「縄文神楽」物語に誘う 八剱神社で奉納演舞
八剱神社の神楽殿で激しい踊りを披露する出演者たち
諏訪市小和田の八剱神社神楽殿で15日夜、亡き父母への思いをつづった書籍「母の紡ぎ歌」から生まれた舞台「縄文神楽 母の想書(おぼえがき)」の奉納演舞が行われた。アフリカンドラムが繰り返す激しいリズムとダンス、静かな語りが融合したステージを繰り広げ、境内に集まった人たちを物語の世界に誘った。
「縄文神楽―」は、著者で駒ケ根市出身の竹内知子さん=埼玉県=と、舞台監督の秋山豊さん=東京都=が協力して制作。ダンサーのJun Amantoさんが縄文人が憑依したような前衛的なダンスを表現し、民族衣装を着た女性たちがアフリカンドラムのリズムに合わせて全身を使った激しい踊りを披露した。
物語は、縄文時代にさかのぼって人間の心象風景を描きながら、現代に生きる竹内さんが独白する形で進んだ。母が生きた証しを残し、受け継いでいこうと決意する場面では、諏訪信仰と巡り合った竹内さんが諏訪湖の御神渡り(御渡り)に触れ、「一緒に居たい気持ちを知ってほしかったのでは」と連想した。
境内には女性や若者を中心に約40人が集まり、リズムに合わせて体を動かしたり、手をたたいたりして楽しんでいた。
公演は16日、同市赤羽根の古民家風レンタルホール「ビオレホール」でも行われた。