寄付先「NPOあなたのいばしょ」インタビュー『KOTODAMA PROJECT』
「KOTODAMA PROJECT」の新たな寄付先を検討している時
偶然、夜のニュースを見ていると《NPOあなたのいばしょ》理事長の大空さんが映っておられました。22歳という若さで真っ直ぐ思いを語り24時間365日のチャット相談窓口を運営し、政府まで動かしている行動力に画面越しでも引き込まれました。
今回はそんな大空さんが代表を勤める《NPOあなたのいばしょ》の理事、事務局長の宇佐美さんにインタビューさせて頂きました。
PANCHO（以下P） / 初めまして。TURTLEMAN’s CLUBのパンチョです。宜しくお願いします。
宇佐美（以下U） / 初めまして。NPOあなたのいばしょ理事、事務局長の宇佐美です。宜しくお願いします。
P / 宜しくお願いします。まずは《NPOあなたのいばしょ（以下あなたのいばしょ）》ついて教えていただけますでしょうか？
U / はい、あなたのいばしょは、「望まない孤独を根絶すること」をミッションとして、24時間365日、年齢や性別を問わず誰でも無料、匿名で利用できる国内初・唯一のチャット相談窓口を運営しています。開設にあたり厚生労働省から支援を受け、厚生労働省支援情報検索サイトに支援窓口として登録をされています。
あなたのいばしょ
[24時間365日、年齢や性別を問わず誰でも無料・匿名]
https://talkme.jp/
窓口では、最短5秒で世界中にいる「いばしょ相談員」が相談に応じます。海外在住の日本人相談員が、時差を活用して、日本国内の相談に応じることで、24時間体制の相談対応を実現しました。
ボランティア相談員による傾聴によって、個人の問題に寄り添うほか、DVや虐待など、危機的な状態にある人への警察・児童相談所等との連携を含めた緊急支援窓口としての機能も有しています。自殺行為や虐待など緊急性が高い事案が発生した際には、警察や児童相談所などの関係機関と連携し、問題に対処しています。
P / 海外在住の日本人相談員の方々と時差を使って２４時間体制を実現させてるのは凄いですね。この活動を始めようと思ったきっかけは何ですか？
U / 代表である大空の原体験がきっかけです。
複雑な家庭で育ち、高校生のときには自ら死を選択しようとしました。そんななか自分のことを最優先に考え寄り添ってくれる恩師のおかげで、一命を取り留め、生きるという選択をすることができました。大空自身は、問題を抱えた際に奇跡的に信頼できる人に出会えたことで助かったのです。しかし、周りを見渡せば、多くの人はその奇跡が起きることなく、ひとりで苦み、中には命を断つほど追い詰められる方がたくさんいます。
「自分にとっての先生のような出会いを奇跡にしてはいけない。」「自ら命を断つほど悩んでいる方、虐待や暴力を受けながらそのことを誰にも話せない方など、全ての望まない孤独を抱えている方が、確実に信頼できる人にアクセスできる仕組みを創らなければならない。」という強い使命感のもと、あなたのいばしょを立ち上げることにしました。
また現在、日本には電話での相談窓口がセーフティネットとしての役割を果たしていますが、「繋がらない」「電話では話しづらい」「若年層は電話を使わない」といった問題を抱えています。そこで時差を活用した24時間体制の「チャット形式」を採用することで、既存の相談窓口の課題を解決しました。
P / 大空さん自身の体験からだったんですね。
昨年政府に政策提言し、孤独、孤立問題の対策担当室を新設したという記事を見ましたが、どのように政府にアクセスしたのでしょうか？
U / 「18歳選挙権」やコロナ禍で「大学学費減額運動」に関わってきたため、何人かの政治家の方にお世話になったことがありました。
孤独対策に関しても、とある議員の方に相談したところ、「大事な問題だ」と反応してくれて、自民党青年局を経て、すぐに内閣官房長官まで繋いでいただきました。その結果、2020年12月に加藤内閣官房長官に「総合的な孤独対策の実現に向けた提言」をさせていただき、2021年2月には政策提言のとおり、孤独・孤立対策担当大臣を設置することができました。
P / そういう経緯だったんですね。１日どれぐらいの相談件数ですか？
U / 1日700件以上となり、増加の一途をたどっております。
P /多いですね。年齢層や性別はどうですか？
U / 10代、20代が中心となり、約７割が女性です。
P / やはり若い人が中心で特に女性が多いんですね。
やはりコロナの影響を感じますか？
U / とても感じます。特に生活不安に関する声が顕著であり、長引くコロナ渦により益々状況が悪化しています。寄せられる相談内容をワードマップにすると以下のとおりです。
P / 見たところ生活、不安、家族などが中心にあってコロナによる生活不安の割合が多そうですね。活動資金やボランティア相談員の現状はどうでしょうか？また、相談員を育成するのにどれぐらいの費用がかかりますか？
U / ありがたいことに各種報道等をみて「自分もあなたのいばしょのボランティアとして貢献したい」と言ってくださる方が非常に多くいらっしゃいます。現在、世界19カ国に500名の日本人ボランティアが活躍してくださっています。
一方、ボランティアを1名育成するためには60,000円の費用がかかり、これは全て団体の負担となります。日本ではまだまだ寄付文化が根付いていないことも一因となり、活動資金面では非常に苦労をしております。
P / 差し支えなければ60,000円の内訳を教えて頂いても宜しいでしょうか？
U / 相談の質と安全性の担保を目的に、1年間の育成プログラムをつくっています。その際のシステム利用料、研修にかかる人件費、また24時間365日のサポート体制費用等の積算額が1人あたり60,000円となります。
P /安全性を考え、育成に１年かけるのですね。60,000円と言う金額も納得しました。では相談件数が減るような世の中になるには何が必要だと思いますか？
U /相談件数を減らすよりも、何か問題を抱えた時に、安心して誰かに相談できる世の中を創りたいです。とはいえ、前述のとおり相談件数は日々増加しており、相談窓口は非常に逼迫しています。この状況を打破するためには、対症療法的な相談窓口の体制強化だけでは不十分であり、問題の源流にアプローチする政策が必要ですので、以下の政策提言内容を着実に進めて参ります。
P / ありがとうございます。やはり先進国で唯一、若者層の死因１位が自殺というのはとても悲しい事だと思います。望まない孤独が少しでも減る体制が整えば変わっていきそうですね。
最後に、弊社達の『KOTODAMA PROJECT』のようなアパレルや音楽の力で欝や自殺問題に立ち向かおうとしている事についてどう思いますか？
U / とても素晴らしいご活動をされており敬服します。音楽はその昔、医療の一環だったようです。いただいた相談のなかでも、人生のどん底を経験しながらも、自分の大好きな音楽や服の話となると、とてもイキイキとされる方が多くいらっしゃいます。そのような方々を目の当たりにするたびに、「アパレルや音楽には非常に大きな力があること」を痛感します。今後も自殺問題に人生をかけて向き合う同志として、ご一緒できれば幸いです。
P / こちらこそ宜しくお願いします！ご丁寧にお答え頂きありがとうございました！
現在22才の大空さんの原体験から始まったNPOあなたのいばしょ。今では理事、事務局長の宇佐美さんや多くのスタッフの方々が行動しメディアに取り上げられ政府をも動かすほど。自分達が知らないところで24時間365日のチャット相談窓口を必要としている方が多くおり出来るなら運営を続けていって欲しいと心から思います。
『KOTODAMA PROJECT』として微力ではありますがアパレル商品が１点売れるごとに700円、コースター等のアイテムが売れる事に300円を寄付し『NPOあなたのいばしょ』をサポートしたいと思います。
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