「世界日報」のメディア・ウォッチが面白くて、つい読んでしまう。
旧統一教会とその政治団体は、約半世紀にわたり、左翼弁護士集団や朝日新聞など左派系マスコミに叩かれ続けてきたにもかかわらず、よく生き残ったものだと思う。
読めば読むほど、彼らの攻撃がすさまじいことがわかる。
はっきり言って「霊感商法」の被害者救済など、彼らにとって二の次、三の次の問題だ。
真の狙いは、昔は「スパイ防止法つぶし」、今は「安倍元首相に代表される保守政治家つぶし」と「改憲つぶし」である。
8月30日の「世界日報」にはこうある。
左派紙(テレビも同様)の報道で「白」それも絶対無謬(むびゅう)の存在になっているのが「霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)だ。
朝日は「(全国弁連は)全国に約300人のメンバーを擁し、財産被害の回復にとどまらず、脱会の支援にも取り組む。心理学の専門家らの協力を得て、教義がすり込まれた状態を時間をかけて解きほぐして初めて、被害の全容に迫ることができる」(25日付社説)と、全国弁連の活動を褒めちぎっている。
だが、弁護士300人を擁しても、それが「白」とは限らない。
本欄8月2日付で「全国弁連」の背後に左翼弁護士の6団体が存在すると指摘したが、そのうち自由法曹団だけでも会員は公称2100人。教団を敵視する左翼弁護士はごまんといる。
左翼弁護士の6団体については、8月2日の記事に書いたそうなので、そっちも見てみた。
これを読むと、「霊感商法」という言葉を作ったのは日本共産党らしい。
もともと「霊感商法」の命名は日本共産党機関紙「赤旗」(当時)だ。同党と対峙していた教会関連団体の「国際勝共連合」の資金源と見なし、このレッテルを貼り、攻撃したのが始まりだ。
その動機はスパイ防止法潰(つぶ)しである。
同連合が推進するスパイ防止法制定を求める地方議会決議が全自治体の過半数に迫り、これに危機感を抱いた共産党は85年5月、党中央委員会に「国家機密法対策委員会」を設け、反スパイ法運動の指令を発した。
新聞労連は、同年7月の第35回定期大会でスパイ防止法案粉砕を決議。
日弁連は「国家機密法対策本部」を設け、朝日は社を挙げてスパイ防止法潰しに動き、86年11月25日朝刊では全紙面の半分を割いて反対特集を組んだ。
霊感商法をクローズアップさせたのも朝日で、左翼のバイブルとされた『朝日ジャーナル』で同年12月5日号から批判キャンペーンを展開。
これに応じる形で87年2月に被害弁連が結成記者会見を開き、これを朝日が大きく報じて社会問題化させた。
で、問題の左翼弁護士の6団体は、以下の通り。マスコミに引っ張りだこの「山口広弁護士」の名前も出てくる。
当時の資料を見ると、①「霊感商法被害者救済弁護士連絡会」(被害弁連。現全国霊感商法対策弁護士連絡会)会長の伊藤和夫氏は②日弁連の「国家機密法対策本部」副本部長で、③自由法曹団(共産党系)や④社会文化法律センター(旧社会党系)常任理事に名を連ね、
事務局長の山口広弁護士は社会文化法律センター、総評弁護団に加わり成田闘争第二要塞事件裁判などを手掛けた、ばりばりの左翼弁護士だ。
被害弁連に関わった191人の弁護士のうち99人が共産党系で、他は大半が社会党系。被害弁連の呼び掛け人34人のうち19人は連合赤軍事件など過激派裁判に携わる弁護士だった。
それがまたぞろ、である。自由法曹団や社会文化法律センター、⑤日本民主法律家協会、⑥青年法律家協会(青法協)などの左翼弁護士集団は「改憲問題対策法律家6団体連絡会」を結成し、改憲阻止へ旧統一教会と自民党保守派批判の声を強めている。
これを読むと、弁護士の世界は左翼だらけ。歴代の日弁連会長がみんな左巻きなのもうなずける。
次は朝日新聞について。8月30日の記事に戻ろう。
「朝日新聞」の偽善を見事に言い当てている。ヘルメットをかぶり角棒を手に内ゲバに明け暮れる過激派学生たちは問題にせず、キャンパスや街頭で「反共・勝共」や教団の教義を訴える学生信者たちを槍玉に上げたという。
本末転倒とはこのことだ。
そもそも朝日は教団の「改宗」強要の元祖で、1960年代に「親泣かせ原理運動」(67年7月7日付夕刊)と騒ぎ立てた。
当時の親泣かせといえば、極左過激派に加わった学生たちで、殺されたり殺したりして親たちはそれこそ泣いた。共産主義に同調する朝日は、そっちはお構いなしで教団を「社会問題化」しようとした。
さらに驚くべきことに、統一教会批判には、朝日新聞だけでなく、日本共産党と共闘するキリスト教系団体が深く関わっている。
悪名高い元朝日新聞編集委員の松井やより氏が、東京山手教教会の平山照次牧師の娘とは知らなかった。
手を組んだのは教団を異端視する日本キリスト教団の「赤い牧師」だ。東京山手教会の平山照次牧師がそうで、共産党のフロント組織「日本宗教者平和協議会」(宗平協)の最高幹部だった。
長女の松井やより氏は朝日元編集委員で、朝日退社後に「日本軍性奴隷制を裁く『女性国際戦犯法廷』」を仕組み、そのNHK番組をめぐって朝日は安倍元首相を捏造記事で陥れようとした(2005年1月17日付)。
教団の異端狩りに動く牧師たちは現在、「キリスト者平和ネット」を結成し共産党と共闘している。
今年1月には「反共は戦争前夜の声 立憲野党共同の前進を」との集会を国会で開いている(共産党機関紙「しんぶん赤旗」1月28日付電子版)。
同ネットのホームページを開けば一目瞭然、反改憲、反安保、反辺野古など共産党と見まがう。安倍元首相の国葬反対も声高に叫び、「汝の敵を愛せよ」(イエスの教え)は失せている。
「反共は戦争前夜の声」って凄いレッテル貼りだ。骨の髄から左翼でないとこんな言葉は思いつかない。
東西冷戦が終わってもう30年経つ。ソ連共産主義の「収容所列島」やポル・ポト(カンボジア)支配下の「キリング・フィールド」(映画にもなった)を知らない人は、コロッとだまされてしまうんだろうなあ。
こうして読み返すと、国葬反対と安倍元首相批判、旧統一教会批判、反改憲、反安保・反基地闘争が全部つながっていることがわかる。
要するに、旧統一教会批判は、左翼勢力が政府・自民党に対して仕掛けた政治闘争だということだ。ナイーブな岸田首相は、そのワナにまんまとはまってしまったのかもしれない。