政府のガソリン補助金がガソリン価格の引き下げではなく、スタンドの経営改善に使われていたという調査結果が公表されました。

財務省はガソリン価格などの急騰を抑制している「激変緩和対策事業」について、予算執行調査の結果を公表しました。予算執行調査とは財務省が予算執行の実態を調べて改善すべき点を指摘し、予算の見直しや効率化につなげていく取組です。

経産省が所管しているガソリンなどの価格急騰をおさえる「燃料油価格激変緩和対策事業」について調べた結果がきょう、公表されました。

およそ300のガソリンスタンドに補助金で小売価格が、どの程度抑制されているか聞いたところ、およそ45%の事業者が「補助金全額分が抑制されている」と回答したものの、23%が「全額は抑制されていない」、32%が「わからない」と回答したということです。

また、補助金全額分を価格に転嫁できなかった理由については、近隣のガソリンスタンドの価格など「市況をみて判断したため」との回答がおよそ8割を占めました。

また、全国の平均価格はある程度抑制されているものの、個別にみるとガソリン価格が高止まりしたままのスタンドが26か所確認され、「補助金が小売り事業者の経営改善に実質的に使われているとみられる事例もある」としました。

財務省の試算では、ガソリン価格の実際の抑制額が補助金の額をおよそ110億円下回ったとしていて、「ガソリンの販売価格に補助金の全額が反映されていない可能性がある」と結論づけました。

今後の改善点については、「価格を調べる訪問調査の内容を見直すとともに、補助金の趣旨について改めてガソリンスタンドに周知徹底を行い、補助金全額の販売価格への転嫁を促すべき」としました。