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この作品「あなたとわたくし/他」は「ミラルビ」「ケイエスミラクル(ウマ娘)」等のタグがつけられた作品です。
あなたとわたくし/他/ニバリスの小説

あなたとわたくし/他

2,379文字5分

最近書いたミラルビのss、3本セットです。

2022年10月16日 23:11
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 あなたとわたくし

 ミラクルさんと、ずっとこのまま生きていけたらどれほど幸福なのでしょうか。私は愚かな願いと知りながら、自室のカーテンの隙間から、月を見上げます。本日は十三夜。栗名月とも呼ばれる日でもあります。
『月をじっと見つめて、願い事を何度も口に出すと恋が成就するのよ!』
 そう語ったあの魔法少女を名乗るウマ娘は、廊下で得意げに語っていました。なんだかその話がすごく、今私の心に強く残っていて。
 おまじないなど、馬鹿馬鹿しい。普段の私ならきっとそう言っていたでしょう。しかし、なんだか私は藁にも縋りたい気持ちで。私はじっと、月を見つめてみます。
「ミラクルさんと、ずっと一緒に過ごせますように。ミラクルさんと、ずっと一緒に過ごせますように、ミラクルさんと……」
「どうしたのルビー?」
 背後には、ミラクルさんが立っていました。
「! ミラクルさん、もうお帰りになられたのですね」
「うん。だって今日は月が綺麗だから、ルビーと一緒に見たいなって」
 私と、など言われてしまうと顔が熱を持ってしまいます。自惚れて、しまいそう。
「ねえルビー? 今日って『永遠の日』なんだって」
「え?」
「十月八日で『とわ』の日、らしいよ」
「……なんだか、ロマンチックですね」
「うん、だからさ」
 ミラクルさんは私の右手を握ると、微笑みます。
「できればずっと、ルビーと一緒にいたいなって、おれも思ってたんだ」
 私は恥ずかしさで頭が真っ白になります。
「い、いつから見ていらしたのですが」
「? 月をじっと見つめてるときからかな」
 最初から、でした。
「あの、お返事ですが」
「うん」
「……私のほうこそ、よろしいお願いいたします」

 月だけが、あなたと私の誓いを見つめる証人でした。

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