新幹線はいつまで「紙の切符」なのか? 他国はeチケット化、取り残される日本の特殊事情とは

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日本で新幹線に乗る場合、インターネット予約もできるものの駅の窓口などで乗車券を発券しなくてはならない。何となく受け入れている現行のシステムだが、世界各国と比べると日本は遅れているとも言えそうだ。

欧州、QRコードをかざすだけ

チューリッヒ中央駅の窓口の「整理券」。窓口に並ぶことは大きく時間をロスすることに繋がる(画像:橋爪智之)
チューリッヒ中央駅の窓口の「整理券」。窓口に並ぶことは大きく時間をロスすることに繋がる(画像:橋爪智之)

 筆者(橋爪智之、欧州鉄道フォトライター)がこのような強い口調で苦言を呈するのは、今筆者が住んでいるヨーロッパでは、余程の事情がない限り、窓口や券売機へ足を運ぶことが無くなっているからだ。

 ネット予約ができるという点は日本と大差ないが、予約したら登録したメールアドレスにPDFでeチケットが送られてくる。eチケットにはQRコードが付いており、これをA4の紙で印刷すれば駅の窓口へ行く必要すらなく、そのまま列車に乗れば良い。

 検札の際、車掌の持っている端末にQRコードをかざせば、予約の有無や乗車区間などが表示される仕組みだ。

 さらに印刷するのが面倒なら、スマートフォンでPDFのeチケットを画面に表示して、QRコードを表示することができるなら、印刷すら不要だ。

 今どきのヨーロッパの鉄道は、各国ともこうしたeチケット化が進んでおり、そのため駅の窓口は、スマホを持っていない人や端末操作の苦手なお年寄りのために残されているようなものだ。

 筆者も、アプリで予約できない特殊な乗車券を購入する場合を除き、窓口へ立ち寄ることはほとんどなくなった。

 断っておくが、こうしたeチケットはドイツやフランスなど、鉄道業界でも先進国と呼ばれている国だけの特殊なものではない。