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(初のロングライドに向けての下見ライドまでやっていた夏)
初めてクロスバイクという物を買ってからブログを始める頃までの約1年間の思い出話その3。
1年前までは榛名山を車で通る時にクライマーを見かけては「何この人達?部活?」と訝しんでいた僕でしたが、気づけばその中の一員になり、必死になり、高揚し、悩んで、そこから少し逃げます。
逃げた先もまあ、自転車なわけなんですが。
逃げ道を探してまた過酷な道を見つけてしまった事
8月。
伸びないタイムやフォーム、ポジション、ペダリング、初心者なりにそんなあれこれの迷子になり、どこか遠くへ行っちゃいたくなりました。
趣味としての自転車を始めて約9ヶ月、早朝まだ夜も明けきらない頃に出発して、日が沈むのを眺めながら帰路に着くんです。
なんかいいじゃないですかそういうの、アドベンチャーで、そういうのがしてみたかったんです。
まとまった休みも取りやすい時期だったので、お盆休みに照準を合わせて北関東近郊のロングライドコースを調べてみる事に。
そしたら当然ぶつかりますよね、渋峠に。
「死ぬまでに見たい絶景コースベスト3」みたいな記事に必ずと言っていいくらい入ってます。
しかし自宅からだと片道で100km、獲得標高だってなかなかのもので2000m越えてきます。
「意外と近いな」とは思いましたがそれでも100km、往復で200km。
果たしてそんな事本当にできるんだろうか?
とりあえず100km走ってみて、朝家を出て昼までの4〜5時間で帰ってこられたら、まあ1日で200kmはいけるんじゃね?っていうゆっるゆるの目安を立てます。
自宅から利根川CRをひたすら南下していくと利根大堰というデッカい水門橋がありまして、その辺がちょうど50km地点。
(利根大堰手前にある福川水門も見上げるほどデカい)
ずっと平地なのでけっこう頑張ってみました、約4時間、25km/hペース。
それなりに疲れたけど、休み入れてもっとペース落とせばいけなくはないだろうと判断。
この夏、クロスバイクで森林限界を突破して国道最高地点へ行こう!
そう決めました。
逃げた果てで出会った名もない人や絶景の事
決めたその日から計画を立て、準備は万端でお盆を迎えます。
しかしまあ雨、ずっと雨、2017年のお盆休みは呪いのような雨がずっと降っていました。
しかも渋峠に続く道では土砂崩れまで起きてました。
完全に死んだ目でNHKの天気予報を見ている僕に「さすが」と嫁。
さすが雨男、と言いたかったのでしょう。
結局雨が止む事はなく、不貞腐れたまま休みが明け、8月が終わります。
で9月。
もうここしかない、ここで行く、行きます、翌日仕事とか関係ねーし!行くったら行く!
9/3に決行、夏休み延長戦です。
行って良かった、ほんっとうーーに良かった。
殺生ヶ原から異世界に迷い込み、霧が立ち込めたり太陽が燦々と照ったり目まぐるしく変わる空。
森林限界を越えてからの景色は、これまで見たどこでもない世界でした。
下界では30℃を越えようかというのに山頂付近では寒さに凍え出し。
暖を取り空腹を埋めようとレストハウスで食べたチーズパンとコーヒーがバカみたいに美味い。
絶対そこらの喫茶店で出てきても「うん、普通」ってパンとコーヒーなのにアホみたいに美味い。
『ここより上の地面がない』という「いや、そりゃそうでしょ」な当然の事実が、山頂に近付くにつれて実際の景色として現れてくるインパクト。
息を切らせながらゆっくりゆっくりそこに近付いていき、「死ぬ時はこんな風に天に昇りたい」と本気で思いました。
それから、草津への登り口手前で出会ったおじさんローディー。
「ここまで自走?」と聞かれてそうだと答えると「すごいねー」って言ってくれたけど、おじさんの方がずっと速そうでした。
白根の入り口で追い抜いたミニベロのおじさん。
ミニベロで来るなんてすげーな!と思ってたら、途中で追いついた時に覚えててくれて嬉しかった。
他にも、抜いたり抜かれたりを繰り返してたビアンキのカップル、くたばりそうになってた時に下りから「あと少しー!」って声かけてくれたガチっぽいローディー、後部座席の窓から「がんばってくださ~い!!」って通り過ぎていったバカっぽい学生連中、石碑で「写真撮ろうか?」って声かけてくれた男性。
ただ1人、自転車で高くて遠い所に行こうとしてただけのおじさんが、いろんな人に持ち上げられて、引っ張り上げられてここまでやってきたような感覚に当てられました。
そんななんやかやが数時間のうちにズァーッ!と自分を通り抜けていく体験。
その後も1週間くらい、ぽや~っと9/3を思い出すだけの日々でした。
1つめのロードバイクを買ったらやりたい事
ロードバイク欲しい、ハルヒルコース60分切ったら買おう。
そう考えてはいましたが、じゃあロードバイク買ったら何する?ってのはそれまで漠然としたイメージしかありませんでした。
が、渋峠へ行った事によって「今度はロードバイクであそこに行こう、次は雪壁の見られる季節に行こう、でも夏にもやっぱり行きたい、まだ何回でも行きたい」そう明確に思うようになりました。
とりあえず雪壁の季節は4月末~5月頭、ちょうどGWの頃です。
9月なんて、うかうかしてたらあっという間に冬になってしまう、ぼんやりしてる時期じゃない!
そんな風にして、再びハルヒル60分切りへ戻っていく事になりました。
(続きます)
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