NHK高校講座

現代の国語

Eテレ 隔週 月曜日 午前10:00〜10:20
※この番組は、2022年度の新番組です。

現代の国語

今回の学習

第1回

自分を伝え、相手を知ろう

  • 文教大学教授 藤森 裕治
学習ポイント学習ポイント

自分を伝え、相手を知ろう

自分を伝え、相手を知ろう
  • 向井慧さん
  • 生徒

「現代の国語」という教科は、実社会や実生活のさまざまな場面で使える言葉の力を磨いていく教科です。
番組のMCは、パンサーの向井慧さん。
1年間一緒に学ぶ生徒は石岡飛鳥さん、鈴野いおりさん、アイビー愛美さん、しゅうせいさんの4人です。

第1回のテーマは「自分を伝え、相手を知ろう」。
今回は、きょう初めて会った4人にインタビューと他己紹介をしてもらいます。
他己紹介の「他」は、他人の「他」で、自分以外の人を紹介するのが他己紹介です。
その人らしさに迫った他己紹介を目指しましょう!

インタビューしよう!
  • 藤森先生
  • インタビューのポイント

まず、他己紹介のための情報収集としてインタビューをします。
手がかりとして、4人には好きなことを3つ書き出してもらいました。

あすかさん「絶叫アトラクション、連ドラを観ること、音楽を聞くこと」
いおりさん「歌、体を動かすこと、人と過ごす時間」
アイビーさん「ダンス、和太鼓、恋愛シミュレーションゲーム」
しゅうせいさん「メイク、アニメ、ゲーム」

ここで、講師の藤森裕治先生からアドバイスです。
今回、インタビューをするときには次の2つのことを意識しましょう!
(1)相手に関心を持って聞く
(2)相手の個性を引き出す


  • あすか
  • いおり

あすかさん&いおりさんのペアから始めます。制限時間は5分です。
あすかさんが好きなものは「絶叫アトラクション、連ドラを観ること、音楽を聞くこと」でした。

いおり「音楽ってどういうジャンルの音楽聞いたりするんですか?」
あすか「特に好きな曲が、シーズさんの『追い風』っていう曲で…」
いおり「あっ、わたしも好きです」
あすか「ほんとですか?なんか『追い風』って、聞いてると、自分の背中を押してくれる感じがあって、落ち込んだときとかも、聞いたら元気が出るなって」
いおり「すごい分かります、わたしもです」
いおり「他には、どんなの聞いたりするんですか?」
あすか「他ですか?他は結構アイドルの曲とか聴きますね」

ここで次の質問が思い浮かばなくなってしまったいおりさんですが、あすかさんの個性を引き出す質問を続けました。

いおり「学校では どういう性格って言われたりしますか?」
あすか「性格ですか…そうですね、仲のいい友達とかだったら、もうめちゃくちゃはしゃいでますね」
いおり「そうなんですね」

  • あすか
  • いおり

次に、あすかさんがいおりさんにインタビューをします。
いおりさんが好きなことは「歌、体を動かすこと、人と過ごす時間」でした。

あすか「体を動かすことが、好きなんですか?」
いおり「はい、大好きです」
あすか「例えば、何します?」
いおり「わたし今、学校でバレーボール部に入ってるんですよ」
あすか「へえ」
いおり「あとは、えっと…水泳だったり、空手だったり、あと、ドッジボールを1か月2か月ぐらいですかね、すごいみんなで本気でやってた時期がありました」
あすか「へえ、すごいですね。へえ、なるほど」

  • アイビー
  • しゅうせい

次はアイビーさん&しゅうせいさんのペアです。
まず、しゅうせいさんがアイビーさんにインタビューをします。
アイビーさんが好きなことは「ダンス、和太鼓、恋愛シミュレーションゲーム」でしたね。

しゅうせい「恋愛シミュレーションゲームは、どういった経緯で好きになったとか?」
アイビー「あまり自分で恋愛することがなくて、っていうか、恋愛したいって思わなくて。誰かが恋愛するゲームがめちゃめちゃ好きで、それで、“あ、イケメンの人!”って思いながら、ゲームしています」
しゅうせい「イケメン、めっちゃいいっすよね」
アイビー「いいですね( 笑)」
しゅうせい「なんか、めっちゃ目の保養になって」

  • アイビー
  • しゅうせい

次に、アイビーさんがしゅうせいさんにインタビューをします。
しゅうせいさんが好きなことは「メイク、アニメ、ゲーム」でしたね。

アイビー「私すごい気になってるんですけど…(3つの好きなことの1つに)メイクって書かれてるじゃないですか。メイクってどんなメイクをするんですか?」
しゅうせい「基本的にやるのは、ナチュラル系とか、韓国系とか」
アイビー「韓国ですか」
しゅうせい「はい」
アイビー「めっちゃいい」

インタビューをまとめよう
  • ホワイトボードを使って他己紹介
  • 強調したい部分は吹き出しに書く

インタビューで集めた情報を整理して、他己紹介の準備をします。
今回は、ホワイトボードを使い、一番強調したい言葉を吹き出しに書いてもらいました。

ここで再び、藤森先生からアドバイスです。
“相手がアピールしてもらいたいと思っているだろうな、と思う部分”を意識しながら発表しましょう。
そして!それより大事なのはユーモアです!

あんな言葉 こんなコトバ
  • 大丈夫
  • 使い方に気を付けよう!

「カラオケ行かない?」と友だちに誘われたので、「大丈夫」と答えました。

この「大丈夫」という返事、“行く”という意味にも“行かない”という意味にも取れますよね。
最近は、誘いに対する「えん曲な断り」としても使われることが増えています。
「誘われたのに連絡がこない…」なんてことにならないように、気をつけてくださいね!

他己紹介をしよう
  • しゅうせいの発表
  • アイビーの発表

それでは、いよいよ他己紹介をしてもらいます。

最初にしゅうせいさんがアイビーさんを紹介します。

しゅうせい「アイビーさんの紹介をします。高校2年生、17歳、和太鼓を3年間やっていたそうです。そして、ダンスを和太鼓よりも、倍近く、6年間習っていたそうで、ジャズとコンテンポラリー、あと、こちらのヒップホップが一番得意らしです。、その中のチャールストンという動きが一番自信があるそうです。そして、普段そんなに恋愛をしないので、恋愛シミュレーションゲームでイケメンを落として楽しんでいるそうです。以上です」

しゅうせいさんは、アイビーさんの特技「ヒップホップダンス」を強調しました。イケメンを落とす話も、忘れませんでしたね!

次にアイビーさんがしゅうせいさんを紹介します。

アイビー「しゅうせいくんは18歳で、メイクが好きで、主にナチュラル系や韓国系メイクをするらしいです。特技で、写真を見せるとそのメイクができるらしいです。リップやパウダーファンデーションがお気に入りで、リップはいっぱいもっていると言っていました。それで、戦闘ゲームが好きで、回復アイテムやライフル系の武器が好きらしいです。わたしは、しゅうせいくんにはメイクやゲームなど、多彩な趣味があるってことを知れました。これで終わります」

アイビーさんは、イケメンを落とす話を紹介されて「その通り、間違いないです」と笑顔で受け止めました。
一方、「多彩な趣味がある」と紹介されたしゅうせいさんも、「インタビューで言ったことを、正しくかみ砕いてもらえた」という感想でした。

お互いのことが少し分かったようです。
これから1年間かけて、さらに深く知り合えるといいですね!

  • いおりの発表
  • あすかの発表

それでは次のペアの他己紹介です。

いおりさんがあすかさんの紹介をします。

いおり「あすかくんの紹介をしたいと思います。あすかくんは高校2年生17歳で私と同い年です。そして、『追い風』だったり、『シンクロニシティ』という曲が好きで、あと、ジェットコースターも大好きだそうです。そして、ひとつのことに熱中してしまったりとか、あと、ポジティブな性格だそうです。私は、これを受けて、あすかくんは、「スピードスター男子!!」(と名付けました。)ジェットコースターも好きで、追い風も好き、ということで、なんかすごく、スピードが出ているのが好きなのかなと思いました。以上です」

いおりさんは、キーワードを並べて、図や絵をちりばめました。
そして、あすかさんのキャッチコピーまで作ってくれました。

次にあすかさんがいおりさんを紹介します。
飛鳥「いおりさんは自分と同じ高校2年生です。おしゃべりがすごく好きで、聞くのも好きらしくて、話していてすごく親近感がわきました。体を動かすのが好きらしくて、過去にバレーボール、空手、ドッジボールの経験があるそうです。そこで結構アクティブな一面が、あるなっていうふうに思いました。以上です」

あすかさんは、自分の感想をつけ加えながら他己紹介をしてくれました。
  
他己紹介を終わっての二人の感想です。
飛鳥「紹介されるって嬉しいなと思いました」
いおりさん「アクティブっていう風に捉えてくれたのが、きれいにまとめてもらってすごく嬉しかったです」

  • 生徒4人
  • 紹介する側の個性も見える

他己紹介、それぞれのキャラクターが出ていましたね。
特に、吹き出しでみんなが貼ったパネルに注目すると、自分自身がその人のどこに関心をもったのかということが分かります。

藤森先生「言ってみれば、間接的な自己紹介もしていたことになるわけです」

例えば…
相手の話を、「多彩な趣味がある」というポジティブな言葉でまとめた、アイビーさん。
あすかさんは、「親近感」という言葉で、相手への共感を伝えました。
このように、他己紹介をする側の個性も、垣間見ることができますね。

  • 先生と向井さん
  • 藤森先生

向井さんが誰かを紹介するときに気を付けていることを聞いてみました。

向井「こうしてもらったら嬉しいなっていう自分の経験からですけど…ぼくを紹介してくれるときに、結構いろんな方に『いつもにこにこしていて』とか『人当たりもいい人なんですよ』とか言われることもあるんですけど、それ言われちゃうと『そういなきゃいけない』って思っちゃうんですよ。だからなるべく、人を紹介するときは『こんな一面もありました』っていう紹介をしたいかなって。意外な一面に気づいてもらえると嬉しいじゃないですか」

たとえば…今日の他己紹介でも、そんな場面がありました。
初めての収録で緊張していたいおりさんを、あすかさんは「アクティブ」と紹介しました。それはいおりさんにとってはこの先やりやすくなる、うれしい紹介だったそうです。

さて、これで第1回目は終了です。
最後に藤森先生から、「現代の国語」で重要な3つの言葉の紹介がありました。
自分を知る言葉
他者を知る言葉
世界を知る言葉
心にとめておいてくださいね!

次回もお楽しみに☆

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