坪井 信行 外資系金融業界の「バックオフィス」から「フロントオフィス」まで経験。アナリスト界の超大物から学んだ「大局観」を強みに、金融業界一筋で活躍してきたキャリアストーリーとは?

◾︎名前

坪井 信行(つぼい のぶゆき)

◾︎最終学歴

慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了 経営学修士(MBA)

◾︎所属企業

T・C・マネジメント(代表者)

MNパートナーズ合同会社(代表社員)

◾︎その他

YouTube

「世界の経済と金融 坪井信行」というYouTubeチャンネルを運営

著書

「100 億円はゴミ同然」 幻冬舎新書 2007 年

「数字力」 PHP 研究所 2008 年

キャリアサマリー

—シティバンク・エヌ・エイ—

24歳〜26歳 

東京支店、個人金融部門配属

国内送金、海外送金、為替関連の業務に従事。

—バークレイズ証券—

26歳〜28歳 

東京支店財務・経理部配属

資金決算、経理、財務等のバックオフィス業務に従事。

—慶應義塾大学大学院経営管理研究科—

28歳〜30歳 

経営学について学ぶ。

—ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(現シティグループ証券)—

30歳〜36歳

株式調査部 ヴァイスプレジデント、シニアアナリスト

IT・ソフトウェア業界、メディア・広告業界、サービス業等のIPO、ファイナンス案件に主幹事として関与。

—UBSウォーバーグ証券(現UBS証券)—

36歳〜38歳

株式調査部ディレクター シニアアナリスト

ITサービス・ソフトウェア業界リサーチチームヘッド

製造業系、大手IT企業のIPO案件のIPO 案件(主幹事)等を手掛ける。

—新生銀行—

38歳〜40歳

クレジットリスク部次長 、公共セクター及び電機セクター担当クレジットオフィサー

信用リスク評価(審査)業務に従事。

—メリルリンチ日本証券入社(現 BofA 証券)—

40歳〜42歳

株式営業部ディレクター スペシャルティセールスチームヘッド

国内外のヘッジファンド向けのリサーチプロダクト提供業務等に従事。

—T・C・マネジメント設立 —

42歳~現在

代表者(現任)

主に企業研修サービスを提供。 慶應丸の内シティキャンパスと連携し、日本を代表する大企業の幹部研修などを多数実施。

—MNパートナーズ合同会社設立 —

52歳~現在

代表社員(現任)

経営コンサルティング業務を行う。主に M&A アドバイザリー、財務アドバイザー等の資本政策、経営戦略に関する案件を手掛ける。

「シティバンク・エヌ・エイ」に就職を決めた理由

 私が新卒で就活をしていた頃はちょうどバブル景気だったんです。日本全体が前向きで非常に熱気を帯びていました。当時はネットなんてありませんので、基本的にOB訪問をしながら業界のことを知って企業を決めていく感じでした。

 いくつかの業界を見て金融業界を志望するようになりました。メガバンクからも内定を頂いていたのですが、私自身がストレートで就活する方より2年遅れての就職でしたので、年功序列ではなくて自分の力を上手く発揮できれば大きな仕事ができそうな外資の銀行に行くことに決めたんです。

 そんなに深く考えていたわけではなくて外資だとオフィスが綺麗で禁煙だったという安易な理由も結構ありました(笑)。

「シティバンク・エヌ・エイ」での仕事内容と身についたスキル

 個人金融部門に採用されたのですが、現場ではなくオペレーション業務の担当でした。

まずは集合研修で名刺の渡し方から簿記の基本知識、銀行業務の基本知識など一般的な知識のインプットを2ヶ月ほど受けました。その後3か月ほど配属された部署での研修を行って、実際の仕事が始まりました。そこで国内送金、海外送金、為替関連の業務に携わりました。

「バークレイズ証券」に転職を決めた理由と手段

 実際に仕事をしてみて、私は「収益を稼ぐフロント側で働きたいんだ。」ということに気付きました。リスクはありますがより創造性を発揮した仕事がしたかったのです。

外資金融の場合、収益を稼ぐフロントオフィスと企業を管理するバックオフィスでは、全く違う待遇であり、それぞれの人事交流もほとんどありません。バックオフィスは、安定性はあるものの、仕事の面で、変化に乏しく、自分自身の能力を発揮するには少し物足りないと感じました。

当時の仕事内容は銀行業務を行う上では非常に役に立ったのですが、なかなか発展性がないなという想いも正直ありましたね。

 シティバンクでの仕事に疑問を持ち始めていたときに、同じ部署でバークレイズに転職した先輩から声をかけていただきました。「入社直後の仕事自体はバックオフィスだけど転属してフロント側に回れる可能性もあるからうちに来ないか」と。割と安直に同じ外資だし可能性がありそうなら、という感じで転職を決めました。

2ページ目:【「バークレイズ証券」での仕事内容と身についたスキル】、【「慶應義塾大学大学院 経営管理研究科」に入学を決めた理由とは?】と【「ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(現シティグループ証券)」に就職を決めた理由と手段とは?】

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