運動団体との認識がズレる理由
私の説明と運動団体の主張とのズレに驚かれた方もいると思うが、ズレが生じる理由が、大きく2つある。
第一の原因はAVの定義の問題である。
日本から視聴できるポルノサイトは、6種類ある。表にして示してみよう。
上から順番に説明しよう。
無修正と呼ばれるのは、日本の女優を日本で撮影し、局部にモザイク処理しないで米国から配信するグループである。サイトとしては10以上確認できる。女優の出演料金は、大手合法AVの2倍の高額、かなりの経済規模と推察される。海外配信なので法律的にはグレーとみなされていたが、2010年の判例以降、明確に違法業者である。主に関西の業者である。
第二は、海賊版サイトで、日本の合法AVと無修正の両方の海賊版を、主に海外から配信するサイトで、撮影は行わない。
第三が、適正AVを名乗る、一応合法に活動する配信会社、レンタル会社、メーカー、プロダクション、女優のグループで一応合法のシェア85%は占めている。丁寧にモザイク処理し自主規制の審査機関が表現に問題がないか全作チェックしている。バラバラだったのだが、出演強要で騒がれた2017年に、AV人権倫理機構を創設することで連合した。ほぼ全て東京を本拠にしている。
続いて、一応合法だが、このグループにはいらない、やや特殊な作品を制作する人たちが第4グループ、運動団体が例にあげるウンチを塗られたとか、暴行現場の撮影などというのは、表現審査団体を通らないので、このグループの事例であることが確定的である。
そして、第5に、おそらく今回、被害者を出しているであろう、個人でSNSやスカウトを利用しパパ活相手の少女とコンタクトしパパ活の相場以上の10万ぐらいを支払い、撮影の合意を取り付けで撮影した映像を、海外の大手サイトにアップしている人たちがいる。これにはモザイクを付けているものも無修正のものもある。これは完全に犯罪である。
最後6番目は、外国の、外国女性を使って、外国で、外国語で配信されているサイト、いわゆる海外ポルノサイトである。もちろん動画のモザイク処理はない。いくらでも日本から視聴し、ダウンロードもできる。ただし、これは比較的廉価であるにもかかわらず、日本国内では全く人気がない。なお、外国人女性が日本の合法AVに出演する、いわゆる「洋ピン」作品は、モザイク処理されているが人気がある。つまり女優が外国人である問題ではない。
蛇足で私見だが、海外ポルノは、実際、海外フェミニストが糾弾するような、即物的でつまらない作品がほとんどだが、日本のAVは、全てではないが、エンターテイメント性に富みストーリーがある作品も多い。歴史的に映画産業から派生した所以である。海外でも、非常に人気があるという説もある。
以上のような6種類あることを踏まえれば、実は、私が説明したのは、3番目の適正AVには出演強要がないと言っているだけであり、他のカテゴリーのデータは持ち合わせていない。
もし、運動団体に駆け込んでいるのは、非合法の業者の被害者であるとすれば、辻褄が合う。被害者が、適正AV内の業者による場合については、認識のズレの第二の理由によると考えている。