宅建の難易度は大学入試や偏差値でいえばどの位なのでしょうか?
宅建資格に興味はあるものの、難易度についてあまりイメージが湧かない方にとって一般的な大学入試や偏差値でみることができればイメージを掴みやすいですよね。
そこで、宅建試験の合格率の傾向を紹介するとともに、大学入試や偏差値にたとえて難易度を解説していきます。
他資格と合格率や勉強時間を比較した難易度ランキングも紹介していくので宅建試験の難易度のイメージとして参考にしてみてください。
宅建試験の難易度と合格率
宅建試験の難易度は、最難関の試験とまではいかないものの、決して簡単ではない難しい試験です。
例年の合格率は例年15%~17%となっており、しっかりとした勉強・準備をしておかないと、合格することが難しい試験といえます。
『令和3年度 宅地建物取引士資格試験実施結果の概要』によると令和3年度の宅建試験では、10月実施分の合格率は17.9%(受験者数209,749人 、合格者数37,579人)、12月実施分の合格率は15.6% (受験者数24,965人 、合格者数3,892人)という結果でした。
過去の宅建試験の合格率の推移は、以下のようになっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(全体) |
2021年度(令和3年度12月実施分) | 24,965人 | 3,892人 | 15.6% |
2021年度(令和3年度10月実施分) | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% |
2020年度(令和2年度12月実施分) | 35,258人 | 4,609人 | 13.1% |
2020年度(令和2年度10月実施分) | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% |
2019年度(令和元年度) | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% |
2018年度(平成30年度) | 213,993人 | 33,360人 | 15.6% |
例年の受験生は20万人以上であり、そのうち合格者は3万人程度と多くの方が不合格となっています。
また、宅建試験の合格に必要な勉強時間は300~400時間ほどです。
しっかり勉強して備える必要がある試験といえます。
関連コラム:宅建の難易度ランキング!他資格と合格率や勉強時間を比較
宅建試験の難易度を大学に例えると?
資格試験の難易度と大学入試の難しさは、比べられるものではないという前提がありますが、あくまでひとつの目安としてイメージが湧きやすいように参考にしていただければと思います。
資格の難易度と大学入試の難易度を、以下の表にまとめました。
大学 | 偏差値 | 試験 |
東大 京大 | 68~ | 司法試験・予備試験 |
早慶上智 | 65~67 | 不動産鑑定士・司法書士・弁理士 |
マーチ | 60~64 | 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士 技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー |
日東駒専 | 55~56 | 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター |
※上記の表は、資格試験の合格に必要な勉強時間をもとに作成しています。宅建の難易度をわかりやすく知っていただくためのイメージとして参考にしていただけましたら幸いです。
宅建試験の難易度を大学入試に例えてみると、あくまでイメージにはなりますが早稲田大学や慶応大学、青山学院大学の入試よりは、難易度が高くないと考えられます。
大学に例えるならば、日本大学、東洋大学、駒澤大学などの大学入試と同等の難易度と考えられます。
これらの大学は難関とはいえないかもしれませんが、しっかり勉強しなければ合格できない大学です。
また、宅建試験とよく比較される他の不動産資格には、マンション管理士や管理業務主任者といった資格があります。
マンション管理士試験の難易度を大学に例えると中央大学や明治大学、法政大学と同じ位の難しさであり、マンション管理士の方が宅建よりも難易度は高いといえます。
宅建と管理業務主任者の難易度は、近いところにあるといえるでしょう。
次に、宅建と難易度を比べられることの多い行政書士と比較していきます。
行政書士の難易度は、宅建よりもやや高いと考えられます。
宅建試験の難しさを偏差値で表すとどのくらい?
資格の難易度を大学の偏差値を参考にして偏差値で表したものが以下の表です。
大学 | 偏差値 | 試験 |
東大 京大 | 68~ | 司法試験・予備試験 |
早慶上智 | 65~67 | 不動産鑑定士・司法書士・弁理士 |
マーチ | 60~64 | 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士 技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー |
日東駒専 | 55~56 | 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター |
司法試験といった最難関の試験は偏差値68以上になるようなものであり、難易度が非常に高いことが分かります。
司法書士や弁理士のような資格も偏差値が高く、65以上と高い偏差値を誇ります。
行政書士や中小企業診断士といった資格は宅建より偏差値が高く、偏差値でいえば60以上あります。
宅建は管理業務主任者と同じく偏差値55~56程度に位置しており、他の資格と比較すると難易度は下がります。
そのため他の難関といわれる資格試験と比較すれば、宅建は合格が難しくないでしょう。
とはいえ決して簡単というわけではありません。しっかりと宅建の勉強を行い、準備を行う必要があります。
合格率でみる宅建の難易度ランキング
次に、「合格率」の点で、宅建試験とよく比較される国家資格と直近の合格率を並べてみると以下のようになりました。
資格名 | 合格率(例年) |
司法書士 | 3~4% |
社労士 | 6~7% |
マンション管理士 | 8~9% |
行政書士 | 11~15% |
宅建士 | 15~17% |
管理業務主任者 | 20~30% |
宅建試験の合格率は、管理業務主任者に次いで高いことが分かります。
他の国家試験では合格率が10%以下の資格も多く、その中で宅建士は例年15~17%程度と比較的高くなっています。
合格率の観点では、宅建試験は比較に挙げた法律系の資格より合格率が高く、不動産関係資格の中では管理業務主任者に次いで合格率が高いため、取得しやすい資格といえるでしょう。
勉強時間で見る難易度ランキング
勉強時間で難易度を比較してみましょう。
一般に、宅建士試験の合格に必要な勉強時間は300~400時間といわれています。
他の資格ではどのくらいの勉強時間を必要としているのか、以下の表でまとめてみました。
管理業務主任者 | 300時間 |
宅建士 | 300~400時間 |
マンション管理士 | 500時間 |
行政書士 | 600~1000時間 |
社労士 | 1000時間 |
司法書士 | 3000時間 |
これをみると、司法書士は3,000時間以上もの多くの時間を勉強時間を費やす必要があり、年単位での勉強をしなければならないことが分かります。
また、行政書士も1,000時間と長い勉強時間が必要です。
一方、宅建士の勉強時間は管理業務主任者と同様、300~400時間の勉強で合格水準に到達します。
他の国家資格より短い勉強時間で合格できるということが分かります。
宅建士試験は他の資格への登竜門と位置付けられることもあります。
司法書士試験やマンション管理士試験などと宅建士試験では、民法や区分所有法といった科目が共通します。
そのため他の国家資格の勉強をするときにも、宅建試験で学習した部分は改めて学習する必要はなく学習量の圧縮ができます。
更に、マンション管理士や管理業務主任者などと職域が近く、宅建士としてマンションの売買で関わったうえこれらの資格に基づいて引き続き管理業務に関与できます。
このような点から宅建士を勉強したうえで他の資格を取得し、ダブルライセンスを目指すことも可能です。
もっとも、宅建士試験は簡単という意味ではなく、あくまで「他の資格と比較」すると「難しくない」ということに注意が必要です。
毎年20万人以上が受験し合格率が15~17%で推移していることからわかる通り、17万人以上もの多くの人が不合格になり涙をのんでいます。
また、勉強時間300~400時間とはいえ、この水準まで勉強せずに受験し、何年も不合格になる受験生も沢山います。
そのため宅建士試験対策のテキストや過去問などを使用して繰り返し勉強し、合格を目指す必要があります。
確実に合格したい場合には講座の利用も検討すべきです。
講座を受講すれば効率的に学習することが可能であり、試験へのモチベーションを維持しながら、より確実に合格しやすいといえるでしょう。
今まで法律や資格試験の勉強をしたことが無い人にとって特におすすめです。
これらの人は勉強を進めていくうちに疑問が多く出るため調べる時間が沢山必要なうえ、集中して勉強する機会が少なかったのでモチベーションが上がらず、挫折しやすいからです。
まとめ
今回は、宅建の難易度を解説しました。
最後にこのコラムをまとめます。
・宅建は大学入試に例えると、日本大学・東洋大学等と同じくらいの難易度といえる
・偏差値にたとえると55~56程度であり、しっかり勉強する必要がある試験
・宅建試験の合格者と学歴・出身大学に関係はないと考えられる
宅建の難易度についてイメージが湧けば幸いです。
より確実に合格を目指すのであれば、通信講座の活用もおすすめです。
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