(②統合失調症とテクノロジー犯罪と自殺誘導)の続き


断薬から一年近くが過ぎる頃、ようやく症状も落ち着き始め、軽い散歩も出来るようになりました。近くの店に散歩がてら二回ほど買い物にも行きました。

まだまだ不安は残るが、この調子だと、何とか普通の暮らしに戻れるかもしれない、その努力をしようと、私は自宅に帰る決心をしました。


忘れもしません。その日、自宅に帰る為のバスをベンチに腰かけ、待っていました。すると誰かの視線を斜め横に感じ、振り向いたら、私のすぐそばで、こちら向きにスマホを構える1人の女性が立っていました。

そして、私が振り向くと同時に、さっとそのスマホを上に掲げ、上空を映すフリをしたのです。

私を盗撮していたに違いありません。私が気づいたことで女性は即座に去っていきました。

私は非常に不審に思いましたが、なぜこのようなことをされるのか、訳が分からず、これもまた「謎」として、自分の中に残りました。


そして自宅生活に戻ると、しばらく非常に調子がよかったです。薬を飲まないまま私はどんどん元気になりました。元々薬なしでこうだったのだから、元に戻りつつある、と思いました。


そして、しまいには自宅近くを軽くジョギングするほどになりました。長い間、寝込んだ分、非常に体力、筋力が落ちていたので、早く元気になりたかったのです。

このまま元気になれると思っていました。信じていました。

でもそうは問屋が卸しませんでした。

つづく




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