今回は裁断とマーキングについてです。
工場は一度に何千、何百着と縫製するので
いかに効率よく仕事をするかが要です。
アパレルの裁断工場については以前書きましたが、
量産ならではの具体的な作業方法を
もうちょっと詳しく書いてみます。
パターンが完成したら、
パターンが布の中に無駄なく、効率よく入るように
パズルのように敷き詰めていきます。
この作業をマーキングと言います。
これはパタンナーがすることもありますし、
裁断工場や縫製工場がすることもあります。
マーキングには大きなルールがふたつあります。
①パターンの前中心、後ろ中心は生地のなるべく真ん中に置く
②パターンとパターンの間は5mm以上離す
生地というのは普通、端にいけばいくほど歪んでいます。
歪んでいる部分を服の中心に使ってしまうと、
歪んだ服が出来上がってしまいます。
ですから、生地の中心のたてよこのそろっているきれいなところが
服の中心になるように裁断します。
歪んでいる端の部分は、
差し支えないような部品に割り当てます。
(ポケット、フラップ、ベルトループ、カフス、袖、ヨークなど)
生地の面積に対して、パターンがどれだけ上手く収まっているかというのを収率といいます。
一般的な形の洋服(シャツ、ジャケット、パンツ、スカート、ベスト、ワンピース、コートなど)なら、
収率は80%以上が目標です。
収率を高くして、用尺を少しでも縮めることがマーキングでは一番大切です。
例えば、1着の洋服を作るときに10cm用尺を短くできたとします。
一着ではたった10cmの節約でも、1000着作ったら100mの節約になります。
1mあたりの生地代が1000円だとして、
100mなら10万円節約できたことになるのです。
ですからマーキングはとても重要な工程なのです。
次回は工場での裁断の様子です。
→弊社ホームページはこちら ←