諏訪湖の遊覧船「すわん」が一時漂流 エンジントラブルか 当面運航停止

モーターボートにえい航され桟橋に戻った遊覧船「すわん」=11日午前10時44分、諏訪市

 11日午前9時45分ごろ、諏訪湖で運航していた遊覧船「すわん」のエンジンが停止し、一時漂流した。運航している諏訪湖観光汽船(諏訪市)がモーターボート2隻でえい航し、約1時間後に桟橋まで戻った。乗客18人にけがはなかった。同社は当面、遊覧船の運航を停止。諏訪署が事情を聴いている。

 すわんは定員約180人。船体は45年ほど使用しているが、約10年前にエンジンを交換していた。これまでにトラブルはなかったという。通常の遊覧は別の「スワコスターマイン号」(定員150人)を使用しているが、整備点検中のため9月25日からすわんを運航していた。

 同社によると、すわんは出航して15分ほどしてエンジンが停止。乗客によると、ライフジャケット着用の指示があったといい、富山市から観光で訪れ乗船していた男性(64)は「えい航中は不安な気持ちと、なかなか桟橋に戻れない憤りの気持ちがあった」。大阪府から夫婦で訪れた女性(65)は「湖の真ん中で風任せのようになってしまったが、大きな混乱はなかった」と話していた。

 同社は11日の運航を取りやめ、諏訪署などに連絡。船体を点検した。なぜエンジンにトラブルが起きたか調べを進めるとし、船全体を総点検して対策を行った上で運航を再開する方針。三角秀徳営業支配人は「すぐに再開すれば不安に思う人もいる。安心して乗ってもらうためにも万全な態勢を整えたい」とした。

 この日は国内客向けに「全国旅行支援」がスタートしたばかり。一般社団法人諏訪観光協会(諏訪市)の浅井学(さとる)専務理事は、現時点で情報が入っていないとしつつ「遊覧船は諏訪湖の大事な楽しみ方の一つ。一日も早い再開を望む」と話している。

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