社労士1000時間…多忙サラリーマンが資格に最短で合格する法 (※写真はイメージです/PIXTA)

中年のビジネスパーソンこそ資格試験に最短で合格できるようにしなければなりません。中高年になるとリストラ、異動・動転勤、親の介護など、資格勉強の妨げになるリスクがあるからです。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

長期計画は駄目、サラリーマンこそ短期合格を目指せ

来年も勉強できる環境が続く保証はない

 

1回で合格するという強い意志を持ちましょう。結果的には複数回かかってもよいのですが、最初から複数年かけて合格できればよいという考えは捨てたほうがよいです。

 

例えば、1000時間の勉強時間が必要だという試験を受けるにあたり、1年間で1000時間勉強するのは大変なので、年間500時間の3年計画で受験すれば余裕をもって合格できるのではないかとは考えないでください。おそらく3回受けても合格する確率は低いからです。時間数だけがすべてではないですが、それよりは1000時間は無理でも、200時間上乗せして700時間勉強できるようにしましょう。

 

私自身の体験ですが、社労士試験を受験した際、初年度は3ヶ月、200時間程度勉強しただけで試しに受験しました。当然、不合格でしたが、その後、仕事が忙しいのを口実になかなか勉強を再開しませんでした。試験の8ヶ月前にようやく再開し、今度は600時間程度の勉強で試験に臨みましたが、あえなく不合格。ショックだったのは、初年度の3倍の時間をかけたにもかかわらず、1回目と点数が同じだったことです。

 

私の例のように集中せず学習を続けても得点は伸びないのです。

 

私は、中年のビジネスパーソンこそ資格試験に最短で合格できるようにしなければならないと考えています。それは次のような理由があるからです。

 

・リストラは待ってくれない

会社の人員削減計画は、突然始まります。

 

特に大企業では、黒字リストラといって業績がよいときほど、人員削減に着手する傾向があります。景気も回復してきたし、大丈夫だろうと安心した矢先にリストラが始まったりします。退職勧奨などを受けるととても勉強どころではなくなってしまいます。

 

・慣れない仕事への異動や転勤があるかもしれない

リストラほどのインパクトはないにせよ、会社員であれば異動や転勤がつきものです。慣れない仕事に就いたならば、当面はその仕事を覚えるのに神経をつかいますので、資格試験の勉強に集中する余裕はないでしょう。

 

・両親の介護などが必要になる

最近の高齢者は元気で、健康寿命が延びています。とはいえ、70歳を超えると病気にかかりやすくなります。認知症にかかる人も増え、70歳から74歳の総人口の3.6%が認知症と診断されています。両親のいずれかが介護状態になったりしますと、一人で世話するのはマンパワー的に難しくなり、子どものヘルプを必要となるようになります。

 

毎週、休みのたびに実家に通うような状況になると、勉強どころではなくなります。仕事が終わってから勉強するのは大変だと思いますが、来年になるともっと余裕がなくなる恐れがあるかもしれないのです。

 

■年齢が1つ上がるたびに転職では不利になる

 

昨今、採用で年齢による差別は禁止されています。しかしこれは建前であり、現実として転職で複数の候補者がいる場合、年齢が若いほど有利になります。

 

特に44歳と45歳、49歳と50歳などの年代の節目では、1歳しか違わなくても与える印象は、大きく異なります。

 

転職活動をしなくても、社内で異動を希望する際も同様です。まだまだ年功序列の考え方が残っている企業も多いので少しでも若い社員を使いたがる管理者はいるのです。

 

つまり資格試験合格をきっかけに転職や社内の異動を試みる場合、年齢が若いほうが有利になるのです。

 

■長期戦になると費用がかかる

 

毎年、試験を受けると費用もばかになりません。

 

私は、社会保険労務士試験を受けた際、スクールに通わず独学を選択しましたが、それは20万円というスクールの費用に躊躇したからでした。それでもテキストだけで勉強するのに限界を感じ、スクールの直前講座を選択したり、模擬試験を受けたりするなどトータルで60万円近い金額が発生しました。

 

最初からスクールに通って2回目で合格できれば、合格までにかかった費用は、半額で抑えられたでしょう。住宅ローンや教育費などでお金がかかる時期です。少ない費用で合格できるにこしたことはありません。

 

【オンライン開催(LIVE配信)】10/29(土)
コロナ禍でも宿泊客を集客する実績と実力
年間最大賃料143万円、利回り4.93%、減価償却の税務メリットも
新しい「別荘所有&別荘投資ビジネス」のご案内 詳細はコチラ>>>

社会保険労務士

中央大学文学部卒業後は、印刷業界などを中心に転職を繰り返す。46歳から知識ゼロの状態で社会保険労務士の勉強を始め、50歳目前で合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士法人に勤務。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。社会保険労務士としての活動以外にも、「マネー現代」「ダイヤモンドオンライン」「プレジデント」などのウェブメディアや雑誌の記事を執筆。エン・ジャパンなどが主催するセミナー講師としても登壇している。
著書に、『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(クロスメディア・パブリッシング)『「働き方改革」対応・助成金 実務のポイント』(同友館)、近著に『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

著者紹介

連載脱!「働かないおじさん」45歳からの人生逆転方法

本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

早期退職やリストラという言葉を聞いて、ギクリとした人も多いのではないでしょうか。リストラというと業績が悪い企業が実施するものでしたが、昨今では、高収益を挙げた企業が、さらなる発展を目指すため行うケースもあります…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
TOPへ

×