北アルプス白馬三山を映す鏡 標高2000メートルの八方池でしゅんせつ作業

水底の土砂を土のうに入れる参加者たち

 白馬村の八方区や地元観光協会でつくる八方尾根自然環境保全協議会は11日、八方池(2060メートル)の底にたまった土砂を取り除くしゅんせつ作業を16年ぶりに行った。晴れた日には水面に白馬三山が美しく反射する人気スポットだが、雨水と一緒に流れ込んだ土砂が水底にたまってしまい、景観を損ねつつあったという。冷たく強い風が吹き荒れる中、村職員らを含む70人ほどで手分けし、土のう500袋分の土砂を集めた。

 来年以降も続ける計画で、今回は池の南側で作業。長靴を履いて池に入り、粘土質で固くなった泥をスコップで掘り起こして土のうに詰めた。時折、雨に見舞われながらも協力して作業を進め、周囲の観光客は「ありがたい」「素晴らしい」と感心していた。

 同協議会は長野冬季五輪があった1998年に発足。高山植物が根付く基盤となるマットを敷くなど、毎年この時季に八方尾根の自然保護活動を続けている。本年度の会長を務める旅館業の太谷和久さん(60)は「環境は観光資源でもあり、何より私たち自身の財産。自分たちの手で守っていきたい」と話した。