いまだ源実朝(柿澤勇人)と千世(加藤小夏)との間に世継ぎの誕生がなく、気にかける政子(小池栄子)と実衣(宮澤エマ)。義時(小栗旬)は、御家人たちが謀反を起こさぬように政の仕組みを改める。しかし、傲慢なやり方に三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)らが不満を募らせていた。一方、泰時(坂口健太郎)は慣れない和歌に悪戦苦闘し、源仲章(生田斗真)に相談を持ち掛ける。そんな中、成長した公暁(寛一郎)が……
2022年10月16日(日)
- 午後8時~
- 午後6時~
再放送
2022年10月22日(土)午後1時05分~
これまでの放送をご紹介します
放送前に出来事や背景などをかいつまんで説明する“前説”
【監修】時代考証・木下 竜馬
源実朝と和歌
建仁3年(1203)9月に鎌倉殿・征夷大将軍となった源実朝。『吾妻鏡』によると、実朝は元久2年(1205)4月12日に十二首の和歌を詠み、同年9月2日には後鳥羽上皇の親撰ともいえる『新古今和歌集』を京から取り寄せたと記されています。
古代・中世の人々にとって、政治と文化は切り離すことのできない関係でした。後鳥羽上皇の第3皇子である順徳天皇が著した故実書『禁秘抄』には、天皇が収めるべき芸能・教養として、第一に学問(漢籍による政道追究)、第二に音楽、第三に和歌と挙げられています。当時は楽器を奏でる音と和歌を詠み上げる声により神仏と交感することで、天下泰平・国土安穏を実現することができると考えられていたため、為政者である貴族たちは音楽と和歌の習得に励んでいました。
実朝が和歌を詠み始めたのは、朝廷と渡り合わなければならない幕府のトップ・鎌倉殿として、必要不可欠なことでした。