2022.10.09
# 節約

交通違反「取り締まり」驚愕のウラ側…元白バイ隊員が明かす「違反者は大事なお客さま」というワケ

洋吾(ようご)

「お客さま」に気持ちよくサインしていただく

逆にいえば、サインさえもらえれば、どんな態度だってかまわない。渋々であろうが、素直であろうが、違反の1件に変わりないからだ。もちろん、素直にサインしてくれたほうがありがたいが。

 

交通違反の取り締まりについては、大いに不満をお持ちの方も多いことだろう。

「隠れて取り締まっていないで、もっと注意を促せばいいではないか」と。もちろん白バイ隊員だって、切符を切らずに厳重注意だけで済むなら、どんなに気が楽なことか。だが、実際には絶対必達のノルマが課せられている。ノルマをこなせない白バイ乗りは、遅かれ早かれ白バイを降りるしかないのだ。

取り締まり時の切符作成は、本当に気苦労が絶えない。スムーズにサインをしてもらえなければ、時間や手間ばかりがかかって、ノルマ達成が遠のく。そのため、白バイ隊員たちの多くは、どんな違反者にも、優しく丁寧な言葉遣いで対応する。

「お急ぎのときにすみません。免許証をお見せください」

それがプロの白バイ隊員の流儀だからだ。

『白バイ隊員 交通取り締まり とほほ日記』(講談社ビーシー/講談社)

知っているようで世間に知られていない白バイ隊員の業務、生活、悲哀を描く。この本を読めば、必ずしも高飛車な白バイ隊員だけでない彼らの素顔が見えてくる。イラストも著者が描いていいる。

著者:洋吾(ようご)
元警視庁警察官。交通機動隊や警察署の白バイ隊員を長く務める。3年連続で取り締まり件数警視庁トップの実績もある。ブログ「脱公務員の部屋・元白バイ乗り親父の話」を公開中。

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