新幹線はいつまで「紙の切符」なのか? 他国はeチケット化、取り残される日本の特殊事情とは

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日本で新幹線に乗る場合、インターネット予約もできるものの駅の窓口などで乗車券を発券しなくてはならない。何となく受け入れている現行のシステムだが、世界各国と比べると日本は遅れているとも言えそうだ。

異質な日本、今後も旧態依然のままか

チェコの車内コンタクトレス券売機。タッチパネルで希望の券種を押してリーダーにカードをかざすだけ(画像:橋爪智之)
チェコの車内コンタクトレス券売機。タッチパネルで希望の券種を押してリーダーにカードをかざすだけ(画像:橋爪智之)

 都市の中に設置されたビーコンで、移動する位置を把握し、利用した交通機関分だけ銀行やカードから自動的に引き落とすというこの仕組み。非常に画期的なシステムで、すでに他の国でも導入を計画している都市があるという。

 しかし開発担当者に話を聞いたところ、日本は制度や鉄道システムそのものに課題が多く、こうしたシステムを導入することは現時点では難しいとのこと。同社としても、特に積極的に日本市場へ導入を目指すということはなく、主に海外への事業展開を考えているようだ。

 日本の鉄道業界は、島国の中で独自の進化を遂げてきたため、非常に特殊なシステムとなっている。日本人は世界の鉄道を「変わっている」と思うかも知れないが、地球規模で見たとき、実は日本こそ他から見て異質ということなのだ。

 JRが音頭を取り、チケット方式の抜本的な改革を進めようという話でも持ち上がらない限り、これからも「ネットで予約、窓口受け取り」という、旧態依然としたシステムのまま変化することはないだろう。