世界からポリオ(小児麻痺)を根絶するゴールが見えてきました。
1980 年の天然痘の世界根絶宣言に続き、「二つ目の伝染病の根絶」となります。
世界におけるポリオの感染者数は昨年2021年になんと5人となりました。2020年にはナイジェリアからポリオ根絶されアフリカはポリオフリーと認定されました。残すところパキスタンとアフガニスタンと2カ国となります。
日本はポリオ根絶に長年取り組んできています。インドネシアに安価なポリオワクチン工場を作り、世界の子供たちにポリオワクチンを配ってきたのです。実際にインドネシアの工場にうかがいましたが、日本に対する敬意の大きさを感じました。
本日はユニセフでポリオ根絶チームの統括責任者をしている山口郁子さんからも講演いただきました。
向かって右側が山口郁子UNICEFポリオ根絶統括責任者/世界ポリオ根絶イニシアティブ議長
真ん中が元アフガニスタン大統領府上級顧問サウバヌス・ウリシュミン博士
またポリオ根絶に取り組むビール&メリンダ・ゲイツ財団のプレゼントであるクリス・エライアス氏もメッセージを送ってくれました。日本に対する期待の高さがうかがえます。
わが国は世界のポリオ根絶に対し大きな貢献をしており、特にナイジェリアに対しては約80億円の円借款をゲイツ財団と共に行い、ナイジェリアのポリオ根絶、アフリカのポリオフリーに大きな貢献を果たしました。
いよいよ残す2カ国はパキスタンとアフガニスタンとなります。パキスタンには藤末を団長とする議員団を派遣しポリオ担当の大統領補佐官と議論を行い、無償協力を始めとする支援を進めてきました。その効果が大きく目に見えてきています。
また本日はアフガニスタンの元大統領府ポリオ根絶上級顧問であるサウバヌス・ウリシュミン博士もお越しいただき、タリバン政権下でも、急激に進み始めたポリオワクチンの接種を説明してもらえました。
昨年11月からワクチンキャンペーンが始まり、85万人の子供たちがポリオワクチンの接種を受けました。そのうち24万人がはじめての接種となりました。今後急速にワクチン接種を進められる状況になっています。
長年パキスタンとアフガニスタンがポリオワクチンが届かない地域でしたが、アフガニスタンの政治が安定すれば今後ワクチン接種を急激に進めていくことが可能となります。
あと一歩でありますが、ポリオが再感染しないように守りながらワクチンの接種を進めると言う今までと違うモードに入ってきます。国際機関や他国と協力しながらポリオの根絶を実現しようと「ポリオ根絶戦略」をみんなで話し合いました。
ウリシュミン博士からはアフガニスタンもだいぶよくなったのでぜひ現場を見てほしいと誘っていただきました。
落ち着いたらぜひ議員の仲間達と一緒にアフガニスタンのポリオワクチン接種の現場を視察させていただきたいと思います。そして日本の貢献を現地の方々に知っていただきたいと考えます。
「全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ平和に生存する権利を有する」この日本国憲法前文にある理想を一歩一歩実現していきます。