日本保育協会沖縄支部の主催の保育まつりが2008年12月21日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターに保育関係者や子育て世代の若い母親ら2千人が出席して開催された。親学推進協会理事長の高橋史朗明星大教授や日本財団笹川陽平会長が講演。
https://www.youtube.com/watch?v=qxLLanaPGNA
https://www.youtube.com/watch?v=qxLLanaPGNA
「親学」のすすめ (下)
1.「ぼく、生まれてきていけなかったの?」
「ぼく、生まれてきていけなかったの?」と3歳になる息子が、布団の中で、突然、母親に聞いた。母親は驚いて「えっ、どうして、そんなことを言うの」と聞き返した。息子はこう答えた。[1,p1
だって、お母さんはいつも言っているよ。子どもを育てるのは大変だって。友達といつも電話で話しているよ。子どもがいて、自分の自由な時間がないって。ぼく、お母さんに迷惑をかけているの?
62歳になる祖母は、娘である母親からこの話を聞いて、孫がかわいそうで涙が止まらなかったという。現代の子育ての難しさを象徴するエピソードである。
米国の精神分析学者E・H・エリクソンは、乳児期の発達課題を「基本的信頼」と呼んだ。「自分は見捨てられていない」「ここにいていいんだ」「自分には価値がある、受け入れられている」という基本的な信頼感を、乳幼児は求めているのである。
■2.「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせろ」
『ちょっとだけ』(瀧村有子作・福音館書店)という絵本がある。
「なっちゃんのおうちに、赤ちゃんがやってきました」と、お話しは始まる。
主人公のなっちゃんは、まだ幼くてお母さんに甘えたいのだが、赤ちゃんが生まれて、ママはとても忙しい。だから、なっちゃんは一生懸命、自分で自分のことをしようとする。
ミルクをコップに注いだり、髪をとかして二つにしばったり、まだ上手にはできないが、「いつもママがやってくれるのをみていたので、ちょっとだけ成功しました」と繰り返される。
最後に「ちょっとだけ抱っこして」というなっちゃんに、「ちょっとだけ? ちょっとだけじゃなくて、いっぱい抱っこしたいんですけど」と答えるママの愛情が、なっちゃんを安心させ、自分のことは自分でしてママを助けたい、という気持ちにさせる。
「自分には価値がある、受け入れられている」という基本的信頼があればこそ、幼児は甘えたい気持ちを自制し、独り立ちに向けて、成長していけるのである。
「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせろ」という子育ての言い伝えが我が国にはあったそうな。エリクソンの説に従えば、「しっかり抱いて」があればこそ、子供は「下に降ろして、歩かせろ」の次の段階に進める、と言えよう。
■3.母親への愛着が精神的発達の基盤
エリクソンの「基本的信頼」の考え方は、英国の精神医学研究者ジョン・ボルビーの「愛着理論」に通ずる。
イギリスの精神医学の研究者ジョン・ボルビーは、44人の非行少年の生い立ちを丹念に調査したところ、その子供たちは例外なく幼児期、6歳ぐらいまでの間に親に捨てられていた。
そこでボルビーは、親に捨てられるという別離体験が、思春期の子供の行動系をゆがませるという説を打ち出した。これが「愛着理論」の出発点となった。[2,p86]
子どもの健全な精神的発達のためには、少なくとも一人の養育者との親密な関係が必要であり、それが欠けると、子どもは社会的、心理学的な問題を抱えるようになる。
逆に、養育者を信頼し、愛着への欲求を満足している場合は、幼児は不安を忘れ、自分の遊びに集中したり、周囲のものに好奇心を抱く。これが幼児の知能的な発達をもたらす。
こうした説をボルビーが小児科医らに紹介すると、彼らは「3歳までの子供は親と一緒にいることが大切」と賛同し、乳児院や小児病棟に母親の付き添いや担当保母の制度を導入するなど、大変革を起こした。現在、愛着理論は世界的に定着している。
松山市の小学生たちが親に対する気持ちを詩に詠んでいる。[1,p18]
「母がいる、そばにいる、それだけですごくうれしい」(小学校6年生)
母親への愛着を満たされた子供の幸福感がよく感じられる詩である。こうした子供は、母親のために何かやってあげたいと思うようになる。
「大好きなお母さん、おぶるのぼくの夢」(小学校3年生)
他者への感謝や思いやりというという人間らしい心は、まずは母親からの愛着の欲求を満たされた所から始まる。
■4.「三つ子の魂百まで(も)」
最近の脳科学は、3歳までに脳の神経細胞の6割ができあがる事を明らかにしている。脳の各部は「言葉を話す」など、いろいろな機能を受け持っているが、それぞれの部分が発達する「臨界期」があり、その時期を外すとその機能は発達しなくなる。
1920(大正9)年にインドで、オオカミに育てられた8歳ぐらいの少女が発見された。オオカミと同じように手と膝をついて歩き、皿に口をつけて食べ、夜になると遠吠えをした。
17歳まで生きて、なんとか2本足で歩けるようにはなったが、覚えた言葉は40語足らずだった。通常の3歳児だと9百語ほど覚えるが、ちょうど言葉を覚える臨界期にオオカミと生活していたために、その後でいくら教えても、言語能力が発達しなかったのである。
逆に、アメリカに14歳で医学部の大学生になった子がいる。父親が日本人、母親が韓国人で、知能指数は200もある。その妹も同様だという。親は生後8カ月から毎日、10冊ぐらいの本を読んで聞かせたそうだ。脳が育つときに、大量の読み聞かせをすることによって、人の話を理解し、自らも考える能力が発達する。
言語能力や思考能力だけではない。思いやりや共感など、他者との関係を築く能力は、母親がにっこり微笑み、子供も応えて笑う、という情感のキャッチボールから育っていく。
「三つ子の魂百まで(も)」という言い伝えもある。3歳までに身につけた心は百歳になっても変わらない、という意味である。
かつては、こうした3歳までの教育の重要性を、「女性を育児に専念させ、家庭に縛り付けるための3歳児神話」だと否定する考え方もあったが、現代の脳科学はこの「神話」が、実は真実であることを証明しつつある。[a]
■5.世界のよろこび、感激、神秘を分かち合う大人が必要
人との共感能力、知的能力と並んで、自然の美しさを感じたり、その不可思議さに驚く感性も大切だ。1960年代に環境保護運動のきっかけを作ったアメリカの生物学者レイチェル・カールソンは、自然の美しさ、神秘を感じ取る感性を、「センス・オブ・ワンダー」と呼んで、こう説いた。[2,p2
生まれつきそなわっている子供の、センス・オブ・ワンダーをいつも新鮮にたもちつつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子供といっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれるおとなが、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。
こんな話がある。ある日の夕方、母親は来客の接待のため、台所で支度をしていた。そこに小学生の子供が飛び込んできて、興奮しながら母親にこう言った。
「お母さん、お母さん! 夕焼けがすごくきれいだよ。ねえ、見に来てよ」
母親は、子供にこう答えた。「まあ、そうなの。お母さんも見たいけれども、今お客さんで見られないの。だから、お母さんの分まで見てきてね。」
子供は、「うん」と言って、また外に飛び出していった。そして、夕焼けの様子を後でお母さんに話そうと思って、頭の中にしっかり焼き付けた。[2,p237]
こんなお母さんなら、後で、子供が一生懸命に話す夕焼けの美しさを真剣に聞き入ったろう。そうした感動を分かち合ってくれるくれる母親の存在が、子供の感性を伸ばすのである。
逆に、母親が「今、忙しいんだから、夕焼けなんて見ている暇はないの」と子供に答えたら、どうなるか。自然の美しさ、不可思議さには、無頓着な人間に育っていくのではないか。
■6.「子育てを負担に思う」が8割超
乳幼児の精神的、知能的、感性的な発達に、母親の存在がいかに重要であるか、が科学的にも明らかになってきたわけだが、この事は同時に、母親としての責任の重さを示している。
最近の厚生労働省の調査では、「子育てを負担に思う」と答えた親が8割を超している。その第一の理由は、自分の自由時間が奪われるから、というのである。
30年ほど前の昭和56(1981)年のアンケート調査では、子育てを負担に思う親は10%だった。10年前の平成12(2000)では、まだ30.8%だった。[1,p20] 外で働く女性が増えると共に、育児との両立に悩む母親が増えているのである。
母親の意識も大きく変わっている。平成4(1992)年の出生動向調査では「子供が小さいうちは、母親は仕事を持たずに家にいるのが望ましい」と答えた人が88%もいた。
それが10年後の平成14(2002)年にベネッセ教育研究所が行った母親調査では「『3歳までは母の手で』という意識がとても気になる」と答えた人は25%しかいなかった。
同じ調査ではないので単純な比較はできないが、「3歳までは母の手で」という意識が薄れ、子育てになるべく手間をかけたくない、という意識が母親に広まっているようだ。冒頭に紹介した「子育てで、自分の自由な時間がない」とこぼす母親は、その典型である。
■7.「子育てはすごく楽しい」
一方、こんな興味深いデータもある。平成15(2003)年に厚生労働省が未就学児童を持つ全国2千世帯を対象に行った「子育て支援に関する調査」では、「子育てはすごく楽しい」という回答を、父親の77%、母親の68%が行っている。
その理由として「付き合いがひろがった」「子供から学ぶものが多い」「自分の存在がかけがえのないものだと思えるようになった」などが挙げられている。[1,p137]
子育ては大変であるとともに、楽しいものである、というのは、家庭における食事を例に考えてみれば、分かりやすいだろう。
食事の準備をするのは主婦にとって、手間暇もかかり、自分の自由な時間を奪われる苦役だと考えれば、家族ばらばらにコンビニで好きなファーストフードを買ってきて、好きな時間に食べるのが、最も効率的だということになる。
しかし、それでは母親が家族のために愛情を込めて作った手料理を皆でいただく一家団欒の幸せや、それをもたらした母親の喜びは失われてしまう。
子育ても同じだ。たとえば、赤ちゃんが数回おしっこをしても、取り替えなくても良い、というハイテク紙おむつが売られている。それだけ母親の手間が減らせ、赤ちゃんを放っておける時間ができるというわけである。
アフリカのある地域では、赤ちゃんをおむつもせずに袋に入れて、ショルダーバッグのように首からかけて、片時も肌身離さずに育てる。赤ちゃんがオシッコをしたくなったら、母親にはそれが分かるので、袋から出して用をさせるのである。
育児で保育園というコンビニを使い、ハイテク紙おむつなどでファーストフード化しては、手間暇をかけて、その喜び楽しみを味わうというプロセスが無くなってしまう。それは子供にとっても、親にとっても、重大な不幸なのである。
■8.子育ては「興国の大業」
とは言え、働かなければ生活していけない母親も少なくないし、核家族で育児を相談できる相手のいない母親も多い。母親が育児に専念できるような社会の支援が必要である。
ノルウェー、フィンランド、デンマークなどでは「在宅育児手当」を支給し、親の「子育てをする権利」を保障する政策の充実を図っている。[1,p45]
日本は保育所の整備など、母親が「家庭を離れて働ける事」を支援しているが、それよりも「3歳までの子を持つ母親が働かなくともよいよう」に支援をした方が、子供の健全な成長にははるかに効果的であるし、母親としての幸福にもつながる。
また、保育所も子供を預けっぱなしにするばかりではなく、母親が幼児を連れてきて、子育てのポイントを学んだり、母親どうしが交流できるような場にしていく、という方策もあろう。
さらに、若い母親のために、育児経験の豊かな熟年女性が「お祖母さん」のかわりになって、助言したり手伝ったりする、という仕組みも考えられる。お祖母さんがいるのは、他の動物にはない人間だけの特権なのである。[b]
育児とは、次世代の立派な国民を育てるという「興国の大業」である。子育てに失敗した国に未来はない。国をあげて、子育てをしている母親を支えるべきである。
(文責:伊勢雅臣)
1.「ぼく、生まれてきていけなかったの?」
「ぼく、生まれてきていけなかったの?」と3歳になる息子が、布団の中で、突然、母親に聞いた。母親は驚いて「えっ、どうして、そんなことを言うの」と聞き返した。息子はこう答えた。[1,p1
だって、お母さんはいつも言っているよ。子どもを育てるのは大変だって。友達といつも電話で話しているよ。子どもがいて、自分の自由な時間がないって。ぼく、お母さんに迷惑をかけているの?
62歳になる祖母は、娘である母親からこの話を聞いて、孫がかわいそうで涙が止まらなかったという。現代の子育ての難しさを象徴するエピソードである。
米国の精神分析学者E・H・エリクソンは、乳児期の発達課題を「基本的信頼」と呼んだ。「自分は見捨てられていない」「ここにいていいんだ」「自分には価値がある、受け入れられている」という基本的な信頼感を、乳幼児は求めているのである。
■2.「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせろ」
『ちょっとだけ』(瀧村有子作・福音館書店)という絵本がある。
「なっちゃんのおうちに、赤ちゃんがやってきました」と、お話しは始まる。
主人公のなっちゃんは、まだ幼くてお母さんに甘えたいのだが、赤ちゃんが生まれて、ママはとても忙しい。だから、なっちゃんは一生懸命、自分で自分のことをしようとする。
ミルクをコップに注いだり、髪をとかして二つにしばったり、まだ上手にはできないが、「いつもママがやってくれるのをみていたので、ちょっとだけ成功しました」と繰り返される。
最後に「ちょっとだけ抱っこして」というなっちゃんに、「ちょっとだけ? ちょっとだけじゃなくて、いっぱい抱っこしたいんですけど」と答えるママの愛情が、なっちゃんを安心させ、自分のことは自分でしてママを助けたい、という気持ちにさせる。
「自分には価値がある、受け入れられている」という基本的信頼があればこそ、幼児は甘えたい気持ちを自制し、独り立ちに向けて、成長していけるのである。
「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせろ」という子育ての言い伝えが我が国にはあったそうな。エリクソンの説に従えば、「しっかり抱いて」があればこそ、子供は「下に降ろして、歩かせろ」の次の段階に進める、と言えよう。
■3.母親への愛着が精神的発達の基盤
エリクソンの「基本的信頼」の考え方は、英国の精神医学研究者ジョン・ボルビーの「愛着理論」に通ずる。
イギリスの精神医学の研究者ジョン・ボルビーは、44人の非行少年の生い立ちを丹念に調査したところ、その子供たちは例外なく幼児期、6歳ぐらいまでの間に親に捨てられていた。
そこでボルビーは、親に捨てられるという別離体験が、思春期の子供の行動系をゆがませるという説を打ち出した。これが「愛着理論」の出発点となった。[2,p86]
子どもの健全な精神的発達のためには、少なくとも一人の養育者との親密な関係が必要であり、それが欠けると、子どもは社会的、心理学的な問題を抱えるようになる。
逆に、養育者を信頼し、愛着への欲求を満足している場合は、幼児は不安を忘れ、自分の遊びに集中したり、周囲のものに好奇心を抱く。これが幼児の知能的な発達をもたらす。
こうした説をボルビーが小児科医らに紹介すると、彼らは「3歳までの子供は親と一緒にいることが大切」と賛同し、乳児院や小児病棟に母親の付き添いや担当保母の制度を導入するなど、大変革を起こした。現在、愛着理論は世界的に定着している。
松山市の小学生たちが親に対する気持ちを詩に詠んでいる。[1,p18]
「母がいる、そばにいる、それだけですごくうれしい」(小学校6年生)
母親への愛着を満たされた子供の幸福感がよく感じられる詩である。こうした子供は、母親のために何かやってあげたいと思うようになる。
「大好きなお母さん、おぶるのぼくの夢」(小学校3年生)
他者への感謝や思いやりというという人間らしい心は、まずは母親からの愛着の欲求を満たされた所から始まる。
■4.「三つ子の魂百まで(も)」
最近の脳科学は、3歳までに脳の神経細胞の6割ができあがる事を明らかにしている。脳の各部は「言葉を話す」など、いろいろな機能を受け持っているが、それぞれの部分が発達する「臨界期」があり、その時期を外すとその機能は発達しなくなる。
1920(大正9)年にインドで、オオカミに育てられた8歳ぐらいの少女が発見された。オオカミと同じように手と膝をついて歩き、皿に口をつけて食べ、夜になると遠吠えをした。
17歳まで生きて、なんとか2本足で歩けるようにはなったが、覚えた言葉は40語足らずだった。通常の3歳児だと9百語ほど覚えるが、ちょうど言葉を覚える臨界期にオオカミと生活していたために、その後でいくら教えても、言語能力が発達しなかったのである。
逆に、アメリカに14歳で医学部の大学生になった子がいる。父親が日本人、母親が韓国人で、知能指数は200もある。その妹も同様だという。親は生後8カ月から毎日、10冊ぐらいの本を読んで聞かせたそうだ。脳が育つときに、大量の読み聞かせをすることによって、人の話を理解し、自らも考える能力が発達する。
言語能力や思考能力だけではない。思いやりや共感など、他者との関係を築く能力は、母親がにっこり微笑み、子供も応えて笑う、という情感のキャッチボールから育っていく。
「三つ子の魂百まで(も)」という言い伝えもある。3歳までに身につけた心は百歳になっても変わらない、という意味である。
かつては、こうした3歳までの教育の重要性を、「女性を育児に専念させ、家庭に縛り付けるための3歳児神話」だと否定する考え方もあったが、現代の脳科学はこの「神話」が、実は真実であることを証明しつつある。[a]
■5.世界のよろこび、感激、神秘を分かち合う大人が必要
人との共感能力、知的能力と並んで、自然の美しさを感じたり、その不可思議さに驚く感性も大切だ。1960年代に環境保護運動のきっかけを作ったアメリカの生物学者レイチェル・カールソンは、自然の美しさ、神秘を感じ取る感性を、「センス・オブ・ワンダー」と呼んで、こう説いた。[2,p2
生まれつきそなわっている子供の、センス・オブ・ワンダーをいつも新鮮にたもちつつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子供といっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれるおとなが、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。
こんな話がある。ある日の夕方、母親は来客の接待のため、台所で支度をしていた。そこに小学生の子供が飛び込んできて、興奮しながら母親にこう言った。
「お母さん、お母さん! 夕焼けがすごくきれいだよ。ねえ、見に来てよ」
母親は、子供にこう答えた。「まあ、そうなの。お母さんも見たいけれども、今お客さんで見られないの。だから、お母さんの分まで見てきてね。」
子供は、「うん」と言って、また外に飛び出していった。そして、夕焼けの様子を後でお母さんに話そうと思って、頭の中にしっかり焼き付けた。[2,p237]
こんなお母さんなら、後で、子供が一生懸命に話す夕焼けの美しさを真剣に聞き入ったろう。そうした感動を分かち合ってくれるくれる母親の存在が、子供の感性を伸ばすのである。
逆に、母親が「今、忙しいんだから、夕焼けなんて見ている暇はないの」と子供に答えたら、どうなるか。自然の美しさ、不可思議さには、無頓着な人間に育っていくのではないか。
■6.「子育てを負担に思う」が8割超
乳幼児の精神的、知能的、感性的な発達に、母親の存在がいかに重要であるか、が科学的にも明らかになってきたわけだが、この事は同時に、母親としての責任の重さを示している。
最近の厚生労働省の調査では、「子育てを負担に思う」と答えた親が8割を超している。その第一の理由は、自分の自由時間が奪われるから、というのである。
30年ほど前の昭和56(1981)年のアンケート調査では、子育てを負担に思う親は10%だった。10年前の平成12(2000)では、まだ30.8%だった。[1,p20] 外で働く女性が増えると共に、育児との両立に悩む母親が増えているのである。
母親の意識も大きく変わっている。平成4(1992)年の出生動向調査では「子供が小さいうちは、母親は仕事を持たずに家にいるのが望ましい」と答えた人が88%もいた。
それが10年後の平成14(2002)年にベネッセ教育研究所が行った母親調査では「『3歳までは母の手で』という意識がとても気になる」と答えた人は25%しかいなかった。
同じ調査ではないので単純な比較はできないが、「3歳までは母の手で」という意識が薄れ、子育てになるべく手間をかけたくない、という意識が母親に広まっているようだ。冒頭に紹介した「子育てで、自分の自由な時間がない」とこぼす母親は、その典型である。
■7.「子育てはすごく楽しい」
一方、こんな興味深いデータもある。平成15(2003)年に厚生労働省が未就学児童を持つ全国2千世帯を対象に行った「子育て支援に関する調査」では、「子育てはすごく楽しい」という回答を、父親の77%、母親の68%が行っている。
その理由として「付き合いがひろがった」「子供から学ぶものが多い」「自分の存在がかけがえのないものだと思えるようになった」などが挙げられている。[1,p137]
子育ては大変であるとともに、楽しいものである、というのは、家庭における食事を例に考えてみれば、分かりやすいだろう。
食事の準備をするのは主婦にとって、手間暇もかかり、自分の自由な時間を奪われる苦役だと考えれば、家族ばらばらにコンビニで好きなファーストフードを買ってきて、好きな時間に食べるのが、最も効率的だということになる。
しかし、それでは母親が家族のために愛情を込めて作った手料理を皆でいただく一家団欒の幸せや、それをもたらした母親の喜びは失われてしまう。
子育ても同じだ。たとえば、赤ちゃんが数回おしっこをしても、取り替えなくても良い、というハイテク紙おむつが売られている。それだけ母親の手間が減らせ、赤ちゃんを放っておける時間ができるというわけである。
アフリカのある地域では、赤ちゃんをおむつもせずに袋に入れて、ショルダーバッグのように首からかけて、片時も肌身離さずに育てる。赤ちゃんがオシッコをしたくなったら、母親にはそれが分かるので、袋から出して用をさせるのである。
育児で保育園というコンビニを使い、ハイテク紙おむつなどでファーストフード化しては、手間暇をかけて、その喜び楽しみを味わうというプロセスが無くなってしまう。それは子供にとっても、親にとっても、重大な不幸なのである。
■8.子育ては「興国の大業」
とは言え、働かなければ生活していけない母親も少なくないし、核家族で育児を相談できる相手のいない母親も多い。母親が育児に専念できるような社会の支援が必要である。
ノルウェー、フィンランド、デンマークなどでは「在宅育児手当」を支給し、親の「子育てをする権利」を保障する政策の充実を図っている。[1,p45]
日本は保育所の整備など、母親が「家庭を離れて働ける事」を支援しているが、それよりも「3歳までの子を持つ母親が働かなくともよいよう」に支援をした方が、子供の健全な成長にははるかに効果的であるし、母親としての幸福にもつながる。
また、保育所も子供を預けっぱなしにするばかりではなく、母親が幼児を連れてきて、子育てのポイントを学んだり、母親どうしが交流できるような場にしていく、という方策もあろう。
さらに、若い母親のために、育児経験の豊かな熟年女性が「お祖母さん」のかわりになって、助言したり手伝ったりする、という仕組みも考えられる。お祖母さんがいるのは、他の動物にはない人間だけの特権なのである。[b]
育児とは、次世代の立派な国民を育てるという「興国の大業」である。子育てに失敗した国に未来はない。国をあげて、子育てをしている母親を支えるべきである。
(文責:伊勢雅臣)
親学のすすめ 上
■1.「学校でも大学でも教えていないのは、親になる方法だ」
幼児に暴行を加える児童虐待事件が、相次いで報道されている。生後5カ月の女児を、育児の疲れからイライラし、顔や胸を殴ったり、壁にぶつけたりして、左右の腕と足を骨折させた22歳の母親。
生後1カ月の男児を、泣きやまないのでカッとなって壁に打ち付け重傷を負わせた同じく22歳の父親。
児童相談所が対応した児童虐待の件数は平成20(2008)年度で4万2千件を超え、この4年間で28パーセント増大している。「身体的虐待」「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」「心理的虐待」がその中心である。[1]
英国オックスフォード大学ケロッグカレッジのジェフリー・トーマス学長は、「学校でも大学でも教えていないのは、親になる方法だ。現在の社会はこの親になる教育にもっと関心を向け、親としての自分を向上させることが大切である」という趣旨の指摘をしている。[2,p1]
痛ましい児童虐待の有様を見ると、「親になる教育」の重要性はますます高まっているように思える。
■2.「それまで全く存在しなかったいのちが、新しく私のおなかの中にできた」
動物とは違って、人間は子供を産めば本能的に「親」になれるというものではない。食事を与えるなど、子供の身体的成長の面倒を見ているだけでも、「親」とは言えない。子供の心を成長させ、立派な人間として育て上げることが「親」の役割であり、そのために何をすべきか、を問うのが「親学」である。
親としての役割は、新しい生命が母親のおなかの中に生まれた時から始まる。
受胎後、3週間で胎児は心臓や神経系統ができ、4週間で目や足、5週間で腕が作られ、6週間で歯や耳が作られ始める。耳は8週間で完成するので、それ以降は胎児は母親の胎内で音を聞いている。
9週目の胎児は頭からお尻までが約5センチ、重さが10グラムほど。それが26週目になると、身長約30センチ、体重7百から8百グラムとなる。両手に乗るほどの大きさだが、もうすっかり人間の姿をしている。
平成13(2002)年に発足した親学会の副会長で、小児科医・高橋えみ子さんは、妊婦に胎児の人形を抱かせたり、胎児の姿をビデオや写真で見せている。視覚や聴覚、触覚に訴える内容なので、頭で考えているよりもずっと胎児に対する実感が湧くそうだ。
ある母親が、「胎児の姿に思わず涙が出て、産もうという気持ちを強くしました」と話してくれたこともあったという。
同じく親学会副会長・益田晴代さんは、こうしたいのちの誕生の仕組みと過程を知ることによって、いのちを尊び敬うことができる、と指摘する。[2,p194]
私は四人の娘を育てましたが、初めて妊娠していることを知ったとき、それまで意識したことのない、不思議な思いにかられました。
「それまで全く存在しなかったいのちが、新しく私のおなかの中にできた」という不思議な思いは、私の経験の中で最も新鮮で輝かしいこととして心を揺さぶりました。
あの思いこそ、遠い過去から伝わる、人類のいのちの尊さと歴史の重さだったのだと実感しました。大自然から女性の体だけに与えられた「受胎」という、新たないのちを体に宿したものだけが感じることのできる、宇宙と一つになったというひと時であったと思います。
■3.親の愛がへその緒を通じて、赤ちゃんの心に伝わっていく
親と子供の心の交流は、胎児の頃から始まる。
人間の心、すなわち情感や情緒の発達に関係しているのは、脳の前頭葉と呼ばれる部位である事が、脳科学によって明らかにされているが、この前頭葉がもっとも発達する時期が、胎児期なのである。だから、心の発達も胎児の頃から始まっている。
0歳児教育を提唱したソニーの設立者・井深大(いぶか・まさる)氏は、妊娠初期から胎児教育を始めることで、母と子のきずなが深まり、親の愛がへその緒を通じて、赤ちゃんの心に伝わっていくと説いた。この点について、益田さんは自身の体験をこう語っている。
四女がおなかの中にいたとき、私はよく、「あなたが生まれてくるのをみんな待っているのよ」「がんばろうね」「ママは一所懸命に美味しいものを食べるから大きくなるのよ」などと、言葉をかけました。
長女、二女、三女の妊娠中にも、それなりの胎教はしていたが、それは良い音楽を聴いて、心を穏やかにするというものだった。四女の時は、意識して、おなかの中の子供に呼びかけた。その結果、四女は愛されている喜びを感じて育ち、すべてを肯定的に受けとめられる女の子に成長した。益田さんはこの経験から、次のような指摘をしている。[2,p192]
胎児のころから両親が愛を込めて、おなかの中のわが子にコミュニケーションを働きかけることが、胎児の前頭葉の発達をうながします。それが、豊かな心をつくる基の種を植え込むことになって、誕生後、心の中に花がさくことになります。
■4.「おなかの赤ちゃんに会いに行く」
同じく親学会副会長の小児科医・高橋えみ子さんは、自身で「胎教」の指導をしている。それはやはり井深氏が提唱したように、母親と胎児との心のつながりを作る事を目的としている。
胎児に話しかけると動いて反応を示すので、妊婦は「嬉しかった」「暖かい気持ちになった」「安心できた」という経験ができて、心の安定につながるという。こういう胎教を通じて、生まれる前から赤ちゃんへの愛情が深まっていく。
さらに高橋さんは、母親と父親に対するクラスで、「おなかの赤ちゃんに会いに行く」というイメージ・トレーニングを行っている。
妊婦は楽な姿勢で床に座り、おなかに手を当て、夫は隣か後ろに寄り添い、妻と手を重ねる。部屋を暗くして、目を閉じ、ゆっくり深呼吸する。子宮の中の音を録音したCDをかけ、高橋さんは心をこめて語りかける。[2,p39]
さあ、これから子宮への旅に出て、あなたの赤ちゃんに会いに行きましょう。そこは静かな海の中、暗くて暖かくて安全な所、聖なる場所です。
もうすっかり人間の姿をした赤ちゃんが眠っています。お母さんの血液の流れや心臓の音が聞こえています。赤ちゃんはじっと耳を傾けていますよ。
「私がママよ」「僕がパパだよ」「パパもママもあなたをとっても愛しています。大事に大事に育てますから無事に生まれてきてくださいね」。
どうぞ、あなたの心の声で話しかけてあげてください・・・ 今、パパとママと赤ちゃんの心は一つです。とても幸せな時間です。
瞑想の最中に涙を流す人がいる。柔らかな表情を浮かべ、微笑みあうカップルがいる。その幸せな心持ちは、お腹の中の赤ちゃんにも通じているだろう。
■5.誕生直後の赤ちゃんは五感の能力で母親と結びつく
こうして生まれてきた赤ちゃんは、誕生直後から、見る、聞く、味わう、嗅(か)ぐ、触れるという五感の能力を持っていることが、さまざまな実験で明らかにされている。
生まれた直後でも目を開いて見ることができるし、母親の声を聞き分け、母乳の味や匂いも識別できる。この事実から、同じく親学会副会長の高橋史朗・明星大学教授は、次のような指摘をしている。[2,p307
これらの能力が生得的に備わっているということは、新生児が誕生直後から母親と結びつくことの重要性を示唆しています。百パーセント母親に頼りきらねばならない新生児にとって、最も基本となる感覚を通しての生物学的な母親との結びつきは最も安心感を得るものです。
すなわち、肌と肌を接触させること、目と目で見つめ合うこと、声で語りかけること、母乳を味わうことといった感覚的な接触や交流が、その後の成長の各段階を支える基盤になるのです。
その安心感と信頼感は、一生を通して人間に対する信頼感のベースになります。新生児の五感の能力に応えるように母親が語りかければ、母子の結合は誕生直後から確固としたものになります。
■6.「愛情がフツフツとわいてきて」
五感を通じた母子の結びつきを実現する一つの方法が「カンガルーケア」である。これは、誕生直後の赤ちゃんを母親が抱き、直接肌を触れ合うという方法である。
1979(昭和54)年に、南米コロンビアで二人の小児科医によって考案された。当初は保育器が不足していて、未熟児の体温低下を防ぐために始めたられたのだが、母と子の心の安定、きずな作りに効果があることが分かった。
高橋副会長の医院でも、初めてカンガルーケアをした時、産声を上げた赤ちゃんが母親に抱かれると、すぐに泣きやんで穏やかになる事にスタッフ一同驚いたという。体験した母親の一人は、次のような感想を述べている。[1,p44]
今回、生まれてすぐに抱っこして過ごした時間がとても幸せでした。安心できてうれしいひと時で、愛情がフツフツとわいてきて、愛しい気持ちでいっぱいになりました。これからの子育てで何があっても、このときのことを思い出して乗り越えていけると思います。
米国では、新生児医療の発達に伴って、未熟児を長い間、保育器に入れることで死亡率を激減させたが、その反面、保育器で赤ちゃんが外との接触を断たれることから、親子の結びつきがうまくいかず、幼児虐待が多発して、社会問題となった。
メス猿は、出産直後に子猿から一度隔離されると、後で子猿を戻しても育てなくなるという。愛情を求めて子猿が近寄っても、メス猿は自分の子供への愛情を持っていないので、邪険にして追い払ってしまう。
カンガルーケアなどにより、母子のしっかりとした絆ができれば、冒頭に紹介した母親による幼児虐待なども相当程度、防げるのではないか。
■7.周りとの接触を断たれると「サイレント・べービー」になる
また、いくつかの研究によって、新生児が生後長時間、周りとの接触が断たれていると、感覚能力が育たないことが分かってきた。さらに、笑わない、泣かない、表情が乏しい、親と視線を合わせないなどの特徴を持った「サイレント・べービー」になりやすい事が分かった。
ユニセフの2001(平成13)年『世界子供白書』には、次のような一節がある。[2,p303]
子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する。・・・
母親が手のひらで隠していた顔を突然のぞかせたとき、強い期待をもって見つめていた赤ちゃんが喜びの声をあげるのを見たことがあるだろうか。この簡単に見える動作が繰り返されるとき、発達中の子どもの脳のなかの数千の細胞が数秒のうちにそれに反応して、大いに劇的に何かが起こる。・・・
だが子どもが生後最初の数年間に受ける愛情に満ちたケアや養育、あるいは、そうした大事な経験がないことが幼い心に消すことができない刻印を残すことになる。
乳幼児期に、母子がしっかりと愛情の絆で結ばれない事が、双方にとって、不幸な結果をもたらすのである。
■8.人から愛された子供が、人を愛することができる子供に育つ
以上の様々な体験談や研究結果を知れば、「人間は生命誕生の瞬間から愛に飢えている」というイタリアの乳児教育学者マリア・モンテッソーリの言葉が心に響いてくるだろう。この言葉を引用して、益田副会長は次のように説いている。
この世に声を上げて誕生したとき、愛されていることの喜びを教えてあげることこそ、子供にとって何にも勝るすばらしいことなのです。人から愛された子供が、人を愛することができる子供に育つのです。・・・
愛された記憶を人間形成の最初の意識に植え込むことから教育が始まります。人を愛する心を育むことこそ、子供の成長にとっていちばん大切なことです。「愛されてこそ愛を知る教育」だといえます。
愛されて、人を愛することができようななった子供は、大人になったら、また自分の子を愛して育てるだろう。それが幸福な家庭への近道、そして幸福な社会への近道なのである。
(文責:伊勢雅臣)
■1.「学校でも大学でも教えていないのは、親になる方法だ」
幼児に暴行を加える児童虐待事件が、相次いで報道されている。生後5カ月の女児を、育児の疲れからイライラし、顔や胸を殴ったり、壁にぶつけたりして、左右の腕と足を骨折させた22歳の母親。
生後1カ月の男児を、泣きやまないのでカッとなって壁に打ち付け重傷を負わせた同じく22歳の父親。
児童相談所が対応した児童虐待の件数は平成20(2008)年度で4万2千件を超え、この4年間で28パーセント増大している。「身体的虐待」「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」「心理的虐待」がその中心である。[1]
英国オックスフォード大学ケロッグカレッジのジェフリー・トーマス学長は、「学校でも大学でも教えていないのは、親になる方法だ。現在の社会はこの親になる教育にもっと関心を向け、親としての自分を向上させることが大切である」という趣旨の指摘をしている。[2,p1]
痛ましい児童虐待の有様を見ると、「親になる教育」の重要性はますます高まっているように思える。
■2.「それまで全く存在しなかったいのちが、新しく私のおなかの中にできた」
動物とは違って、人間は子供を産めば本能的に「親」になれるというものではない。食事を与えるなど、子供の身体的成長の面倒を見ているだけでも、「親」とは言えない。子供の心を成長させ、立派な人間として育て上げることが「親」の役割であり、そのために何をすべきか、を問うのが「親学」である。
親としての役割は、新しい生命が母親のおなかの中に生まれた時から始まる。
受胎後、3週間で胎児は心臓や神経系統ができ、4週間で目や足、5週間で腕が作られ、6週間で歯や耳が作られ始める。耳は8週間で完成するので、それ以降は胎児は母親の胎内で音を聞いている。
9週目の胎児は頭からお尻までが約5センチ、重さが10グラムほど。それが26週目になると、身長約30センチ、体重7百から8百グラムとなる。両手に乗るほどの大きさだが、もうすっかり人間の姿をしている。
平成13(2002)年に発足した親学会の副会長で、小児科医・高橋えみ子さんは、妊婦に胎児の人形を抱かせたり、胎児の姿をビデオや写真で見せている。視覚や聴覚、触覚に訴える内容なので、頭で考えているよりもずっと胎児に対する実感が湧くそうだ。
ある母親が、「胎児の姿に思わず涙が出て、産もうという気持ちを強くしました」と話してくれたこともあったという。
同じく親学会副会長・益田晴代さんは、こうしたいのちの誕生の仕組みと過程を知ることによって、いのちを尊び敬うことができる、と指摘する。[2,p194]
私は四人の娘を育てましたが、初めて妊娠していることを知ったとき、それまで意識したことのない、不思議な思いにかられました。
「それまで全く存在しなかったいのちが、新しく私のおなかの中にできた」という不思議な思いは、私の経験の中で最も新鮮で輝かしいこととして心を揺さぶりました。
あの思いこそ、遠い過去から伝わる、人類のいのちの尊さと歴史の重さだったのだと実感しました。大自然から女性の体だけに与えられた「受胎」という、新たないのちを体に宿したものだけが感じることのできる、宇宙と一つになったというひと時であったと思います。
■3.親の愛がへその緒を通じて、赤ちゃんの心に伝わっていく
親と子供の心の交流は、胎児の頃から始まる。
人間の心、すなわち情感や情緒の発達に関係しているのは、脳の前頭葉と呼ばれる部位である事が、脳科学によって明らかにされているが、この前頭葉がもっとも発達する時期が、胎児期なのである。だから、心の発達も胎児の頃から始まっている。
0歳児教育を提唱したソニーの設立者・井深大(いぶか・まさる)氏は、妊娠初期から胎児教育を始めることで、母と子のきずなが深まり、親の愛がへその緒を通じて、赤ちゃんの心に伝わっていくと説いた。この点について、益田さんは自身の体験をこう語っている。
四女がおなかの中にいたとき、私はよく、「あなたが生まれてくるのをみんな待っているのよ」「がんばろうね」「ママは一所懸命に美味しいものを食べるから大きくなるのよ」などと、言葉をかけました。
長女、二女、三女の妊娠中にも、それなりの胎教はしていたが、それは良い音楽を聴いて、心を穏やかにするというものだった。四女の時は、意識して、おなかの中の子供に呼びかけた。その結果、四女は愛されている喜びを感じて育ち、すべてを肯定的に受けとめられる女の子に成長した。益田さんはこの経験から、次のような指摘をしている。[2,p192]
胎児のころから両親が愛を込めて、おなかの中のわが子にコミュニケーションを働きかけることが、胎児の前頭葉の発達をうながします。それが、豊かな心をつくる基の種を植え込むことになって、誕生後、心の中に花がさくことになります。
■4.「おなかの赤ちゃんに会いに行く」
同じく親学会副会長の小児科医・高橋えみ子さんは、自身で「胎教」の指導をしている。それはやはり井深氏が提唱したように、母親と胎児との心のつながりを作る事を目的としている。
胎児に話しかけると動いて反応を示すので、妊婦は「嬉しかった」「暖かい気持ちになった」「安心できた」という経験ができて、心の安定につながるという。こういう胎教を通じて、生まれる前から赤ちゃんへの愛情が深まっていく。
さらに高橋さんは、母親と父親に対するクラスで、「おなかの赤ちゃんに会いに行く」というイメージ・トレーニングを行っている。
妊婦は楽な姿勢で床に座り、おなかに手を当て、夫は隣か後ろに寄り添い、妻と手を重ねる。部屋を暗くして、目を閉じ、ゆっくり深呼吸する。子宮の中の音を録音したCDをかけ、高橋さんは心をこめて語りかける。[2,p39]
さあ、これから子宮への旅に出て、あなたの赤ちゃんに会いに行きましょう。そこは静かな海の中、暗くて暖かくて安全な所、聖なる場所です。
もうすっかり人間の姿をした赤ちゃんが眠っています。お母さんの血液の流れや心臓の音が聞こえています。赤ちゃんはじっと耳を傾けていますよ。
「私がママよ」「僕がパパだよ」「パパもママもあなたをとっても愛しています。大事に大事に育てますから無事に生まれてきてくださいね」。
どうぞ、あなたの心の声で話しかけてあげてください・・・ 今、パパとママと赤ちゃんの心は一つです。とても幸せな時間です。
瞑想の最中に涙を流す人がいる。柔らかな表情を浮かべ、微笑みあうカップルがいる。その幸せな心持ちは、お腹の中の赤ちゃんにも通じているだろう。
■5.誕生直後の赤ちゃんは五感の能力で母親と結びつく
こうして生まれてきた赤ちゃんは、誕生直後から、見る、聞く、味わう、嗅(か)ぐ、触れるという五感の能力を持っていることが、さまざまな実験で明らかにされている。
生まれた直後でも目を開いて見ることができるし、母親の声を聞き分け、母乳の味や匂いも識別できる。この事実から、同じく親学会副会長の高橋史朗・明星大学教授は、次のような指摘をしている。[2,p307
これらの能力が生得的に備わっているということは、新生児が誕生直後から母親と結びつくことの重要性を示唆しています。百パーセント母親に頼りきらねばならない新生児にとって、最も基本となる感覚を通しての生物学的な母親との結びつきは最も安心感を得るものです。
すなわち、肌と肌を接触させること、目と目で見つめ合うこと、声で語りかけること、母乳を味わうことといった感覚的な接触や交流が、その後の成長の各段階を支える基盤になるのです。
その安心感と信頼感は、一生を通して人間に対する信頼感のベースになります。新生児の五感の能力に応えるように母親が語りかければ、母子の結合は誕生直後から確固としたものになります。
■6.「愛情がフツフツとわいてきて」
五感を通じた母子の結びつきを実現する一つの方法が「カンガルーケア」である。これは、誕生直後の赤ちゃんを母親が抱き、直接肌を触れ合うという方法である。
1979(昭和54)年に、南米コロンビアで二人の小児科医によって考案された。当初は保育器が不足していて、未熟児の体温低下を防ぐために始めたられたのだが、母と子の心の安定、きずな作りに効果があることが分かった。
高橋副会長の医院でも、初めてカンガルーケアをした時、産声を上げた赤ちゃんが母親に抱かれると、すぐに泣きやんで穏やかになる事にスタッフ一同驚いたという。体験した母親の一人は、次のような感想を述べている。[1,p44]
今回、生まれてすぐに抱っこして過ごした時間がとても幸せでした。安心できてうれしいひと時で、愛情がフツフツとわいてきて、愛しい気持ちでいっぱいになりました。これからの子育てで何があっても、このときのことを思い出して乗り越えていけると思います。
米国では、新生児医療の発達に伴って、未熟児を長い間、保育器に入れることで死亡率を激減させたが、その反面、保育器で赤ちゃんが外との接触を断たれることから、親子の結びつきがうまくいかず、幼児虐待が多発して、社会問題となった。
メス猿は、出産直後に子猿から一度隔離されると、後で子猿を戻しても育てなくなるという。愛情を求めて子猿が近寄っても、メス猿は自分の子供への愛情を持っていないので、邪険にして追い払ってしまう。
カンガルーケアなどにより、母子のしっかりとした絆ができれば、冒頭に紹介した母親による幼児虐待なども相当程度、防げるのではないか。
■7.周りとの接触を断たれると「サイレント・べービー」になる
また、いくつかの研究によって、新生児が生後長時間、周りとの接触が断たれていると、感覚能力が育たないことが分かってきた。さらに、笑わない、泣かない、表情が乏しい、親と視線を合わせないなどの特徴を持った「サイレント・べービー」になりやすい事が分かった。
ユニセフの2001(平成13)年『世界子供白書』には、次のような一節がある。[2,p303]
子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する。・・・
母親が手のひらで隠していた顔を突然のぞかせたとき、強い期待をもって見つめていた赤ちゃんが喜びの声をあげるのを見たことがあるだろうか。この簡単に見える動作が繰り返されるとき、発達中の子どもの脳のなかの数千の細胞が数秒のうちにそれに反応して、大いに劇的に何かが起こる。・・・
だが子どもが生後最初の数年間に受ける愛情に満ちたケアや養育、あるいは、そうした大事な経験がないことが幼い心に消すことができない刻印を残すことになる。
乳幼児期に、母子がしっかりと愛情の絆で結ばれない事が、双方にとって、不幸な結果をもたらすのである。
■8.人から愛された子供が、人を愛することができる子供に育つ
以上の様々な体験談や研究結果を知れば、「人間は生命誕生の瞬間から愛に飢えている」というイタリアの乳児教育学者マリア・モンテッソーリの言葉が心に響いてくるだろう。この言葉を引用して、益田副会長は次のように説いている。
この世に声を上げて誕生したとき、愛されていることの喜びを教えてあげることこそ、子供にとって何にも勝るすばらしいことなのです。人から愛された子供が、人を愛することができる子供に育つのです。・・・
愛された記憶を人間形成の最初の意識に植え込むことから教育が始まります。人を愛する心を育むことこそ、子供の成長にとっていちばん大切なことです。「愛されてこそ愛を知る教育」だといえます。
愛されて、人を愛することができようななった子供は、大人になったら、また自分の子を愛して育てるだろう。それが幸福な家庭への近道、そして幸福な社会への近道なのである。
(文責:伊勢雅臣)
平成17年頃の高橋史朗先生のご尊顔
はじめてお会いした時に、明治天皇を思い起こしてしまいました
はじめてお会いした時に、明治天皇を思い起こしてしまいました
「親が変われば、子供も変わる」
全国初の親学推進議連が発足
沖縄県親学推進議員連盟が6月11日、発足した。親学の議連が発足したのは全国で初めて。沖縄県の小中学校の学力は全国で最下位レベルで、未成年者の深夜徘徊や未成年飲酒が原因の補導件数も全国ワーストとなるなど、子育てを取り巻く環境は厳しい状況にある。問題の根本解決のためには親が変わらなければならないとの認識を共有している。
(那覇支局・豊田 剛)
________________________________________
保育・教育環境の改善目指す
親学推進議連設立の趣旨説明をする県議会議員の佐喜真淳会長(奥右端)=6月11日、県議会自民党会派会議室
沖縄県親学推進議連は、超党派の県議会議員、市町村議員で構成。相談役に島尻安伊子参院議員、会長に佐喜真淳県議会議員が就任した。今年5月に行われたNPO法人「沖縄の教育を考える会」主催の親学議員セミナーの後、内容や理念に共感した議員らが、認識を高めお互いの連携を深めたいとの理由で議連の発足に至った。
親学は、「親が変われば、子どもも変わる」をテーマに、「親になるための学び」と「親としての学び」を提供するもの。議連は、親学を広く浸透させ保育・教育環境の拡充・改善を図ることを活動目的としている。
親学は、発達段階に応じた親子の関わりの大切さを訴え、伝統的子育ての知恵を科学的知見から再発見して取り戻すことによって、家族や地域社会における人と人との絆を回復することを目指している。こうした取り組みによって虐待の防止および発達障害の早期発見にもつながると期待されている。
議連が発足してから初めての親学講演会(沖縄の教育を考える会主催)が18日、豊見城市中央公民館で開かれた。後援団体には同議連のほか、那覇市教育委員会、浦添市教育委員会、豊見城教育委員会、嘉手納町教育委員会、日本保育協会沖縄支部、日本青年会議所沖縄地区協議会、那覇商工会議所青年部、一般財団法人親学推進協会が名を連ねた。
沖縄の教育を考える会は2006年、イデオロギーにとらわれない青少年健全育成を目指す目的で元教師や教育関係者、事業家らによって立ち上げられた。同会の崎山用豊会長は主催者あいさつで、「昨年は過去最悪の約5500人の教師がうつ病など休職した」と述べ、学校現場の厳しい現実を紹介。根本的な問題は家庭にあると指摘した。その上で、「回を重ねるうちに親学の認知度が高まった」と議連の発足を素直に喜んだ。
佐喜真淳会長は、「沖縄が教育立県となるべくして議連を立ち上げた。今後、ソフト面を充実させることが大事だ」と強調。親学の理念の浸透に期待を示している。
県、市町村、教育委に提言へ
沖縄県親学推進議員連盟会長 佐喜真淳県議に聞く
――沖縄で親学推進議員連盟を立ち上げた理由は。
過去3回、親学議員セミナーを開催。親学の理念に共感した議員が横の連携を強めるべきだということで、超党派の議連が発足した。沖縄本島全域と石垣島、宮古島から約50人が参加した。
――議連発足によってどのような効果を期待しているか。
全国で初めての例になり、試行錯誤することになるだろう。県、市町村、地域に根差した教育行政を提言したい。地域の子育て環境を少しでも良くしたい。いいものはいいものとして積極的に取り上げていく。
今後は、定期的に勉強会や講座を行い、機会があれば親学先進地視察もしたい。教育委員会や県の福祉保健部にも働きかけていきたい。
――沖縄の子育て環境の現状をどう見るか。
沖縄県は離婚率と母子家庭率は全国一多く、深夜型社会が深刻で、子育て環境が崩れている。それに加えて、全国学力テストでワーストワンが続いている。悪い伝統・習慣を改善する必要があるが、その前に悪くなった要因を検証し、明確な方向付けをする必要がある。子供にとっての一番の原点は家庭で、次に地域、社会、学校が来る。問題を一つずつ克服していけば、子育て環境は必ず良くなる。
――「沖縄の教育を考える会」が発足した当時、高橋史朗氏を講師に呼ぶことに対する反対圧力があった。
偏った政党的イデオロギーによって一番大切な部分である教育が反対・拒否されるのは良くない。親としてのあり方、伝統的子育てを含めて、現役子育て世代と後世に良い環境を整えていく必要がある。
自虐史観教育を含め、駄目だ駄目だと言って否定的なことばかり教えていれば、後ろ向きの考え方になる。そうではなく、将来を担う力強い子供たちを育て上げることが大事だ。
(世界日報掲載:6月26日)
全国初の親学推進議連が発足
沖縄県親学推進議員連盟が6月11日、発足した。親学の議連が発足したのは全国で初めて。沖縄県の小中学校の学力は全国で最下位レベルで、未成年者の深夜徘徊や未成年飲酒が原因の補導件数も全国ワーストとなるなど、子育てを取り巻く環境は厳しい状況にある。問題の根本解決のためには親が変わらなければならないとの認識を共有している。
(那覇支局・豊田 剛)
________________________________________
保育・教育環境の改善目指す
親学推進議連設立の趣旨説明をする県議会議員の佐喜真淳会長(奥右端)=6月11日、県議会自民党会派会議室
沖縄県親学推進議連は、超党派の県議会議員、市町村議員で構成。相談役に島尻安伊子参院議員、会長に佐喜真淳県議会議員が就任した。今年5月に行われたNPO法人「沖縄の教育を考える会」主催の親学議員セミナーの後、内容や理念に共感した議員らが、認識を高めお互いの連携を深めたいとの理由で議連の発足に至った。
親学は、「親が変われば、子どもも変わる」をテーマに、「親になるための学び」と「親としての学び」を提供するもの。議連は、親学を広く浸透させ保育・教育環境の拡充・改善を図ることを活動目的としている。
親学は、発達段階に応じた親子の関わりの大切さを訴え、伝統的子育ての知恵を科学的知見から再発見して取り戻すことによって、家族や地域社会における人と人との絆を回復することを目指している。こうした取り組みによって虐待の防止および発達障害の早期発見にもつながると期待されている。
議連が発足してから初めての親学講演会(沖縄の教育を考える会主催)が18日、豊見城市中央公民館で開かれた。後援団体には同議連のほか、那覇市教育委員会、浦添市教育委員会、豊見城教育委員会、嘉手納町教育委員会、日本保育協会沖縄支部、日本青年会議所沖縄地区協議会、那覇商工会議所青年部、一般財団法人親学推進協会が名を連ねた。
沖縄の教育を考える会は2006年、イデオロギーにとらわれない青少年健全育成を目指す目的で元教師や教育関係者、事業家らによって立ち上げられた。同会の崎山用豊会長は主催者あいさつで、「昨年は過去最悪の約5500人の教師がうつ病など休職した」と述べ、学校現場の厳しい現実を紹介。根本的な問題は家庭にあると指摘した。その上で、「回を重ねるうちに親学の認知度が高まった」と議連の発足を素直に喜んだ。
佐喜真淳会長は、「沖縄が教育立県となるべくして議連を立ち上げた。今後、ソフト面を充実させることが大事だ」と強調。親学の理念の浸透に期待を示している。
県、市町村、教育委に提言へ
沖縄県親学推進議員連盟会長 佐喜真淳県議に聞く
――沖縄で親学推進議員連盟を立ち上げた理由は。
過去3回、親学議員セミナーを開催。親学の理念に共感した議員が横の連携を強めるべきだということで、超党派の議連が発足した。沖縄本島全域と石垣島、宮古島から約50人が参加した。
――議連発足によってどのような効果を期待しているか。
全国で初めての例になり、試行錯誤することになるだろう。県、市町村、地域に根差した教育行政を提言したい。地域の子育て環境を少しでも良くしたい。いいものはいいものとして積極的に取り上げていく。
今後は、定期的に勉強会や講座を行い、機会があれば親学先進地視察もしたい。教育委員会や県の福祉保健部にも働きかけていきたい。
――沖縄の子育て環境の現状をどう見るか。
沖縄県は離婚率と母子家庭率は全国一多く、深夜型社会が深刻で、子育て環境が崩れている。それに加えて、全国学力テストでワーストワンが続いている。悪い伝統・習慣を改善する必要があるが、その前に悪くなった要因を検証し、明確な方向付けをする必要がある。子供にとっての一番の原点は家庭で、次に地域、社会、学校が来る。問題を一つずつ克服していけば、子育て環境は必ず良くなる。
――「沖縄の教育を考える会」が発足した当時、高橋史朗氏を講師に呼ぶことに対する反対圧力があった。
偏った政党的イデオロギーによって一番大切な部分である教育が反対・拒否されるのは良くない。親としてのあり方、伝統的子育てを含めて、現役子育て世代と後世に良い環境を整えていく必要がある。
自虐史観教育を含め、駄目だ駄目だと言って否定的なことばかり教えていれば、後ろ向きの考え方になる。そうではなく、将来を担う力強い子供たちを育て上げることが大事だ。
(世界日報掲載:6月26日)
2011・6・11 沖縄県親学推進議員盟設立総会 報告
本日の午後1時より沖縄県議会の執行部職員控室にて、約30人の参加により、設立総会が開催されました。プレスは琉球新報・沖縄タイムス・世界日報でした。
議連に登録された名簿は、50人を越えています。
冒頭、佐喜眞 淳県議会議員より、議連が発足するまでになった経緯が説明されました。当会が、2009年11月、2010・5、2011・3に議員セミナーを開催し、受講された意識の高い議員から議連の発足の意見が上がるまでの説明がなされました。また、この議連を通して時代の要請に応えたい旨の説明でした。
会は、那覇市議の屋良栄作氏の司会進行で進められました。
設立趣旨説明を県議会議員の中川京貴氏が、役員の選出案を島袋 大県議会議員が発表し承認されました。相談役に島尻安伊子参議院議員、会長に佐喜眞淳県議、副会長に中川京貴県議と島袋 大県議、事務局長に屋良栄作市議、幹事長に又吉 栄市議、事務局長代理に砥板芳行市議と徳元次人市議が選出されました。
また、名護市・沖縄市・宜野湾市・嘉手納町・西原町・那覇市・豊見城市・石垣市より1名ずつ幹事が選出されました。
会長の佐喜眞氏が議連の最初の取り組みが一週間後の豊見城市の講演会なので、皆さんのお力を結集して成功させましょうと挨拶がありました。
会の終了間際、西原町議の前里光信氏(前議長)から我々も講演会を積極的に手伝おうという提案がなされ、当日12時30分の集合となりました。参加者で記念撮影をし、総会は50分程度で終了しました。(2時46分から県庁前県民広場にて福島産野菜のチャリティ販売の準備の為)
型通りに進められた設立総会ではありましたが、議連の皆さんの意欲とエネルギーを感じさせられました。
NPO沖縄の教育を考える会からは、親学推進協会の協力で提供頂いた、親学の小冊子と講演会のチラシを配りましたが、皆さん関心が高く、受け取っておられました。
*明日の沖縄タイムス朝刊に親学講演会の広告が掲載されます。*
以上
錦古里
本日の午後1時より沖縄県議会の執行部職員控室にて、約30人の参加により、設立総会が開催されました。プレスは琉球新報・沖縄タイムス・世界日報でした。
議連に登録された名簿は、50人を越えています。
冒頭、佐喜眞 淳県議会議員より、議連が発足するまでになった経緯が説明されました。当会が、2009年11月、2010・5、2011・3に議員セミナーを開催し、受講された意識の高い議員から議連の発足の意見が上がるまでの説明がなされました。また、この議連を通して時代の要請に応えたい旨の説明でした。
会は、那覇市議の屋良栄作氏の司会進行で進められました。
設立趣旨説明を県議会議員の中川京貴氏が、役員の選出案を島袋 大県議会議員が発表し承認されました。相談役に島尻安伊子参議院議員、会長に佐喜眞淳県議、副会長に中川京貴県議と島袋 大県議、事務局長に屋良栄作市議、幹事長に又吉 栄市議、事務局長代理に砥板芳行市議と徳元次人市議が選出されました。
また、名護市・沖縄市・宜野湾市・嘉手納町・西原町・那覇市・豊見城市・石垣市より1名ずつ幹事が選出されました。
会長の佐喜眞氏が議連の最初の取り組みが一週間後の豊見城市の講演会なので、皆さんのお力を結集して成功させましょうと挨拶がありました。
会の終了間際、西原町議の前里光信氏(前議長)から我々も講演会を積極的に手伝おうという提案がなされ、当日12時30分の集合となりました。参加者で記念撮影をし、総会は50分程度で終了しました。(2時46分から県庁前県民広場にて福島産野菜のチャリティ販売の準備の為)
型通りに進められた設立総会ではありましたが、議連の皆さんの意欲とエネルギーを感じさせられました。
NPO沖縄の教育を考える会からは、親学推進協会の協力で提供頂いた、親学の小冊子と講演会のチラシを配りましたが、皆さん関心が高く、受け取っておられました。
*明日の沖縄タイムス朝刊に親学講演会の広告が掲載されます。*
以上
錦古里
平成15年に友人らとまちづくり振興会という任意団体を立ち上げました。
当時の沖縄県の青少年問題が深刻さを増してゆく様を見ていたからです。
未成年者の喫煙や飲酒の状況は酷いものでした
高校生が、校門の正面で喫煙していたり、中学生が集団でたばこを吸いながら闊歩しておりました
見かけて、時間的な余裕のある時には、「君たち、未成年だよね。たぼこ吸っちゃまずいでしょう。何処の学校?何年何組?」と聞きながら話しかけることも致しましたが、一人ではどうしようもありませんでした。
そんな中、SACO合意からすでに7年を迎えるというのに(5年から7年で返還の日米合意がなされたはず)普段から普天間基地の危険性を訴えている活動家らが何もしていないことに不愉快な思いが湧くようになりました
ある友人にこの思いをぶつけると、それでは地元宜野湾市の市議会議員らの話を聞いてみようということになりました
有志等は10名弱集まった中に、二名の議員を呼び、現状とこれからどのようななるのかとその見通しを聞きました
様々、聞く中で、当時の革新地長やその支持団体が恣意的に、基地を固定化の方向にもっていっていることを普天間第二小学校移転中止の経緯などから納得できる説明を受けました
また、基地反対運動をすることにより選挙運動をし易くする為に、歴史の捏造や歪曲をも行ってい、県民感情をミスリードしているという話も納得できるものでした
結局、我々が足元から出来ることに取り組み、地域を良くする運動を始めようということになり、「まちづくり振興会」を立ち上げることになりました
そして、未成年者の喫煙を防止する対策のために当時まだタスポ(ICカード)が無く、自販機からの違法な購入を防止させることに取り組みました
また、出会い系サイトによる性被害の防止、夜間俳諧の防止のために巡回も行うことにしました
そうしている内に、中学校の校長から話があるので来てくれとの連絡を貰いました
会うなり、文科省の子どもの居場所づくりという事業が始まるので、この学校で担当して欲しいとの事でした
校長曰く「塾に行っている生徒やクラブ活動をしている生徒には、居場所があります。しかし、ヤンキーの生徒らは居場所がありません。文科省の通達とは違ってしまうが、この事業の対象をヤンキース生徒に絞って引き受けてくれませんか?」ということでした
私は、二つ返事で「それでしたら、私たちが取り組んでいることと思いは一つなので、やらせて貰います」と承諾しました
ところが、申請期限まで3日間しな残っていないと明かされ、後輩格の友人と徹夜で申請書類をしたためました
この事業が、NPO法人沖縄の教育を考える会へとつながって行きました
当時の沖縄県の青少年問題が深刻さを増してゆく様を見ていたからです。
未成年者の喫煙や飲酒の状況は酷いものでした
高校生が、校門の正面で喫煙していたり、中学生が集団でたばこを吸いながら闊歩しておりました
見かけて、時間的な余裕のある時には、「君たち、未成年だよね。たぼこ吸っちゃまずいでしょう。何処の学校?何年何組?」と聞きながら話しかけることも致しましたが、一人ではどうしようもありませんでした。
そんな中、SACO合意からすでに7年を迎えるというのに(5年から7年で返還の日米合意がなされたはず)普段から普天間基地の危険性を訴えている活動家らが何もしていないことに不愉快な思いが湧くようになりました
ある友人にこの思いをぶつけると、それでは地元宜野湾市の市議会議員らの話を聞いてみようということになりました
有志等は10名弱集まった中に、二名の議員を呼び、現状とこれからどのようななるのかとその見通しを聞きました
様々、聞く中で、当時の革新地長やその支持団体が恣意的に、基地を固定化の方向にもっていっていることを普天間第二小学校移転中止の経緯などから納得できる説明を受けました
また、基地反対運動をすることにより選挙運動をし易くする為に、歴史の捏造や歪曲をも行ってい、県民感情をミスリードしているという話も納得できるものでした
結局、我々が足元から出来ることに取り組み、地域を良くする運動を始めようということになり、「まちづくり振興会」を立ち上げることになりました
そして、未成年者の喫煙を防止する対策のために当時まだタスポ(ICカード)が無く、自販機からの違法な購入を防止させることに取り組みました
また、出会い系サイトによる性被害の防止、夜間俳諧の防止のために巡回も行うことにしました
そうしている内に、中学校の校長から話があるので来てくれとの連絡を貰いました
会うなり、文科省の子どもの居場所づくりという事業が始まるので、この学校で担当して欲しいとの事でした
校長曰く「塾に行っている生徒やクラブ活動をしている生徒には、居場所があります。しかし、ヤンキーの生徒らは居場所がありません。文科省の通達とは違ってしまうが、この事業の対象をヤンキース生徒に絞って引き受けてくれませんか?」ということでした
私は、二つ返事で「それでしたら、私たちが取り組んでいることと思いは一つなので、やらせて貰います」と承諾しました
ところが、申請期限まで3日間しな残っていないと明かされ、後輩格の友人と徹夜で申請書類をしたためました
この事業が、NPO法人沖縄の教育を考える会へとつながって行きました
宜野湾市のNPO「まちづくり振興会」
地域の大人結束、「怠学生徒」激減
平成19年3月26日世界日報報道
沖縄県は、少年の深夜徘徊(はいかい)、飲酒、喫煙、犯罪が顕著だ。中でも宜野湾市は、少年犯罪の数字で県内でもワーストワンと言われる地域。「少年の健全育成を地元から」と、地域の大人たちが数年前から連携して取り組み、怠学生徒を激減させるなど、着実に成果を上げている。現在は、たばこの害から子供たちを守る運動に懸命だ。
(鴨野 守)
________________________________________
青年団が親子の「仲介役」に
「おやじの会」連絡協で喫煙問題を改善
宜野湾市の青年団も加わって盛大に行われた沖縄の伝統的な踊り「エイサー」=平成16年8月30日(錦古里氏提供)
活動の中心を担ってきたのは、NPO「まちづくり振興会」。事務局長の錦古里正一氏(52)は十四年前、妻の出身地である沖縄に引っ越してきて驚いた。卒業式・入学式で生徒も教師も、出席した父母も国歌を斉唱しない。学芸会や意見発表会で「定番」の反戦平和をテーマにした出し物。行き過ぎた人権教育は、反権威・反権力の色合いをおびる。やがてそのような教育を受けた子供たちは、大人社会全般に反発し、その大人から真剣に学ぼうという姿勢が消えてしまう。過度の人権平和教育に力を入れて学力崩壊した広島県が典型的なケースだ。
沖縄には沖教組、基地問題を抱えての反米・反政府ムードに加え、夜遅い子供の外出にも無頓着であるなど保護者が躾(しつけ)に熱心でないことが、少年非行を助長させているといえよう。沖縄の場合、昨年の発表では中学生の補導は全国平均の九倍でワーストワンという有様だ。
こうした事態に危機感を抱いた錦古里氏は数年前から、仲間とまず週末に商店街などの深夜巡回をスタート。また出会い系サイトによる性被害や未成年の喫煙問題について勉強を進めている中、三年前、地元の嘉数中学(生徒数八百五十人)から相談を受けた。
「クラブや塾に通う生徒には放課後、居場所はあるが、さぼり気味な生徒や非行少年などの『怠学生徒』に居場所がない。彼らを何とかしてあげたい」
教師や保護者だけでなく、青年団の力を借りることにした。青年団が中心に行っている沖縄の伝統的な踊り「エイサー」を学校の運動会に取り入れた。
青年団にクリスマス会、釣り大会、ボクシング観戦、餅つきなどに積極的に参加してもらった。初めは無表情だった生徒たちも半年、一年の交流の中で自分の身の上を語るようになり、「ヤンキーやめる」などと心境の変化もうまれた。
親と子供には三十歳近い年齢差がある。そこに青年団が「仲介役」として入ることで良いつながりができた、という錦古里氏。「彼らは大人の気持ちも子供の事情もよく見えている立場だったのです」とも。
また、郷土史の勉強会も開いた。「子供たちが悩んだ時、自分以上に苦労した先人の生き方を学ぶことで克服してほしい、と願ったからです」(錦古里氏)
中学の主任や校長らは、行事を見学して驚いた。学校では見ることのなかった生き生きとした表情に出会ったからだ。「自分たちには見せない顔があると気づきました」。地道な活動を続けた結果、男女合わせて約三十人ほどいた「怠学生徒」がいなくなったという。
ただ、教師は人事異動で数年後には別の学校へ。PTA活動も、保護者は子供が学校を卒業すればかかわらない。一方、子供たちの問題行動も学区を超えている。
こうした事態に対処するため、PTAとは別に市内四つの「おやじの会」が連携した連絡協議会が平成十七年七月に発足した。
昨年から力を入れているのが、喫煙問題だ。「少年非行の始まりは第一に深夜徘徊、次に喫煙」と言われている。県でも防犯・安全対策の一環として「ちゅらさん運動」を進め、沖縄県医師会も「たばこの健康被害撲滅運動」を宣言し、県民の意識も高かった。
すでに二度、この問題で講演会を開いてきた錦古里氏らは、まず未成年の九割がたばこを購入している自販機の管理の適正化について取り組んだ。平成十六年二月、自販機の設置位置が基準に合っているか、また午後十一時から早朝六時までの自販機の販売停止措置という自主規制が守られているか、などを調べた「たばこ自販機マップ」を市内約七割のエリアで作成。
その実態を踏まえて昨年、自販機を管轄する沖縄総合事務局の財務部や、沖縄県たばこ卸売事業組合に改善策を要望した。
錦古里氏は訴える。「子供の問題は、大人の問題でもある。沖縄の未来を担う少年たちが健全に育ち、郷土を愛し、地域の発展のために頑張ってほしい。そのために、警察、行政、学校、地域、家庭が強いネットワークを作っていけるよう努力したい」
沖縄県内には現在、自主防犯ボランティアが二百八十二団体(八千三百八十人)あり、県警の努力もあって、犯罪発生件数は平成十五年から三年連続減少し、八年ぶりに二万件台を下回った。
だが、少年犯罪は中学生が約六割を占め、万引きが多いなどまだまだ楽観できない状況だ。
地域の大人結束、「怠学生徒」激減
平成19年3月26日世界日報報道
沖縄県は、少年の深夜徘徊(はいかい)、飲酒、喫煙、犯罪が顕著だ。中でも宜野湾市は、少年犯罪の数字で県内でもワーストワンと言われる地域。「少年の健全育成を地元から」と、地域の大人たちが数年前から連携して取り組み、怠学生徒を激減させるなど、着実に成果を上げている。現在は、たばこの害から子供たちを守る運動に懸命だ。
(鴨野 守)
________________________________________
青年団が親子の「仲介役」に
「おやじの会」連絡協で喫煙問題を改善
宜野湾市の青年団も加わって盛大に行われた沖縄の伝統的な踊り「エイサー」=平成16年8月30日(錦古里氏提供)
活動の中心を担ってきたのは、NPO「まちづくり振興会」。事務局長の錦古里正一氏(52)は十四年前、妻の出身地である沖縄に引っ越してきて驚いた。卒業式・入学式で生徒も教師も、出席した父母も国歌を斉唱しない。学芸会や意見発表会で「定番」の反戦平和をテーマにした出し物。行き過ぎた人権教育は、反権威・反権力の色合いをおびる。やがてそのような教育を受けた子供たちは、大人社会全般に反発し、その大人から真剣に学ぼうという姿勢が消えてしまう。過度の人権平和教育に力を入れて学力崩壊した広島県が典型的なケースだ。
沖縄には沖教組、基地問題を抱えての反米・反政府ムードに加え、夜遅い子供の外出にも無頓着であるなど保護者が躾(しつけ)に熱心でないことが、少年非行を助長させているといえよう。沖縄の場合、昨年の発表では中学生の補導は全国平均の九倍でワーストワンという有様だ。
こうした事態に危機感を抱いた錦古里氏は数年前から、仲間とまず週末に商店街などの深夜巡回をスタート。また出会い系サイトによる性被害や未成年の喫煙問題について勉強を進めている中、三年前、地元の嘉数中学(生徒数八百五十人)から相談を受けた。
「クラブや塾に通う生徒には放課後、居場所はあるが、さぼり気味な生徒や非行少年などの『怠学生徒』に居場所がない。彼らを何とかしてあげたい」
教師や保護者だけでなく、青年団の力を借りることにした。青年団が中心に行っている沖縄の伝統的な踊り「エイサー」を学校の運動会に取り入れた。
青年団にクリスマス会、釣り大会、ボクシング観戦、餅つきなどに積極的に参加してもらった。初めは無表情だった生徒たちも半年、一年の交流の中で自分の身の上を語るようになり、「ヤンキーやめる」などと心境の変化もうまれた。
親と子供には三十歳近い年齢差がある。そこに青年団が「仲介役」として入ることで良いつながりができた、という錦古里氏。「彼らは大人の気持ちも子供の事情もよく見えている立場だったのです」とも。
また、郷土史の勉強会も開いた。「子供たちが悩んだ時、自分以上に苦労した先人の生き方を学ぶことで克服してほしい、と願ったからです」(錦古里氏)
中学の主任や校長らは、行事を見学して驚いた。学校では見ることのなかった生き生きとした表情に出会ったからだ。「自分たちには見せない顔があると気づきました」。地道な活動を続けた結果、男女合わせて約三十人ほどいた「怠学生徒」がいなくなったという。
ただ、教師は人事異動で数年後には別の学校へ。PTA活動も、保護者は子供が学校を卒業すればかかわらない。一方、子供たちの問題行動も学区を超えている。
こうした事態に対処するため、PTAとは別に市内四つの「おやじの会」が連携した連絡協議会が平成十七年七月に発足した。
昨年から力を入れているのが、喫煙問題だ。「少年非行の始まりは第一に深夜徘徊、次に喫煙」と言われている。県でも防犯・安全対策の一環として「ちゅらさん運動」を進め、沖縄県医師会も「たばこの健康被害撲滅運動」を宣言し、県民の意識も高かった。
すでに二度、この問題で講演会を開いてきた錦古里氏らは、まず未成年の九割がたばこを購入している自販機の管理の適正化について取り組んだ。平成十六年二月、自販機の設置位置が基準に合っているか、また午後十一時から早朝六時までの自販機の販売停止措置という自主規制が守られているか、などを調べた「たばこ自販機マップ」を市内約七割のエリアで作成。
その実態を踏まえて昨年、自販機を管轄する沖縄総合事務局の財務部や、沖縄県たばこ卸売事業組合に改善策を要望した。
錦古里氏は訴える。「子供の問題は、大人の問題でもある。沖縄の未来を担う少年たちが健全に育ち、郷土を愛し、地域の発展のために頑張ってほしい。そのために、警察、行政、学校、地域、家庭が強いネットワークを作っていけるよう努力したい」
沖縄県内には現在、自主防犯ボランティアが二百八十二団体(八千三百八十人)あり、県警の努力もあって、犯罪発生件数は平成十五年から三年連続減少し、八年ぶりに二万件台を下回った。
だが、少年犯罪は中学生が約六割を占め、万引きが多いなどまだまだ楽観できない状況だ。
タグ :新聞記事
「沖縄の教育を考える会」設立 脱イデオロギーの教育改革を
2006年4月29日 世界日報報道
沖縄県教育委員会(仲宗根用英教育長)が二〇〇四年四月から行っている「子どもの居場所づくり推進」事業が、県の財政難などで縮小を余儀なくされている。その一方で、イデオロギーにとらわれない青少年健全育成を目指す「沖縄の教育を考える会」(会長=菊地藤吉・総合教育研究所会長)が設立されるなど、民間レベルの教育改革が動きだした。「子どもの居場所づくり」活動の実態を探った。
(那覇支局・竹林春夫)
________________________________________
「親学」「師範塾」講座開設へ
新しい「子どもの居場所づくり」模索
「沖縄の教育を考える会」総会で承認された役員たち(演壇中央が菊地藤吉会長)=22日、那覇市内
県教委の「子どもの居場所づくり推進」事業は〇四年四月にスタートした。学校教育、家庭教育、地域(社会)教育のそれぞれの場に子供たちの心のよりどころとなる居場所をつくるために、合計二十五事業(〇四年度予算約四億四千三百万円)計画で実施された。
主な事業には、▽休学者や不登校の生徒のために「生徒のやる気支援コーディネーター」を配置し、家庭訪問や地域行事への参加を促して学校復帰を図る「生徒のやる気支援事業」(中学、高校)▽小学生の問題行動や不登校などを未然に防ぐために相談員を小学校に配置し、家庭訪問などによる児童の問題の早期発見・解決を図る「子どもと親の相談員」の配置▽問題を抱える青少年のための継続的活動の場づくり――などだ。
ところが、県教委は今年度から、県立高校のやる気支援コーディネーター事業の対象校を、従来の十一校から六校に減らした。もともと同事業は、三年間の「時限事業」で、その後は各校が独自に引き継ぎ発展させる計画だったが、県の財政難に加え、現場で「引き継ぐ」との声が上がっていないことなどから、今年度で打ち切られる可能性も出てきた。
県の県立学校教育課によると、コーディネーター事業予算は、〇四年度が千二百三万円、〇五年度が千七十五万円だった。しかし、今年度は八百九十二万円まで縮小した。財政難のほか、同事業にこれまで累計約二千八百万円を投じたが、事業の「費用対効果」が明確化されていないというのが予算削減の理由だ。
コーディネーターは、元教員や元警察官などが学校に一人配置される。不登校や休学している生徒の自宅を訪問して相談に乗るほか、そうした生徒を地域のボランティアや行事などに参加させ、就学意欲を高めて学校へ復帰させるのが主な仕事だ。
同課によると、この事業で〇五年度には、十一高校で二百二十一人の生徒に対し、五百二回の面談を実施。中退を考えていた生徒が転校で新たな学校生活を送ったほか、登校拒否の生徒が改善したりするなど、一定の効果を見せている。
コーディネーター事業は、「居場所づくり推進」事業の中心的な事業だけに、縮小または廃止された場合、行政の責任が問われかねない。「各校への説明や意思疎通が十分でなかったかもしれない」と、同課は努力不足を認めている。
だが、県教委は「現場の評判は良かったので廃止させたくない。早急に各校と相談してみたい」としており、具体的な目に見える形で効果を出せるか今年度が正念場だ。
「沖縄の教育を考える会」総会に先立ち「現場からの教育改革」をテーマに講演する高橋史朗氏=22日、那覇市内で
こうした中、沖縄県の教育を考え、青少年の健全育成を目的として活動する「沖縄の教育を考える会」が今月二十二日設立した。那覇市内で行われた設立総会には、元教師ら教育関係者のほか、事業家、労働組合員、一般父兄など約百二十人が参加した。
同会設立は、昨年二月に宜野湾市青少年健全育成協議会(嘉手苅善郎会長)の創立三十周年記念式典の行事として予定されていた明星大学教授の高橋史朗氏の講演会が、沖縄県教職員組合(沖教組)などによる講師変更運動によって中止になったのがきっかけだった。こうした動きに憤慨した市民や教育関係者、労働組合員が発起人となって沖縄に新しい青少年健全育成運動を起こそうと立ち上がった。昨年十一月に準備会を開催、これまで八回の会合を重ねて設立にこぎつけた。
同総会に先立ち、高橋氏が「現場からの教育改革」と題して講演。最近の青少年の非行、犯罪について、幼児、幼年期における脳の発達障害が原因と指摘、脳科学研究による人間性知能(HQ)を高める必要性を強調した。非行・犯罪防止には、家庭では、両親が温かい感性を持った親心を取り戻し、学校では教師が子供に対して夢と希望を与え、信念と情熱、チャレンジ精神を持ち、子供のやる気を引き出せる能力を身に付けることなどを挙げ、そのために感性教育、「親学」「師範塾」の重要性を訴えた。
総会では、(1)「親学」「師範塾」講座の開催(2)地域教育充実のための研究会として「コミュニティースクール」「チャレンジスクール」の研究など家庭、学校、地域を含めた「子どもの居場所づくり」と新しい教育改革運動の拡大などを確認した。
同会事務局長の大濱直之氏は「右とか左とかイデオロギーの視点ではなく、今の沖縄県の教育で何が問題で、どう解決しなければならないのかを、会員の研究と討議を通して自分たちが成長し、見付け出していく。これまでにない教育改革情報を沖縄県から発信できるようにしたい」と抱負を語った。
沖縄県では、〇四年の少年非行の検挙・補導人員が、一九七二年の本土復帰最高の三万七千に達した。また、刑法犯に占める中学生の割合が50%、補導総数のうち深夜はいかいが約70%を占めるなど、非行の低年齢化や沖縄特有の夜型社会など地域社会の問題が浮き彫りになったことで、少年の居場所づくりのための地域、学校、家庭の環境整備の必要性が叫ばれている。
県の生涯学習振興課は「子供にとって居場所の基本はあくまで家庭であり、学校。家族、先生の努力が重要で、行政はそれを支援する立場だ」と話す。
家庭と学校の崩壊が進みつつある昨今、親と教師の責任と努力が問われるのは間違いない。沖縄県では本土復帰後、日教組活動が活発化し、反戦平和教育を中心に過度のイデオロギー教育が行われてきたとの指摘がある中で、「沖縄の教育を考える会」が進める新しい教育運動に注目が集まっている。
2006年4月29日 世界日報報道
沖縄県教育委員会(仲宗根用英教育長)が二〇〇四年四月から行っている「子どもの居場所づくり推進」事業が、県の財政難などで縮小を余儀なくされている。その一方で、イデオロギーにとらわれない青少年健全育成を目指す「沖縄の教育を考える会」(会長=菊地藤吉・総合教育研究所会長)が設立されるなど、民間レベルの教育改革が動きだした。「子どもの居場所づくり」活動の実態を探った。
(那覇支局・竹林春夫)
________________________________________
「親学」「師範塾」講座開設へ
新しい「子どもの居場所づくり」模索
「沖縄の教育を考える会」総会で承認された役員たち(演壇中央が菊地藤吉会長)=22日、那覇市内
県教委の「子どもの居場所づくり推進」事業は〇四年四月にスタートした。学校教育、家庭教育、地域(社会)教育のそれぞれの場に子供たちの心のよりどころとなる居場所をつくるために、合計二十五事業(〇四年度予算約四億四千三百万円)計画で実施された。
主な事業には、▽休学者や不登校の生徒のために「生徒のやる気支援コーディネーター」を配置し、家庭訪問や地域行事への参加を促して学校復帰を図る「生徒のやる気支援事業」(中学、高校)▽小学生の問題行動や不登校などを未然に防ぐために相談員を小学校に配置し、家庭訪問などによる児童の問題の早期発見・解決を図る「子どもと親の相談員」の配置▽問題を抱える青少年のための継続的活動の場づくり――などだ。
ところが、県教委は今年度から、県立高校のやる気支援コーディネーター事業の対象校を、従来の十一校から六校に減らした。もともと同事業は、三年間の「時限事業」で、その後は各校が独自に引き継ぎ発展させる計画だったが、県の財政難に加え、現場で「引き継ぐ」との声が上がっていないことなどから、今年度で打ち切られる可能性も出てきた。
県の県立学校教育課によると、コーディネーター事業予算は、〇四年度が千二百三万円、〇五年度が千七十五万円だった。しかし、今年度は八百九十二万円まで縮小した。財政難のほか、同事業にこれまで累計約二千八百万円を投じたが、事業の「費用対効果」が明確化されていないというのが予算削減の理由だ。
コーディネーターは、元教員や元警察官などが学校に一人配置される。不登校や休学している生徒の自宅を訪問して相談に乗るほか、そうした生徒を地域のボランティアや行事などに参加させ、就学意欲を高めて学校へ復帰させるのが主な仕事だ。
同課によると、この事業で〇五年度には、十一高校で二百二十一人の生徒に対し、五百二回の面談を実施。中退を考えていた生徒が転校で新たな学校生活を送ったほか、登校拒否の生徒が改善したりするなど、一定の効果を見せている。
コーディネーター事業は、「居場所づくり推進」事業の中心的な事業だけに、縮小または廃止された場合、行政の責任が問われかねない。「各校への説明や意思疎通が十分でなかったかもしれない」と、同課は努力不足を認めている。
だが、県教委は「現場の評判は良かったので廃止させたくない。早急に各校と相談してみたい」としており、具体的な目に見える形で効果を出せるか今年度が正念場だ。
「沖縄の教育を考える会」総会に先立ち「現場からの教育改革」をテーマに講演する高橋史朗氏=22日、那覇市内で
こうした中、沖縄県の教育を考え、青少年の健全育成を目的として活動する「沖縄の教育を考える会」が今月二十二日設立した。那覇市内で行われた設立総会には、元教師ら教育関係者のほか、事業家、労働組合員、一般父兄など約百二十人が参加した。
同会設立は、昨年二月に宜野湾市青少年健全育成協議会(嘉手苅善郎会長)の創立三十周年記念式典の行事として予定されていた明星大学教授の高橋史朗氏の講演会が、沖縄県教職員組合(沖教組)などによる講師変更運動によって中止になったのがきっかけだった。こうした動きに憤慨した市民や教育関係者、労働組合員が発起人となって沖縄に新しい青少年健全育成運動を起こそうと立ち上がった。昨年十一月に準備会を開催、これまで八回の会合を重ねて設立にこぎつけた。
同総会に先立ち、高橋氏が「現場からの教育改革」と題して講演。最近の青少年の非行、犯罪について、幼児、幼年期における脳の発達障害が原因と指摘、脳科学研究による人間性知能(HQ)を高める必要性を強調した。非行・犯罪防止には、家庭では、両親が温かい感性を持った親心を取り戻し、学校では教師が子供に対して夢と希望を与え、信念と情熱、チャレンジ精神を持ち、子供のやる気を引き出せる能力を身に付けることなどを挙げ、そのために感性教育、「親学」「師範塾」の重要性を訴えた。
総会では、(1)「親学」「師範塾」講座の開催(2)地域教育充実のための研究会として「コミュニティースクール」「チャレンジスクール」の研究など家庭、学校、地域を含めた「子どもの居場所づくり」と新しい教育改革運動の拡大などを確認した。
同会事務局長の大濱直之氏は「右とか左とかイデオロギーの視点ではなく、今の沖縄県の教育で何が問題で、どう解決しなければならないのかを、会員の研究と討議を通して自分たちが成長し、見付け出していく。これまでにない教育改革情報を沖縄県から発信できるようにしたい」と抱負を語った。
沖縄県では、〇四年の少年非行の検挙・補導人員が、一九七二年の本土復帰最高の三万七千に達した。また、刑法犯に占める中学生の割合が50%、補導総数のうち深夜はいかいが約70%を占めるなど、非行の低年齢化や沖縄特有の夜型社会など地域社会の問題が浮き彫りになったことで、少年の居場所づくりのための地域、学校、家庭の環境整備の必要性が叫ばれている。
県の生涯学習振興課は「子供にとって居場所の基本はあくまで家庭であり、学校。家族、先生の努力が重要で、行政はそれを支援する立場だ」と話す。
家庭と学校の崩壊が進みつつある昨今、親と教師の責任と努力が問われるのは間違いない。沖縄県では本土復帰後、日教組活動が活発化し、反戦平和教育を中心に過度のイデオロギー教育が行われてきたとの指摘がある中で、「沖縄の教育を考える会」が進める新しい教育運動に注目が集まっている。
平成17年 宜野湾市青少年健全育成協議会は、30周年事業として、「子どもの居場所づくり」を演題として新しい歴史教科書をつくる会の元副会長の明細大学教授、高橋史朗先生を招聘することを事業の実行委員会で検討していました
ところが、委員の中から情報がもれ、騒動を引き起こすことになりました
『高橋史朗教授は、つくる会の者だ!青少協の事業にはふさわしくない。中止しろ!』
このように、教育委員会や青少年健全育成協議会に圧力を掛けてきたのは、沖縄教職員組合、自治労、普天間爆音訴訟、高教組等の所謂、左派の地方公務員や活動家たちでした
事業の実行委員長だった元宜野湾市教育長は、高橋史朗先生とある大学のスクーリングで顔なじみでしたが、圧力団体の勢いに「つくる会の元副会長とは知らなかっら」と嘘をついてしまいました
そして、数日後に謝罪する羽目となりました
やがて、青少協は、高橋史朗先生の招へいを取りやめすることを決定しました
我々は、この間に、
始まったばかりの 子どもの居場所づくり(文科省推進事業)を指導できる者が市にも県にも居なかった為、立ち上げた「はごろもAIKYOUスクール」の全メンバーは、高橋史朗先生の講演会を楽しみにしておりました
よって、新聞報道を見るなり、講演会は是非とも実施するように嘆願書を持参し、委員たちを励ましました
後々、判明した頃は、この講演会潰しに奔走した人物は、実行委員会の副会長であった反基地運動家のキリスト教の牧師でした
私共は、怠学生徒(ヤンキー呼ばれていた)が一校に十数人もいれば、先生たちは授業の予習もままならず、家庭訪問や生徒の指導に奔走しなければならないという事情を察して、助けてあげなければならないとこの子供の居場所づくりを引き受けました
ところが、沖縄県は文科省のこの事業に非協力的だったため、コーディネーターの養成もせず、現場のPTAや有志等に事業のことすら伝えておりませんでした
そういう事情で、苦労している先生たちの為に、ひと肌脱ごうと引き受けたものの、指導者が居なく困っている我々が、待ち望んだ講演会を潰しのが、沖教組、高教組の先生方と知り、
だったら、我々でこの講演会をやろうと平成17年9月9日にコンベンションセンターの近くにあった講演会場で140名ほど聴衆を集めて実施しました
翌日、その講演会に集った有志等と反省会を行う中で、「教育を考える会」を立ち上げることが決まりました
ところが、委員の中から情報がもれ、騒動を引き起こすことになりました
『高橋史朗教授は、つくる会の者だ!青少協の事業にはふさわしくない。中止しろ!』
このように、教育委員会や青少年健全育成協議会に圧力を掛けてきたのは、沖縄教職員組合、自治労、普天間爆音訴訟、高教組等の所謂、左派の地方公務員や活動家たちでした
事業の実行委員長だった元宜野湾市教育長は、高橋史朗先生とある大学のスクーリングで顔なじみでしたが、圧力団体の勢いに「つくる会の元副会長とは知らなかっら」と嘘をついてしまいました
そして、数日後に謝罪する羽目となりました
やがて、青少協は、高橋史朗先生の招へいを取りやめすることを決定しました
我々は、この間に、
始まったばかりの 子どもの居場所づくり(文科省推進事業)を指導できる者が市にも県にも居なかった為、立ち上げた「はごろもAIKYOUスクール」の全メンバーは、高橋史朗先生の講演会を楽しみにしておりました
よって、新聞報道を見るなり、講演会は是非とも実施するように嘆願書を持参し、委員たちを励ましました
後々、判明した頃は、この講演会潰しに奔走した人物は、実行委員会の副会長であった反基地運動家のキリスト教の牧師でした
私共は、怠学生徒(ヤンキー呼ばれていた)が一校に十数人もいれば、先生たちは授業の予習もままならず、家庭訪問や生徒の指導に奔走しなければならないという事情を察して、助けてあげなければならないとこの子供の居場所づくりを引き受けました
ところが、沖縄県は文科省のこの事業に非協力的だったため、コーディネーターの養成もせず、現場のPTAや有志等に事業のことすら伝えておりませんでした
そういう事情で、苦労している先生たちの為に、ひと肌脱ごうと引き受けたものの、指導者が居なく困っている我々が、待ち望んだ講演会を潰しのが、沖教組、高教組の先生方と知り、
だったら、我々でこの講演会をやろうと平成17年9月9日にコンベンションセンターの近くにあった講演会場で140名ほど聴衆を集めて実施しました
翌日、その講演会に集った有志等と反省会を行う中で、「教育を考える会」を立ち上げることが決まりました
2005年(平成17年)
9月9日(日)19:00〜
健康文化村フェストーネ
参加:140人 (新聞記事あり)
2006年
4月22日(土)
那覇市沖電ホール
参加:120人 (カラー新聞記事あり)
2007年(平成19年)
1.「親学」講演会の開催
(1)時期:2007年6月3日/2008年3月30日(2回開催) (宣伝記事あり)
(2)場所:カルチャーリゾート・フェストーネ(宜野湾市)
(3)講師:高橋史朗(明星大学教授)
(4)内容:「親学~親が変われば子どもも変わる~」について
(5)参加:会員、教育関係者、保育士、子育て支援団体など 計243名
2.親学講座の開催
(1)時期:2007年8月11日~10月13日/10回開催
(2)場所:総合教育研究所(南風原町)
(3)内容:心理カウンセラー有資格者を対象に親学の教材による講座
(4)参加:会員、教育関係者、保育士、子育て支援団体など 延べ160名
________________________________________
2008年8月8日(日)
親学講演会 (共催)
総合教育研究所
参加: 70人
12月28日
保育まつり (新聞記事あり)」
2009年3月22日(日) 平成21年
親学講演会 (第4回)
名護市 ホテル・ゆがふいんおきなわ新館
________________________________________
2009年(平成21年)
1.親学講演会
(1)日時:2009年6月21日 (5回)
(2)場所:カルチャーリゾート・フェスト?ネ
(3)参加人数:70名
(4)「親学」を通して沖縄の青少年問題を考える機会とした
2.師範塾研究会
(1)日時:2009年11月28日
(2)場所:レストラン・ブルースカイ
(3)参加者:13名
(4)内容:高橋史朗氏を招聘した研究会
3.師範塾準備会
(1)日時:2009年10月から11月
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:8名
(4)内容:準備委員による設立準備検討会
4.親学講座
(1)日時:2009年9月から12月 計10回
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:140名
(4)内容:親学アドバイザー育成のための講座実施
5.教育講演会
(1)日時:2009年12月6日
(2)場所:カルチャーリゾートファスト-ネ
(3)参加者:150名
(4)内容:山谷えり子氏による講演会
6.親学講演会 (第6回)
(1)日時:2010年3月14日
(2)場所:うるま市健康福祉センター「うるみん」
(3)参加人数:78名
(4)内容:教育に係る時事問題を討議
7.親学議員セミナー
(1)日時:2009年11月28日
(2)場所:ジュビランス
(3)参加者:30名
(4)内容:議員への親学の周知
・・・・・・・・・・・・
2010年
1.親学講演会を開催した。
(1)期間:2010年5月30日 (第7回)、2011年1月22日(第8回)
(2)場所:浦添市てだこホール、沖縄県立博物館
(3)参加者:父母、教師、保育士50名、80名
2.親学講座を開催した。
(1)期間:2010年8月31日~9月29日(5回)
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:24名/回(延120名)
3、親学議員セミナー
2010年5月29日
浦添市てだこホール多目的室
約60名
浦添市教育委員会より26人、自民党参議院議員、県連会長はじめ県議、市町村議員
2011年3月21日
県立美術館講座室
約50人 教育長2人参議院議員、県議会議院、市長、市町村議会議員など
4、親学議員懇談会
2011年3月21日
参加者12人
6月の親学推進議員連盟の立ち上げと、豊見城市での講演会を申し合せした
________________________________________
2011年度前半期
親学講演会
第9回の講演会は、豊見城市中央公民館で6月18日(土)、日本保育協会沖縄支部・沖縄県親学推進議員連盟・豊見城市教育委員会・公益社団法人日本青年会議所沖縄地区協議会・那覇市教育委員会・浦添市教育委員会・嘉手納町教育委員会・那覇市商工会議所青年部
公益財団法人モラロジー研究所の後援を頂き開催した。中でも4市町の教育委員会の後援を頂いた事は、これまでにない進展である。動員は、目標数には届かなかったものの260名余りの動員となった。次回は11月26日(土)を予定している。
親学ミニ講演会
第1回の親学ミニ講演会は、「親が変われば子供も変わる」をテーマに10月12日(水)あかつき保育園にて開催、保護者、保育士あわせて約50名の参加となった。講師は当会副会長の菊地徳省氏。これを皮切りに保育園・小中学校・公民館でのミニ講演会並びに相談会を開催して行く。
親学講座
例年平日の夕刻より行なってきた講座を本年は親学推進協会のプログラムに近い内容で実施した。8月3日(木)、8月4日(金)、8月5日(土)それぞれ9:00〜17:00の期間対で計24時間の講座とし実施した。参加者は35名(述べ105名)
アドバイザーセミナー
日本保育協会沖縄支部が主催した親学アドバイザーセミナーに、本年発足した沖縄県親学推進議員連盟から5名が参加。内3名がアドバイザー資格を取得。尚、本人が参加出来ないからと奥さんか参加しアドバイザー資格を取得された方が1名あり。
親学推進議員連盟
過去3度の親学議員講演会を開催し、2度の懇親会と3度の発足準備会をもち、沖縄県親 学推進議員連盟が全国に先駆けて発足した。県議会議員・市町村会議員合わせて約50名。
浦添市のように、親学を教育委員会が主体となって行う市町村を増やすために尽力頂けるように、協力体制を強めたい。
________________________________________
2012年度
親学講演会
第11回親学講演会を以下の通り開催しました。
●日時 :2012年 10 月 6日( 土)
開場: 18 :30 開演: 19 :00
●会場 :沖縄県立 博物館 博物館 ・美術館 1
●講師:高橋 史朗 明星大学教授
これまで親学を通して子供にどう関わるべきか。子供の発達段階に応じて、どのように人格形成を図っていくかを学んで参りました。また、昨今対応に苦慮している発達障害の改善と予防の為に、家庭で配慮すべき事は何か、母親と父親の役割は何か等、成長に応じての関わり方を学んで参りました。今回は、教育現場に直接関わっていらっしゃる方々や教育行政に携わっていらっしゃる方々、子育て真っ最中の若いリーダーの方々を対象にタイトルの如く講演会を企画致しました。
第12回親学講演会を以下の通り開催しました。
●2012年11 月18日( 日)
開場: 13 :30 開演: 14 :00
●県立美術館・博物1階講座室
●講師:菊地 徳省 財団法人総合教育研究所理事長
当会が 2006 年に創設されて以来、親学講座を担当し頂いおります菊地徳省 応用 心理学カウンセラー協会長は、長年多くのクライアントの心強いアドバイザーとして 実践され、他方 スクール スクール カウンセラー 等の育成に携わって来られました。
昨年、 これら の業績が認められ、 アジアで 3人目の 米国社会福祉保険省大統領諮問委員より金賞授 賞されておらます。
今回の「親学」講演会は、より具体的実践な観点から家庭教育について学んで参ります。
9月9日(日)19:00〜
健康文化村フェストーネ
参加:140人 (新聞記事あり)
2006年
4月22日(土)
那覇市沖電ホール
参加:120人 (カラー新聞記事あり)
2007年(平成19年)
1.「親学」講演会の開催
(1)時期:2007年6月3日/2008年3月30日(2回開催) (宣伝記事あり)
(2)場所:カルチャーリゾート・フェストーネ(宜野湾市)
(3)講師:高橋史朗(明星大学教授)
(4)内容:「親学~親が変われば子どもも変わる~」について
(5)参加:会員、教育関係者、保育士、子育て支援団体など 計243名
2.親学講座の開催
(1)時期:2007年8月11日~10月13日/10回開催
(2)場所:総合教育研究所(南風原町)
(3)内容:心理カウンセラー有資格者を対象に親学の教材による講座
(4)参加:会員、教育関係者、保育士、子育て支援団体など 延べ160名
________________________________________
2008年8月8日(日)
親学講演会 (共催)
総合教育研究所
参加: 70人
12月28日
保育まつり (新聞記事あり)」
2009年3月22日(日) 平成21年
親学講演会 (第4回)
名護市 ホテル・ゆがふいんおきなわ新館
________________________________________
2009年(平成21年)
1.親学講演会
(1)日時:2009年6月21日 (5回)
(2)場所:カルチャーリゾート・フェスト?ネ
(3)参加人数:70名
(4)「親学」を通して沖縄の青少年問題を考える機会とした
2.師範塾研究会
(1)日時:2009年11月28日
(2)場所:レストラン・ブルースカイ
(3)参加者:13名
(4)内容:高橋史朗氏を招聘した研究会
3.師範塾準備会
(1)日時:2009年10月から11月
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:8名
(4)内容:準備委員による設立準備検討会
4.親学講座
(1)日時:2009年9月から12月 計10回
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:140名
(4)内容:親学アドバイザー育成のための講座実施
5.教育講演会
(1)日時:2009年12月6日
(2)場所:カルチャーリゾートファスト-ネ
(3)参加者:150名
(4)内容:山谷えり子氏による講演会
6.親学講演会 (第6回)
(1)日時:2010年3月14日
(2)場所:うるま市健康福祉センター「うるみん」
(3)参加人数:78名
(4)内容:教育に係る時事問題を討議
7.親学議員セミナー
(1)日時:2009年11月28日
(2)場所:ジュビランス
(3)参加者:30名
(4)内容:議員への親学の周知
・・・・・・・・・・・・
2010年
1.親学講演会を開催した。
(1)期間:2010年5月30日 (第7回)、2011年1月22日(第8回)
(2)場所:浦添市てだこホール、沖縄県立博物館
(3)参加者:父母、教師、保育士50名、80名
2.親学講座を開催した。
(1)期間:2010年8月31日~9月29日(5回)
(2)場所:総合教育研究所
(3)参加者:24名/回(延120名)
3、親学議員セミナー
2010年5月29日
浦添市てだこホール多目的室
約60名
浦添市教育委員会より26人、自民党参議院議員、県連会長はじめ県議、市町村議員
2011年3月21日
県立美術館講座室
約50人 教育長2人参議院議員、県議会議院、市長、市町村議会議員など
4、親学議員懇談会
2011年3月21日
参加者12人
6月の親学推進議員連盟の立ち上げと、豊見城市での講演会を申し合せした
________________________________________
2011年度前半期
親学講演会
第9回の講演会は、豊見城市中央公民館で6月18日(土)、日本保育協会沖縄支部・沖縄県親学推進議員連盟・豊見城市教育委員会・公益社団法人日本青年会議所沖縄地区協議会・那覇市教育委員会・浦添市教育委員会・嘉手納町教育委員会・那覇市商工会議所青年部
公益財団法人モラロジー研究所の後援を頂き開催した。中でも4市町の教育委員会の後援を頂いた事は、これまでにない進展である。動員は、目標数には届かなかったものの260名余りの動員となった。次回は11月26日(土)を予定している。
親学ミニ講演会
第1回の親学ミニ講演会は、「親が変われば子供も変わる」をテーマに10月12日(水)あかつき保育園にて開催、保護者、保育士あわせて約50名の参加となった。講師は当会副会長の菊地徳省氏。これを皮切りに保育園・小中学校・公民館でのミニ講演会並びに相談会を開催して行く。
親学講座
例年平日の夕刻より行なってきた講座を本年は親学推進協会のプログラムに近い内容で実施した。8月3日(木)、8月4日(金)、8月5日(土)それぞれ9:00〜17:00の期間対で計24時間の講座とし実施した。参加者は35名(述べ105名)
アドバイザーセミナー
日本保育協会沖縄支部が主催した親学アドバイザーセミナーに、本年発足した沖縄県親学推進議員連盟から5名が参加。内3名がアドバイザー資格を取得。尚、本人が参加出来ないからと奥さんか参加しアドバイザー資格を取得された方が1名あり。
親学推進議員連盟
過去3度の親学議員講演会を開催し、2度の懇親会と3度の発足準備会をもち、沖縄県親 学推進議員連盟が全国に先駆けて発足した。県議会議員・市町村会議員合わせて約50名。
浦添市のように、親学を教育委員会が主体となって行う市町村を増やすために尽力頂けるように、協力体制を強めたい。
________________________________________
2012年度
親学講演会
第11回親学講演会を以下の通り開催しました。
●日時 :2012年 10 月 6日( 土)
開場: 18 :30 開演: 19 :00
●会場 :沖縄県立 博物館 博物館 ・美術館 1
●講師:高橋 史朗 明星大学教授
これまで親学を通して子供にどう関わるべきか。子供の発達段階に応じて、どのように人格形成を図っていくかを学んで参りました。また、昨今対応に苦慮している発達障害の改善と予防の為に、家庭で配慮すべき事は何か、母親と父親の役割は何か等、成長に応じての関わり方を学んで参りました。今回は、教育現場に直接関わっていらっしゃる方々や教育行政に携わっていらっしゃる方々、子育て真っ最中の若いリーダーの方々を対象にタイトルの如く講演会を企画致しました。
第12回親学講演会を以下の通り開催しました。
●2012年11 月18日( 日)
開場: 13 :30 開演: 14 :00
●県立美術館・博物1階講座室
●講師:菊地 徳省 財団法人総合教育研究所理事長
当会が 2006 年に創設されて以来、親学講座を担当し頂いおります菊地徳省 応用 心理学カウンセラー協会長は、長年多くのクライアントの心強いアドバイザーとして 実践され、他方 スクール スクール カウンセラー 等の育成に携わって来られました。
昨年、 これら の業績が認められ、 アジアで 3人目の 米国社会福祉保険省大統領諮問委員より金賞授 賞されておらます。
今回の「親学」講演会は、より具体的実践な観点から家庭教育について学んで参ります。
もういくつ寝ると・・♫
迫り来る還暦を睨んで、いよいよ本日より ブログを始めます
親学と出会い、沖縄の教育環境を少しでも前進させようと始めた活動が
徐々に県民に浸透しつつあるようです
これまでPCは、ネットを検索することと、必要に迫れれた文章を作成するためにだけの使用でしたが
このブログも若い者に頼んでみても 「わかりました 協力します」が何時になっても始まらない事がわかりましたので
60の手習いよろしく 本日よりこれまでの活動の記録をアップしながら、
沖縄で行われている本会の活動や気づいたことを徒然に記入することと致します
迫り来る還暦を睨んで、いよいよ本日より ブログを始めます
親学と出会い、沖縄の教育環境を少しでも前進させようと始めた活動が
徐々に県民に浸透しつつあるようです
これまでPCは、ネットを検索することと、必要に迫れれた文章を作成するためにだけの使用でしたが
このブログも若い者に頼んでみても 「わかりました 協力します」が何時になっても始まらない事がわかりましたので
60の手習いよろしく 本日よりこれまでの活動の記録をアップしながら、
沖縄で行われている本会の活動や気づいたことを徒然に記入することと致します
★5月29日(土曜日)18時30~ 浦添市てだこホール 生涯学習棟


親学議員セミナーは雨天にも関わらず、定員をオーバーして聴講者が集いました。
島尻参議院議員、新垣県連会長、池間幹事長をはじめ17名の現役議員と安次富前衆議院議員、国場前県会議員の他、浦添市教育長と教育委員会関係者26人、自民党婦人部の幹部など計54人となりました。
議員セミナーの目的は「親学」に対する行政側の理解を得ること、家庭支援事業や教育の場に「親学」を活かしてもらう道筋を議員の先生方につけて頂こうとするものです。
今回、浦添市が親学を進めたいと参加頂いた事は、私共が願っていた事で誠に有難い事です。
★5月30日(日曜日)13時30~ 沖縄県立博物館 講堂室

「親学」講演会も用意した席がほぼ満席となりました。
高橋史朗先生の講演は、何時もながら気づきや感動が波のように絶え間なく寄せてくるようで、参加者は引き込まれるように聞き入り予定時間を過ぎてしまいます。
そのような訳で、質疑応答は省かざるを得ませんでした。
親学議員セミナーは雨天にも関わらず、定員をオーバーして聴講者が集いました。
島尻参議院議員、新垣県連会長、池間幹事長をはじめ17名の現役議員と安次富前衆議院議員、国場前県会議員の他、浦添市教育長と教育委員会関係者26人、自民党婦人部の幹部など計54人となりました。
議員セミナーの目的は「親学」に対する行政側の理解を得ること、家庭支援事業や教育の場に「親学」を活かしてもらう道筋を議員の先生方につけて頂こうとするものです。
今回、浦添市が親学を進めたいと参加頂いた事は、私共が願っていた事で誠に有難い事です。
★5月30日(日曜日)13時30~ 沖縄県立博物館 講堂室
「親学」講演会も用意した席がほぼ満席となりました。
高橋史朗先生の講演は、何時もながら気づきや感動が波のように絶え間なく寄せてくるようで、参加者は引き込まれるように聞き入り予定時間を過ぎてしまいます。
そのような訳で、質疑応答は省かざるを得ませんでした。