吉沼八幡神社(つくば市)概要: 吉沼八幡神社は茨城県つくば市吉沼に鎮座している神社です。吉沼八幡神社の創建は平安時代後期の寛治元年(1087)、源義家が後三年合戦の出立際、八幡神に戦勝祈願をし見事念願成就し乱を平坦した事から、神意に感謝し兵の宿営地となった当地に誉田別命(応神天皇)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。
吉沼八幡神社は歴代領主にも崇敬され江戸時代に入ると伊達氏から庇護され社運も隆盛します(寛文3年:1663年以降、当地は仙台藩の飛地として支配した)。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て村社に列しています。境内社である山神神社は子宝に御利益があるとして社殿内に奉納された枕を持ち帰り夫婦の間に枕を置いて眠ると子供が授かると伝えられています(念願成就すると新たに枕を寄進するそうです)。祭神:誉田別命(応神天皇)。
現在の吉沼八幡神社本殿は貞享2年(1685)前後に再建されたもので一間社流造、茅葺、正面1間向拝、浜縁、高欄、宝珠付、建物全体が朱色、細部は極彩色で彩られ壁面には中国故事、木鼻には獅子、象、懸魚と降懸魚には鳳凰、妻面には飛龍など豊かで精巧な彫刻が随所に施され武州江戸出身の大工島村八郎左衛門倅吉兵衛が手懸けています。
覆屋は慶応3年(1867)に建てられた入母屋、桟瓦葺、桁行4間、梁間4間の建物で江戸時代に造られた本格的な覆屋建築として貴重な遺構です。吉沼八幡神社本殿・覆屋は江戸時代初期に建てられた数少ない神社本殿建築の遺構で意匠にも優れている事から平成2年(1990)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 由緒碑-吉沼八幡神社
・ 石碑板(本殿・覆屋)-吉沼八幡神社 氏子中
・ 現地案内板(本殿・覆屋)-つくば市教育委員会
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