プーチンが密かに準備を進める「水中からの核攻撃」
Russia buying underwater weapons as concerns of nuclear submarines grow
米軍のある高官(匿名)は10月3日に米国防総省が開いたメディア向けの背景説明の中で、ロシアの核兵器の動きについて特に報告が必要な情報はないとし、「アメリカ軍の核態勢に変更はない」と述べた。また米国防総省のある当局者は本誌に対して、国防総省は(ロシアが)水中無人機の開発を進めているという報道を承知していると述べたが、それ以上はノーコメントとした。
米海軍協会(USNI)は、9月22日と27日にベルゴロドがバレンツ海のコラ半島(ロシア北西部)の近くを航行しているのが確認されたと報じた。
USNIによれば、ロシア海軍のニコライ・エフメノフ総司令官は7月に発表した声明の中で、「ベルゴロド潜水艦は、ロシアが世界の最も遠く離れた場所にある海でさまざまな調査や幅広い研究活動、救助活動を行うための新たな機会を切り開くものだ」と述べた。「同潜水艦は、さまざまな科学的な問題を解決し、捜索・救助活動を展開するように設計されており、深海用の救助船や自律型無人機も搭載可能だ」
発射実験はプーチンの「決意表明」
専門家はポセイドンについて、2027年にロシア海軍に配備される予定だとしているが、米国防総省情報局の元当局者であるレベッカ・コフラーは本誌への寄稿の中で、その発射実験から、ロシア政府の心理状態が読み取れると述べた。
「発射実験は、プーチンがウクライナ戦争において今後、ウクライナの領土奪取や西側諸国の撃退をさらにエスカレートさせていく準備があるという明確なメッセージだ。プーチンは、自分にとってもロシアにとっても、これは負けられない戦争だと考えている」とコフラーは述べた。「プーチンが引き下がることは絶対にない。彼はただ戦略を変更しているだけだ」
2022年10月18日号(10月12日発売)は「アフター・プーチン」特集。戦況の悪化で「退場」がささやかれるプーチン。知られざる後継候補と「戦後」のロシア、国際秩序の姿とは?