしていたコントレイルにデアリングタクトが近づいてきた。
「コントレイルさんは、入るチームって決まってるんですか?」
「いえ、まだ決めてません」
「そうなんですか。よかったら、これからチームのトレーニングを見学に行きませんか?私は、チームでトレーニングするというのもさっき知りましたので、全くチームというものが分からないので見に行こうと思って」
トレセン学園には、チームという制度がある。複数の生徒とトレーナーでチームを作り、トレーニングや指導を行うものだ。学園に入ったウマ娘は、最初は教官というトレーナーのもとで指導を受け、その後チームに入部したり、トレーナーからスカウトを受けるなどの道を行くことになる。
「それじゃあ、行きましょう。まずはどのチームを見学に行きますか?」
「そうですね……チームリゲルはどうでしょう?実績は抜きんでていますし、最大勢力といっていいチームです。チームというものを知るにはうってつけだと思います」
「さすが、コントレイルさんです!では、さっそく行きましょう!」
デアリングタクトは、コントレイルの手を取り教室を出ていく。コントレイルは、転ばないようにして、ついていった。

「次!ダッシュ10本!」
「はい!」
声を張り上げるトレーナーとそれに応えるウマ娘たちの声が練習場のターフに響く。
チームリギルは、数多くのウマ娘が所属しているためメインのトレーナーのもとにサブトレーナーが複数所属している。
「キャー、会長かっこいい!」
「エル先輩!グラス先輩!頑張ってー!」
「キャー、オペラオー様がこっち見た!何でかバラが舞ってるけどけどステキ―!」
練習場の周りにはすでに多くの見学者が詰めかけていた。ただ、ウマ娘を見たいだけで来ているのがほとんどのようだ。
「うわあ、皆さんの歓声すごいですね」
「シンボリルドルフ会長や、エアグルーヴ・ナリタブライアン両副会長、テイエムオペラオーさんなどスターが数多くいますから」
「では、ここにします?」
「いえ、まだ他のチームを見てみたいです。まだ時間はありますから」

 そこから数日間、さまざまなチームを見学していたものの、未だに二人はチームを決めあぐねていた。二人は夕暮れの学園を歩いていた。
「んん、どうしましょうかね?」
「すいません、私が決め切らないばかりに。タクトさんは、別に付き合わなくてもいいんですよ」
「いえ、全然迷惑ではありませんよ。私は、コントレイルさんと一緒のチームに入りたいだけですから」
「……ほんとに、私と一緒なだけでいいんですか?」
「ええ、私はどのトレーニング方法があってるか分からないですから、一日の長があるコントレイルさんが選んだのなら間違いは無いですし、コントレイルさんとのトレーニングは絶対楽しいですから」
コントレイルは照れて、ほほをかく。その時、
「あら、ひさしぶりね。コントレイル」
「え……!ディープさん!?」
二人の進む先にディープインパクトが立っていた。
「ディープさん!?なんでこんなところに!?」
「いま寮に帰るところだったんだけど、となりはお友達?どうも、ディープインパクトよ。コントレイルとは、昔からの知り合いっていえばいいかしら」
「初めまして、デアリングタクトです。コントレイルさんのルームメイトです。ディープインパクトさんの話は度々伺ってます。すごい方なんですよね」
「ウフフ、まあ私は天才だからね。ところで、二人は何か悩んでいたようだけど?」
「ああ……別にそこまで気にしなくていいと言いますか……その~」
コントレイルが恥ずかし気に否定するが、
「実は、チーム選びに悩んでまして……」
「タクトさん!?」
「チーム選び?詳しく聞かせてくれない?」
事情説明中……
「なるほどねぇ」
「もとは、私の優柔不断のせいですから」
「悩むのは誰もが通る道よ。まあ私は、今のトレーナーにスカウトされた身なんだけど」
ディープインパクトはちょっと考え込むと、
「チームスピカはどうかしら」
「チームスピカですか?」
「ええ、あそこは少数精鋭でアットホームな雰囲気だから、楽しくも成長あるトレーニングができると思うわ」
「そうですか、ありがとうございます。訪問してみます」
「気に入るといいわね。じゃあ、コントレイル、デアリングタクト、これからの活躍楽しみにしてるわ」
そういって、ディープインパクトはその場を後にした。
「親切な方ですね。ディープインパクトさん」
「ええとても……スピカか……」

翌日、二人はチームスピカの部室に向かった。
「ここのようですね。すいません」
コントレイルが扉をノックする。しかし、反応は無い。
「留守でしょうか?」
「でも中から物音はしますよ。鍵も開いているようですし、ちょっと覗いてみましょう」
「え!だめですよ。勝手に見ちゃ。」
「ちょっと覗くだけですから」
扉を少し開けたデアリングタクトは、少しいたずらな笑みを見せて中を覗き込む。コントレイルも仕方なく中を覗いた。
「トレーナー!お覚悟!」
「グワー」
「なんだあ、やる気かあ!」
「いいわ、受けて立つわ!」
「このシュークリーム美味しいですね、スズカさん」
「フフ、スぺちゃんほっぺにクリームついてるわ」
(地球儀を回し続けてる芦毛の美少女)
パタン
「……自由そうなのはよくわかりましたね」
「アレは、自由どころのはなしじゃないような……」
二人は、顔を見合わせる。
「えっと、どうしましょうか」
「今は、立て込んでいるようですし、後日伺いましょうか」
「アレ?君たちどうしたの?」
「「うわあ!」」
顔を近づけていた二人は後ろからの声に驚いて振り返った。そこには、三人のウマ娘が立っていた。手には、中身が詰まった袋を持っていることから買い出しから帰ってきたのだろう。
「ああ、えっと……」
コントレイルが慌てて答えられずにいると、
「まあ、新入生の方ですね!」
「もしかして、入部希望者かな?」
両側の少女が、続けて言う。
「あ、そう……そうです。ほんとは見学しようと来たんですけど」
「なんだ!ならそんなに縮こまらなくても、普通に見に来てよかったのに。ちょっと待ってて。みんな!新入生が見学に……ああ、なるほどね……」
最初に話しかけてきた鹿毛の髪の毛をポニーテールにまとめた少女が中に入ると、すぐに事情を把握した。
 しばらくして、
「こほん、いやー、さっきは見苦しいところを見せてすまない」
「いえ……お気になさらず」
「じゃあ、改めて自己紹介を」
「はい、サイレンススズカです」
「スペシャルウィークです!よろしくお願いします!」
「僕はトウカイテイオー!よろしくね!」
「メジロマックイーンですわ。以後お見知りおきを」
「オレはウオッカ。よろしくな」
「ダイワスカーレットよ。よろしくね」
「泣く子も黙るゴールドシップ様ってんのはアタシのことだ!」
「キタサンブラックだよ。困ったときは私を頼ってね」
「サトノダイヤモンドです。これからよろしくお願いしますね」
「で、俺が、チームスピカのトレーナだ。よろしくな」
チームスピカの自己紹介が終わり、二人に手番が回る。
「コントレイル……です」
「デアリングタクトです。よろしくお願いしますね、皆さん」
「さて、自己紹介も終わったし、さっそく練習風景を見てもらうか。何か気になるところがあれば、キタとダイヤに聞いてくれ。二人も新入生を頼む」
「はい」
「わかりました!じゃあ行こうか、コントレイルちゃん、デアリングタクトちゃん!」
「「はい!」」
チームスピカは練習場に向かうと、準備体操を済ませるとそれぞれのメニューに取り掛かる。少数精鋭といわれるも分かるように、全員が他のチームのトップレベルの実力を持っているように見える。
「すごいでしょ」
練習を見ていた二人にキタサンブラックが近づいてきた。
「ええ、皆さんすごい実力を持っているのが見てて分かります」
「うんうん、そうなんだよ。皆さんG1勝ってるのは当たり前で、連覇をしたり海外のレースに出たり、ほんとにすごい人たちの集まりなんだから。ほんとに憧れちゃうよ」
「そうゆうキタちゃんだって、G1を7勝もしてるでしょ。そろそろ自分のすごさに気が付かないと」
話しかけてきたのは、サトノダイヤモンドだ。
「そういうダイヤちゃんだって、有馬記念で私に勝ったから、十分すごいよ」
「でも、やっぱりキタちゃんがすごいよ」
「いや、ダイヤちゃんがすごい」
「キタちゃんがすごいの」
「ダイヤちゃん!」
「キタちゃん!」
「おいおいお前らいい加減にしろ!お前らの痴話げんかで新入生困らせんな!」
二人を止めに来たのは、ゴールドシップだ。
「あ、ごめんなさい、二人とも」
「つい、熱くなっちゃって」
「いえ……いいですよ。二人とも仲良しなのはよくわかりましたから」
「ええ……それに皆さんがどれほどすごいかもわかりましたから」
そんなこんなでチームスピカのトレーニングは過ぎていった。
「そういえば、どうしてスピカを見に来たんですか」
トレーニングを終え部室に戻った一同は、ゆっくり話をしていた。そこで、スペシャルウィークが聞いてきた。
「私たちは、ディープインパクトさんの勧めで来たんです」
「ええ!?ディープ!?」
トウカイテイオーが驚く。
「ディープって。二人目の無敗で三冠ウマ娘になったディープインパクトだよね」
「はい、そうです」
「あなた達、ディープさんとお知り合いですの?」
メジロマックイーンが聞く。それにデアリングタクトが、答える。
「私は、昨日まで面識はなかったんですが。コントレイルさんが、昔からディープインパクトさんに目をかけられていたんです」
「えええ!?」
スピカメンバーが驚愕し、一気にコントレイルに視線が集まる。
「ちょ!?タクトさん!それは言いすぎです!」
「ですが、昔一緒にトレーニングして、ディープインパクトさんお手製のトレーニングメニューをもらったんですよね?」
「それは!そうですけど……」
「ディープ先輩が目をつけてたということは、コイツかなりの逸材なんじゃないか?」
「トレーナー、これはチャンスよ。今のうちにスカウトすれば、活躍するかもしれないわ」
ウオッカとダイワスカーレットがトレーナーにささやく。
「まあ待て二人とも、みんなもいったん落ち着こう。コントレイル、できれば詳しい話を聞きたいんだがいいか?、話したくないんならこれ以上は聞かないが」
「……いえ、大丈夫です。お話しします」
コントレイルはディープインパクトとの関係について話した。
「小さいころの約束を果たすために、トレセン学園へ入学する。なんという感動話でしょうか」
「マックイーン、さすがに泣きすぎじゃない?」
「うるさいですわ、テイオー。これが泣かずしていられますか」
「別にたいした話ではないと思うんですが」
「いや、十分すごい話だぞ、これは」
トレーナーは、コントレイルにあきれ顔で答える。
「っと、もうこんな時間か。そろそろ帰るぞ」
「わあ、もう外真っ暗です。二人は栗東寮ですよね。私とスズカさんとで送りましょうか」
「私は大丈夫よ」
「「はい、ありがとうございます」」
「よし、じゃあスズカ、スぺ、二人をよろしくな」
「はい、まかしてください!」
「「スピカの皆さんありがとうございました」
「おう、縁があったらまた今度な」
「ぜい、来てくださいね、歓迎しますわ」
こうして、二人はスピカを後にした。
その後サイレンススズカやスペシャルウィークとも別れ、自室に戻った。
「楽しかったですね、スピカの皆さん」
「ええ、とても」
「……コントレイルさん、もう決めてますよね」
「……タクトさんは、いいんですか」
「ええ、私もあそこが好きになりましたから」
コントレイルが、一息つく。
「スピカに入りましょう」

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